道路交通法


第1章  総  則                                 第1条〜第9条
第2章  歩行者の通行方法                   第10条〜第15条
第3章  車両及び路面電車の交通方法    第16条〜第63条

第4章  運転者及び使用者の義務 (第64条〜第75条の2の2)
第4章の2  高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例 (第75条の2の3〜第75条の11)
第5章  道路の使用等 (第76条〜第83条)
第6章  自動車及び原動機付自転車の運転免許 (第84条〜第108条)
第6章の2  講習 (第108条の2〜第108条の12)
第6章の3  交通事故調査分析センター (第108条の13〜第108条の25)
第6章の4  交通の安全と円滑に資するための民間の組織活動等の促進 (第108条の26〜第108条の32の2)
第7章  雑  則 (第108条の33〜第114条の6)
第8章  罰  則 (第115条〜第124条)
第9章  反則行為に関する処理手続の特例 (第125条〜第132条)





第1章 総  則


(目的)
第1条  

この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する 障害の防止に資することを目的とする。


 
(定義)
第2条  

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

道路
     道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路、道路運送法(昭和26年法律第183号)第2条 第8項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう。

歩道
     歩行者の通行の用に供するため緑石線又はさくその他これに類する工作物によつて区画された道路の部分 をいう。

車道
     車両の通行の用に供するため縁石線若しくはさくその他これに類する工作物又は道路標示によつて区画され た道路の部分をいう。

本線車道
       高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)第4条第1項に規定する道路をいう。以下同じ。) 又は自動事専用道路(道路法第48条の4第1項に規定する自動車専用道路をいう。以下同じ。)の本線車線に より構成する車道をいう。

 自転車道
       自転車の通行の用に供するため縁石線又はさくその他これに類する工作物によつて区画された車道の部分を いう。

路側帯
       歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設 けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。

横断歩道
       道路標識又は道路標示(以下「道路標識等」という。)により歩行者の横断の用に供するための場所であること が示されている道路の部分をいう。

自転車横断帯 道路標識等により自転事の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。

交差点
        十字路、丁字路その他2以上の道路が交わる場合における当該2以上の道路(歩道と車道の区別のある道路 においては、車道)の交わる部分をいう。

安全地帯
       路面電車に乗降する者若しくは横断している歩行者の安全を図るため道路に設けられた島状の施設又は道路 標識及び道路標示により安全地帯であることが示されている道路の部分をいう。

車両通行帯
        車両が道路の定められた部分を通行すべきことが道路標示により示されている場合における当該道路標示に より示されている道路の部分をいう。

  車両
        自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。

自動車
        原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、原動機付自転車、自転車及び身体 障害者用の車いす並びに歩行補助車その他の小型の車で政令で定めるもの(以下「歩行補助車等」という。) 以外のものをいう。

原動機付自転車
        総理府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によ らないで運転する車であつて、自転車、身体障害者用の事いす及び歩行補助車等以外のものをいう。

軽車両
        自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転 する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの をいう。

自転車
        ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する2輪以上の車(レールにより運転する車を除く) であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの(人の力を補うため原動機を用 いるものであつて、総理府令で定める基準に該当するものを含む。)をいう。

身体障害者用の車いす
        身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するための車いす(原動機を用いるものにあつては、総理 府令で定める基準に該当するものに限る。)をいう。

トロリーバス
       架線から供給される電力により、かつ、レールによらないで運転する車をいう。

路面電車
        レールにより運転する車をいう。

信号機
        電気により繰作され、かつ、道路の交通に関し、灯火により交通整理等のための信号を表示する装置をいう。

道路標識
       道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示板をいう。

道路標示
        道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示で、路面に描かれた道路鋲、ペイント、石等による線、記号 又は文字をいう。

運転
       道路において、事両又は路面電車(以下「車両等」という。)をその本来の用い方に従つて用いることをいう。

駐車
       車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのため の停止で5分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止し、かつ、当該 車両等の運転をする者(以下「運転者」という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあ ることをいう。

停車
        車両等が停止することで駐車以外のものをいう。

徐行
        車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。

追越し
        車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、 かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。

進行妨害
        車両等が、進行を継続し、又は始めた場合においては危険を防止するため他の車両等がその速度又は方向 を急に変更しなければならないこととなるおそれがあるときに、その進行を継続し、又は始めることをいう。

