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削除    内乱に関する罪    外患に関する罪    国交に関する罪    公務の執行を妨害する罪

逃走の罪     犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪     騒乱の罪    放火及び失火の罪

出水及び水利に関する罪     往来を妨害する罪     住居を侵す罪     秘密を侵す罪    

あへん煙に関する罪     飲料水に関する罪     通貨偽造の罪     文書偽造の罪    

有価証券偽造の罪     印章偽造の罪     偽証の罪
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刑法     第2編 罪

第1章〜第20章   第21章〜第40章

 




第一章 削除


第七十三条   削除

 
第七十四条   削除

 
第七十五条   削除

 
第七十六条   削除



第二章 内乱に関する罪


第七十七条   【 内乱 】

 国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者は、内乱の罪とし、次の区別に従って処断する。
一 首謀者は、死刑又は無期禁錮に処する。
二 謀議に参与し、又は群衆を指揮した者は無期又は三年以上の禁錮に処し、その他諸般の職務に従事した者は一年以上十年以下の禁錮に処する。
三 付和随行し、その他単に暴動に参加した者は、三年以下の禁錮に処する。

 前項の罪の未遂は、罰する。ただし、同項第三号に規定する者については、この限りでない。

 
第七十八条   【 予備及び陰謀 】
 内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の禁錮に処する。

 
第七十九条   【 内乱等幇助 】
 兵器、資金若しくは食糧を供給し、又はその他の行為により、前二条の罪を幇助した者は、七年以下の禁錮に処する。

 
第八十条   【 自首による刑の免除 】
 前二条の罪を犯した者であっても、暴動に至る前に自首したときは、その刑を免除する。
 




第三章 外患に関する罪


第八十一条   【 外患誘致 】
 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。

 
第八十二条   【 外患援助 】
 日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。

 
第八十三条   削除

 
第八十四条   削除

 
第八十五条   削除

 
第八十六条   削除

 
第八十七条   【 未遂罪 】
 第八十一条及び第八十二条の罪の未遂は、罰する。

 
第八十八条   【 予備及び陰謀 】
 第八十一条又は第八十二条の罪の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

 
第八十九条   削除

 




第四章 国交に関する罪



第九十条   削除

 
第九十一条   削除

 
第九十二条   【 外国国章損壊等 】

 外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。
 

第九十三条   【 私戦予備及び陰謀 】
 外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備又は陰謀をした者は、三月以上五年以下の禁錮に処する。ただし、自首した者は、その刑を免除する。

 
第九十四条   【 中立命令違反 】
 外国が交戦している際に、局外中立に関する命令に違反した者は、三年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
 




第五章 公務の執行を妨害する罪



第九十五条   【 公務執行妨害及び職務強要 】

 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役又は禁錮に処する。

 公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。

 
第九十六条   【 封印等破棄 】
 公務員が施した封印若しくは差押えの表示を損壊し、又はその他の方法で無効にした者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 
第九十六条の二   【 強制執行妨害 】
 強制執行を免れる目的で、財産を隠匿し、損壊し、若しくは仮装譲渡し、又は仮装の債務を負担した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 
第九十六条の三   【 競売等妨害 】

 偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札の公正を害すべき行為をした者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。

 公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合した者も、前項と同様とする。
 




第六章 逃走の罪


第九十七条   【 逃走 】
 裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、一年以下の懲役に処する。

 
第九十八条   【 加重逃走 】
 前条に規定する者又は勾引状の執行を受けた者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は二人以上通謀して、逃走したときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

 
第九十九条   【 被拘禁者奪取 】
 法令により拘禁された者を奪取した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 
第百条   【 逃走援助 】

 法令により拘禁された者を逃走させる目的で、器具を提供し、その他逃走を容易にすべき行為をした者は、三年以下の懲役に処する。

 前項の目的で、暴行又は脅迫をした者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 
第百一条   【 看守者等による逃走援助 】
 法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者を逃走させたときは、一年以上十年以下の懲役に処する。