交通公害
       道路の交通に起因して生ずる大気の汚染、騒音及び振動のうち総理府令で定めるものによつて、人の健康 又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。


《改正》平11法087
 2

   道路法第45条第1項の規定により設置された区画線は、この法律の規定の適用については、総理府令・ 建設省令で定めるところにより、道路標示とみなす。
 
 3

   この法律の規定の適用については、次に掲げる者は、歩行者とする。

    身体障害者用の車いす、歩行補助車等又は小児用の車を通行させている者

    次条の大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車、二輪の原動機付自転車又は二輪若しくは三輪の自転車 (これらの車両で側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)を押して歩いている者



(自動車の種類)
第3条

 自動車は、総理府令で定める車体の大きさ及び構造並びに原動機の大きさを基準として、大型自動車、普 通自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ。)、普通自動二輪車(側 車付きのものを含む。以下同じ。)及び小型特殊自動車に区分する。


 
(公安委員会の交通規制)
第4条

 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円 滑を図り、又は交通公害その他の道路の交通に起因する障害を防止するため必要があると認めるときは、 政令で定めるところにより、信号機又は道路標識等を改定し、及び管理して、交通整理、歩行者又は車両等 の通行の禁止その他の道路における交通の規制をすることかできる。 この場合において、緊急を要するため道路標識等を設置するいとまがないとき、その他道路標識等による交 通の規制をすることが困難であると認めるときは、公安委員会は、その管理に属する都道府県警察の警察 官の現場における指示により、道路標識等の設置及び管理による交通の規制に相当する交通の規制をす ることができる。
 
 2

   前項の規定による交通の規制は、区域、道路の区間又は場所を定めて行なう。 この場合において、その規制は、対象を限定し、又は適用される日若しくは時間を限定して行なうことができる
 
 3

   公安委員会は、交通のひんぱんな交差点その他交通の危険を防止するために必要と認められる場所には、 信号機を設置するようにつとめなければならない。
 
 4

   信号機の表示する信号の意味その地信号機について必要な事項は、政令で定める。
 
 5

   道路標識等の種類、様式、設置場所その他道路標識等について必要な事項は、総理府令・建設省令で 定める。
         (罰則 第1項後段については第119条第1項第1号、第121条第1項第1号)


 
(警察署長等への委任)
第5条

 公安委員会は、政令で定めるところにより、前条第1項に規定する歩行者又は車両等の通行の禁止その他 の交通の規制のうち、適用期間の短いものを警察署長に行なわせることができる。
 
 2

   公安委員会は、信号機の設置又は管理に係る事務を政令で定める者に委任することができる。


 
(警察官等の交通規制)
第6条

 警察官又は第114条の4第1項に規定する交通巡視員(以下「警察官等」という。)は、手信号その他の 信号(以下「手信号等」という。)により交通整理を行なうことができる。 この場合において、警察官等は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特に必 要があると認めるときは、信号機の表示する信号にかかわらず、これと異なる意味を表示する手信号等を することができる。
 
 2

   警察官は、車両等の通行が著しく停滞したことにより道路(高速自動車国道及び自動車専用道路を除く。第4 項において同じ。)における交通が著しく混雑するおそれがある場合において、当該道路における交通の円滑 を図るためやむを得ないと認めるときは、その現場における混雑を緩和するため必要な限度において、その 現場に進行してくる車両等の通行を禁止し、若しくは制限し、その現場にある事両等の運転者に対し、当該 車両等を後退させることを命じ、又は第8条第1項、第3章第1節、第3節若しくは第6節に規定する通行方法 と異なる通行方法によるべきことを命ずることができる。
 
 3

   警察官は、前項の規定による措置のみによつては、その現場における混雑を緩和することができないと認め るときは、その混雑を緩和するため必要な限度において、その現場にある関係者に対し必要な指示をする ことができる。
 
 4

   警察官は、道路の損壊、火災の発生その他の事情により道路において交通の危険が生ずるおそれがある 場合において、当該道路における危険を防止するため緊急の必要があると認めるときは、必要な限度に おいて、当該道路につき、一時、歩行者又は車両等の通行を禁止し、又は制限することができる。
 