 
第百二条   【 未遂罪 】
 この章の罪の未遂は、罰する。
 




第七章 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪



第百三条   【 犯人蔵匿等 】
 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
 

第百四条   【 証拠隠滅等 】
 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
 

第百五条   【 親族による犯罪に関する特例 】
 前二条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる。
 

第百五条の二   【 証人等威迫 】
 自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
 




第八章 騒乱の罪



第百六条   【 騒乱 】

 多衆で集合して暴行又は脅迫をした者は、騒乱の罪とし、次の区別に従って処断する。
一 首謀者は、一年以上十年以下の懲役又は禁錮に処する。
二 他人を指揮し、又は他人に率先して勢いを助けた者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。
三 付和随行した者は、十万円以下の罰金に処する。
 

第百七条   【 多衆不解散 】
 暴行又は脅迫をするため多衆が集合した場合において、権限のある公務員から解散の命令を三回以上受けたにもかかわらず、なお解散しなかったときは、首謀者は三年以下の懲役又は禁錮に処し、その他の者は十万円以下の罰金に処する。
 




第九章 放火及び失火の罪


第百八条   【 現住建造物等放火 】
 放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
 

第百九条   【 非現住建造物等放火 】

 放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。

 前項の物が自己の所有に係るときは、六月以上七年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。

 
第百十条   【 建造物等以外放火 】

 放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

 前項の物が自己の所有に係るときは、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
 


第百十一条   【 延焼 】

 第百九条第二項又は前条第二項の罪を犯し、よって第百八条又は第百九条第一項に規定する物に延焼させたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。

 前条第二項の罪を犯し、よって同条第一項に規定する物に延焼させたときは、三年以下の懲役に処する。

 
第百十二条   【 未遂罪 】
 第百八条及び第百九条第一項の罪の未遂は、罰する。

 
第百十三条   【 予備 】
 第百八条又は第百九条第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。

 
第百十四条   【 消火妨害 】
 火災の際に、消火用の物を隠匿し、若しくは損壊し、又はその他の方法により、消火を妨害した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

 
第百十五条   【 差押え等に係る自己の物に関する特例 】
 第百九条第一項及び第百十条第一項に規定する物が自己の所有に係るものであっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は保険に付したものである場合において、これを焼損したときは、他人の物を焼損した者の例による。

 
第百十六条   【 失火 】

 失火により、第百八条に規定する物又は他人の所有に係る第百九条に規定する物を焼損した者は、五十万円以下の罰金に処する。

 失火により、第百九条に規定する物であって自己の所有に係るもの又は第百十条に規定する物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。
 

第百十七条   【 爆発物破裂 】

 火薬、ボイラーその他の激発すべき物を破裂させて、第百八条に規定する物又は他人の所有に係る第百九条に規定する物を損壊した者は、放火の例による。第百九条に規定する物であって自己の所有に係るもの又は第百十条に規定する物を損壊し、よって公共の危険を生じさせた者も、同様とする。

 前項の行為が過失によるときは、失火の例による。

 
第百十七条の二   【 業務上失火等 】
 第百十六条又は前条第一項の行為が業務上必要な注意を怠ったことによるとき、又は重大な過失によるときは、三年以下の禁錮又は百五十万円以下の罰金に処する。

 
第百十八条   【 ガス漏出等および同致死傷 】

 ガス、電気又は蒸気を漏出させ、流出させ、又は遮断し、よって人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者は三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 ガス、電気又は蒸気を漏出させ、流出させ、又は遮断し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
 




第十章 出水及び水利に関する罪


第百十九条   【 現住建造物等浸害 】
 出水させて、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車又は鉱坑を浸害した者は、死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処する。

 
第百二十条   【 非現住建造物等浸害 】

 出水させて、前条に規定する物以外の物を浸害し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

 浸害した物が自己の所有に係るときは、その物が差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は保険に付したものである場合に限り、前項の例による。

 
第百二十一条   【 水防妨害 】
 水害の際に、水防用の物を隠匿し、若しくは損壊し、又はその他の方法により、水防を妨害した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