 5

   第1項の手信号等の意味は、政令で定める。
(罰則 第2項については第120条第1項第1号 第4項については第119条第1項第1号、第121条第1項第1号)


 
(信号機の信号等に従う義務)
第7条

 道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第1項後段 の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。
(罰則 第119条第1項第1号の2、同条第2項、第121条第1項第1号)


 
(通行の禁止等)
第8条

 歩行者又は車両等は、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行しては ならない。
 
 2

   車両は、警察署長が政令で定めるやむを得ない理由があると認めて許可をしたときは、前項の規定にかか わらず、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行することができる。
 
 3

   警察署長は、前項の許可をしたときは、許可証を交付しなければならない。
 
 4

   前項の規定により許可証の交付を受けた車両の運転者は、当該許可に係る通行中、当該許可証を携帯し ていなければならない。
 
 5

   第2項の許可を与える場合において、必要があると認めるときは、警察署長は、当該許可に条件を付すること ができる。
 
 6

   第3項の許可証の様式その他第2項の許可について必要な事項は、総理府令で定める。
(罰則 第1項については第119条第1項第1号の2、同条第2項、第121条第1項第1号第5項については 第121条第1項第1号の2)


 
(歩行者用道路を通行する車両の義務)
第9条

 車両は、歩行者の通行の安全と円滑を図るため事両の通行が禁止されていることが道路標識等により表示 されている道路(第13条の2において「歩行者用道路」という。)を、前条第2項の許可を受け、又はその禁止 の対象から除外されていることにより通行するときは、特に歩行者に注意して徐行しなければならない。
(罰則 第119条第1項第1号の2、同条第2項)
 
 

 


第2章 歩行者の通行方法



(通行区分)
第10条

 歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という) と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。 ただし、道路の右側端を通行することか危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つ て通行することができる。
 
 2

   歩行者は、歩道等と車道の区別のある道路においては、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなけ ればならない。

                          車道を横断するとき。

                          道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき。



(行列等の通行)
第11条

 学生生徒の隊列、葬列その他の行列(以下「行列」という。)及び歩行者の通行を妨げるおそれのある者で 政令で定めるものは、前条第2項の規定にかかわらず、歩道等と車道の区別のある道路においては、車道 をその右側端(自転車通が設けられている車道にあつては、自転車道以外の部分の右側端。次項において 同じ。)に寄つて通行しなければならない。
 
 2

   前項の政令で定める行列以外の行列は、前条第2項の規定にかかわらず、歩道等と車道の区別のある道路 において、車道を通行することができる。 この場合においては、車道の右側端に寄つて通行しなければならない。
 
 3

   警察官は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、第1 項の行列の指揮者に対し、区間を定めて当該行列が道路又は車道の左側端(自転車道が設けられている車 道にあつては、自転車道以外の部分の左側端)に寄つて通行すべきことを命ずることができる。
(罰則 第1項については第121条第1項第2号 第2項及び第3項については第121条第1項第3号)


 
(横断の方法)
第12条

 歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の附近においては、その横断歩道によって 道路を横断しなければならない。
 
 2

   歩行者は、交差点において道路標識等により斜めに道路を横断することができることとされている場合を除き斜めに道路を横断してはならない。


 
(横断の禁止の場所)
第13条

 歩行者は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。ただし、横断歩道によつて道路を横断するとき、又は信号機の表示する信号若しくは警察官等の手信号等に従つて道路を横断するときは、この限りでない。
 
 2

   歩行者は、道路標識等によりその横断が禁止されている道路の部分においては、道路を横断してはならない


 
(歩行者用道路等の特例)
第13条の2

 歩行者用道路又はその構造上車両等が入ることができないこととなつている道路を通行する歩行者については、第10条から前条までの規定は、適用しない。


 
(目が見えない者、幼児、高齢者等の保護)
第14条

 目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む。以下同じ。)は、道路を通行するときは、政令で定め るつえを携え、又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない。
  《改正》平9法41
 2

   目が見えない者以外の者(耳が聞こえない者及び政令で定める程度の身体の障害のある者を除く。)は、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める用具を付けた犬を連れて道路を通行してはならない。
 
 3

   児童(6歳以上13歳末満の者をいう。以下同じ。)若しくは幼児(6歳未満の者をいう。以下同じ。)を保護する責任のある者は、交通のひんぱんな道路又は踏切若しくはその附近の道路において、児童若しくは幼児に遊戯をさせ、又は自ら若しくはこれに代わる監護者が付き添わないで幼児を歩行させてはならない。
 
 4

   児童又は幼児が小学校又は幼稚園に通うため道路を通行している場合において、誘導、合図その他適当な措置をとることが必要と認められる場所については、警察官等その他その場所に居合わせた者は、これらの措置をとることにより、児童又は幼児が安全に道路を通行することができるようにつとめなければならない。
 
 5

   高齢の歩行者でその通行に支障のあるものが道路を横断し、又は横断しようとしている場合において、当該歩行者から申出があつたときその他必要があると認められるときは、警察官等その他その場所に居合わせた者は、誘導、合図その他適当な措置をとることにより、当該歩行者が安全に道路を横断することができるように努めなければならない。


  《追加》平9法41
(通行方法の指示)
第15条

 警察官等は、第10条、第12条又は第13条の規定に違反して道路を通行している歩行者に対し、当該各条 に規定する通行方法によるべきことを指示することができる。
(罰則 第121条第1項第4号)
 
 

第3章 車両及び路面電車の交通方法




(通則)
第16条

 道路における車両及び路面電車の交通方法については、この章の定めるところによる。
 
 2

   この章の規定の適用については、自動車又は原動機付自転車により他の車両を牽引する場合における当該牽引される車両は、その牽引する自動車又は原動機付自転車の一部とする。
 
 3

   この章の規定のうち交差点における交通に係る規定は、本線車道を通行している自動車については、適用しない。
 
 4

   この章の規定の適用については、自転車道が設けられている道路における自転車道と自転車道以外の車道の部分とは、それぞれ一の車道とする。


 
(通行区分)
第17条

 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第47条第3項若しくは第48条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
 
 2

   前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。
 
 3

   二輪又は三輪の自転車(側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)以外の車両は、自転車道を通行してはならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ないときは、自転車道を横断することができる。
 
 4

   車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第9節までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
 
 5

   車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分(以下「右側部分」という。)にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。この場合において、車両は、第1号に掲げる場合を除き、そのはみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければならない。

当該道路が一方通行(道路における車両の通行につき一定の方向にする通行が禁止されていることを いう。以下同じ。)となつているとき。

当該道路の左側部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。

当該車両が道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分を通行することができ ないとき。

当該道路の左側部分の幅員が6メートルに満たない道路において、他の車両を追い超そうとするとき(当該道路の右側部分を見とおすことかでき、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれかない場合に限るものとし、道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く。)。

勾配の急な道路のまがりかど附近について、道路標識等により通行の方法が指定されている場合において、当該車両が当該指定に従い通行するとき。

 6

   車両は、安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない。
(罰則 第1項から第4項まで及び第6項については第119条第1項第2号の2)


 
(軽車両の路側帯通行)
第17条の2

 軽車両は、前条第1項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。
 
 2

   前項の場合において、軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。
(罰則 第2項については第121条第1項第5号)
 


(左側寄り通行等)
第18条

 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機 付自転車にあつては道路の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路 を通行しなければならない。  ただし、追越しをするとき、第25条第2項若しくは第34条第2項若しくは第4項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
 
 2

   車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。
(罰則 第2項については第119条第1項第2号の2)
 


(軽車両の並進の禁止)
第19条

 軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない。
   (罰則 第121条第1項第5号)


 
(車両通行帯)
第20条

 車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行 しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に3以上の車両通行帯が設けられているときは政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。
 
 2

   車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない。
 
 3

   車両は、追越しをするとき、第25条第1項若しくは第2項若しくは第34条第1項から第5項までの規定により道路の左側端、中央若しくは右側端に寄るとき、第35条第1項の規定に従い通行するとき、第26条の2第3項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、第40条第2項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、前2項の規定によらないことができる。この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。
(罰則 第120条第1項第3号、同条第2項)