 
第百二十二条   【 過失建造物等浸害 】
 過失により出水させて、第百十九条に規定する物を浸害した者又は第百二十条に規定する物を浸害し、よって公共の危険を生じさせた者は、二十万円以下の罰金に処する。

 
第百二十三条   【 水利妨害及び出水危険 】
 堤防を決壊させ、水門を破壊し、その他水利の妨害となるべき行為又は出水させるべき行為をした者は、二年以下の懲役若しくは禁錮又は二十万円以下の罰金に処する。
 




第十一章 往来を妨害する罪


第百二十四条   【 往来妨害及び同致死傷 】

 陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

 
第百二十五条   【 往来危険 】

 鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、二年以上の有期懲役に処する。

 灯台若しくは浮標を損壊し、又はその他の方法により、艦船の往来の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。


第百二十六条   【 汽車転覆等及び同致死 】

 現に人がいる汽車又は電車を転覆させ、又は破壊した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

 現に人がいる艦船を転覆させ、沈没させ、又は破壊した者も、前項と同様とする。

 前二項の罪を犯し、よって人を死亡させた者は、死刑又は無期懲役に処する。

 
第百二十七条   【 往来危険による汽車転覆等 】
 第百二十五条の罪を犯し、よって汽車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し、又は艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊した者も、前条の例による。

 
第百二十八条   【 未遂罪 】
 第百二十四条第一項、第百二十五条並びに第百二十六条第一項及び第二項の罪の未遂は、罰する。

 
第百二十九条   【 過失往来危険 】

 過失により、汽車、電車若しくは艦船の往来の危険を生じさせ、又は汽車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し若しくは艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊した者は、三十万円以下の罰金に処する。

 その業務に従事する者が前項の罪を犯したときは、三年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
 




第十二章 住居を侵す罪


第百三十条   【 住居侵入等 】
 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 
第百三十一条   削除

 
第百三十二条   【 未遂罪 】
 第百三十条の罪の未遂は、罰する。
 




第十三章 秘密を侵す罪

第百三十三条   【 信書開封 】
 正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
 

第百三十四条   【 秘密漏示 】

 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産婦、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上、取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前項と同様とする。

 
第百三十五条   【 親告罪 】
 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
  




第十四章 あへん煙に関する罪

第百三十六条   【 あへん煙輸入等 】
 あへん煙を輸入し、製造し、販売し、又は販売の目的で所持した者は、六月以上七年以下の懲役に処する。

 
第百三十七条   【 あへん煙吸食器具輸入等 】
 あへん煙を吸食する器具を輸入し、製造し、販売し、又は販売の目的で所持した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 
第百三十八条   【 税関職員によるあへん煙輸入等 】
 税関職員が、あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を輸入し、又はこれらの輸入を許したときは、一年以上十年以下の懲役に処する。

 
第百三十九条   【 あへん煙吸食及び場所提供 】

 あへん煙を吸食した者は、三年以下の懲役に処する。

 あへん煙の吸食のため建物又は室を提供して利益を図った者は、六月以上七年以下の懲役に処する。

 
第百四十条   【 あへん煙等所持 】
 あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を所持した者は、一年以下の懲役に処する。

 
第百四十一条   【 未遂罪 】
 この章の罪の未遂は、罰する。
 




第十五章 飲料水に関する罪

第百四十二条   【 浄水汚染 】
 人の飲料に供する浄水を汚染し、よって使用することができないようにした者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 
第百四十三条   【 水道汚染 】
 水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源を汚染し、よって使用することができないようにした者は、六月以上七年以下の懲役に処する。

 
第百四十四条   【 浄水毒物等混入 】
 人の飲料に供する浄水に毒物その他人の健康を害すべき物を混入した者は、三年以下の懲役に処する。

 
第百四十五条   【 浄水汚染等致死傷 】
 前三条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

 
第百四十六条   【 水道毒物等混入及び同致死 】
 水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源に毒物その他人の健康を害すべき物を混入した者は、二年以上の有期懲役に処する。よって人を死亡させた者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

 
第百四十七条   【 水道損壊及び閉塞 】
 公衆の飲料に供する浄水の水道を損壊し、又は閉塞した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
 




第十六章 通貨偽造の罪

第百四十八条   【 通貨偽造及び行使等 】

 行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する

 偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

 
第百四十九条   【 外国通貨偽造及び行使等 】

 行使の目的で、日本国内に流通している外国の貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、二年以上の有期懲役に処する。

 偽造又は変造の外国の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

 
第百五十条   【 偽造通貨等収得 】
 行使の目的で、偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を収得した者は、三年以下の懲役に処する。

 
第百五十一条   【 未遂罪 】
 前三条の罪の未遂は、罰する。

 
第百五十二条   【 収得後知情行使等 】
 貨幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の三倍以下の罰金又は科料に処する。ただし、二千円以下にすることはできない。

 
第百五十三条   【 通貨偽造等準備 】
 貨幣、紙幣又は銀行券の偽造又は変造の用に供する目的で、器械又は原料を準備した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
 




第十七章 文書偽造の罪

第百五十四条   【 詔書偽造等 】

 行使の目的で、御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

 御璽若しくは国璽を押し又は御名を署した詔書その他の文書を変造した者も、前項と同様とする。

 
第百五十五条   【 公文書偽造等 】

 行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

 公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。

 前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 
第百五十六条   【 虚偽公文書作成等 】
 公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。

 
第百五十七条   【 公正証書原本不実記載等 】

 公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札又は旅券に不実の記載をさせた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 前二項の罪の未遂は、罰する。

 
第百五十八条   【 偽造公文書行使等 】

 第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。

 前項の罪の未遂は、罰する。

 
第百五十九条   【 私文書偽造等 】

 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。

 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 
第百六十条   【 虚偽診断書等作成 】
 医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたときは、三年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。

 
第百六十一条   【 偽造私文書等行使 】

 前二条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。

 前項の罪の未遂は、罰する。

 
第百六十一条の二   【 電磁的記録不正作出及び供用 】

 人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第一項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。

 前項の罪の未遂は、罰する。
 




第十八章 有価証券偽造の罪


第百六十二条   【 有価証券偽造等 】

 行使の目的で、公債証書、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を偽造し、又は変造した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。

 行使の目的で、有価証券に虚偽の記入をした者も、前項と同様とする。
 

第百六十三条   【 偽造有価証券行使等 】

 偽造若しくは変造の有価証券又は虚偽の記入がある有価証券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。

 前項の罪の未遂は、罰する。
 




第十九章 印章偽造の罪


第百六十四条   【 御璽偽造及び不正使用等 】

 行使の目的で、御璽、国璽又は御名を偽造した者は、二年以上の有期懲役に処する。

 御璽、国璽若しくは御名を不正に使用し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用した者も、前項と同様とする

 
第百六十五条   【 公印偽造及び不正使用等 】

 行使の目的で、公務所又は公務員の印章又は署名を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用した者も、前項と同様とする。

 
第百六十六条   【 公記号偽造及び不正使用等 】

 行使の目的で、公務所の記号を偽造した者は、三年以下の懲役に処する。

 公務所の記号を不正に使用し、又は偽造した公務所の記号を使用した者も、前項と同様とする。

 
第百六十七条   【 私印偽造及び不正使用等 】

 行使の目的で、他人の印章又は署名を偽造した者は、三年以下の懲役に処する。

 他人の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した印章若しくは署名を使用した者も、前項と同様とする。

 
第百六十八条   【 未遂罪 】
 第百六十四条第二項、第百六十五条第二項、第百六十六条第二項及び前条第二項の罪の未遂は、罰する。
 




第二十章 偽証の罪


第百六十九条   【 偽証 】
 法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
 

第百七十条   【 自白による刑の減免 】
 前条の罪を犯した者が、その証言をした事件について、その裁判が確定する前又は懲戒処分が行われる前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
 

第百七十一条   【 虚偽鑑定等 】
 法律により宣誓した鑑定人、通訳人又は翻訳人が虚偽の鑑定、通訳又は翻訳をしたときは、前二条の例による。


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