 
(路線バス等優先通行帯)
第20条の2

 道路運送法第3条第1号イに掲げる一般乗合旅客自動車運送事業の用に供する自動車その他の政令で定める自動車(以下この条において「路線バス等」という。)の優先通行帯であることが道路標識等により表示されている車両通行帯が設けられている道路においては、自動車(路線バス等を除く。以下この条において同じ。)は、路線バス等が後方から接近してきた場合に当該道路における交通の混雑のため当該車両通行帯から出ることができないこととなるときは、当該車両通行帯を通行してはならず、また、当該車両通行帯を通行している場合において、後方から路線バス等が接近してきたときは、その正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかに当該車両通行帯の外に出なければならない。ただし、この法律の他の規定により通行すべきこととされている道路の部分が当該車両通行帯であるとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
 
 2

   前条第1項本文の規定は、前項の車両通行帯の直近の右側の車両通行帯又は道路の部分を通行する自動車については、適用しない。
(罰則 第1項については第120条第1項第3号、同条第2項)
 


(軌道敷内の通行)
第21条

 車両(トロリーバスを除く。以下この条及び次条第1項において同じ。)は、左折し、右折し、横断し、若しくは転回するため軌道敷を横切る場合又は危険防止のためやむを得ない場合を除き、軌道敷内を通行してはならない。
 
 2

   車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、軌道敷内を通行することができる。この場合において、車両は、路面電車の通行を妨げてはならない。

当該道路の左側部分から軌道敷を除いた部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。

当該車両が、道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分から軌道敷を除いた部分を通行することかできないとき。

道路標識等により軌道敷内を通行することができることとされている自動車が通行するとき。

 3

   軌道敷内を通行する車両は、後方から路面電車が接近してきたときは、当該路面電車の正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかに軌道敷外に出るか、又は当該路面電車から必要な距離を保つようにしなければならない。
(罰則 第121条第1項第5号)
 
 
第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第2節 速  度


(最高速度)
第22条

 車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
 
 2

   路面電車又はトロリーバスは、軌道法(大正10年法律第76号)第14条(同法第31条において準用する場合を含む。第62条において同じ。)の規定に基づく命令で定める最高速度をこえない範囲内で道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては当該命令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
(罰則 第118条第1項第2号、同条第2項)
 


(最高速度違反行為に係る車両の使用者に対する指示)
第22条の2

 車両の運転者が前条の規定に違反する行為(以下この条及び第75条の2第1項において「最高速度違反行為」という。)を当該車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)の業務に関してした場合において、当該最高速度違反行為に係る車両の使用者が当該車両につき最高速度違反行為を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、最高速度違反行為となる運転が行われることのないよう運転者に指導し又は助言することその他最高速度違反行為を防止するため必要な措置をとることを指示することができる。


  《追加》平9法41
 2

   前項の規定による指示に係る車両の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者、貨物運送取扱事業法(平成元年法律第82号)の規定による第2種利用運送事業を経営する者又は軌道法の規定による軌道経営者(トロリーバスを運行するものに限る。)である場合における当該指示は、公安委員会が当該事業を監督する行政庁とあらかじめ協議して定めたところによつてしなければならない。


  《追加》平9法41
(最低速度)
第23条

 自動車は、道路標識等によりその最低速度が指定されている道路(第75条の4に規定する高速自動車国道の本線車道を除く。)においては、法令の規定により速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その最低速度に達しない速度で進行してはならない。
      
(急ブレーキの禁止)
第24条

 車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又は その速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。
(罰則 第119条第1項第1号の3)
 
      
 
第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第3節 横断等



(道路外に出る場合の方法)
第25条

 車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ徐行しなければならない。
 
 2

   車両(軽車両及びトロリーバスを除く。)は、道路外に出るため右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端)に寄り、かつ、徐行しなければならない。
 
 3

   道路外に出るため左折又は右折をしようとする車両が、前2項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない。
(罰則 第1項及び第2項については第121条第1項第5号 第3項については第120条第1項第2号)
 


(横断等の禁止)
第25条の2

 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。
 
 2

   車両は、道路標識等により横断、転回又は後退が禁止されている道路の部分においては、当該禁止された行為をしてはならない。
(罰則 第1項については第119条第1項第2号の2 第2項については第120条第1項第4号、同条第2項)
 
 
第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第4節 追越し等

(車間距離の保持)
第26条

 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に 停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければ ならない。
(罰則 第120条第1項第2号)
 


(進路の変更の禁止)
第26条の2

 車両は、みだりにその進路を変更してはならない。
 
 2

   車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
 
 3

   車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が当該車両通行帯を通行している車両の進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているときは、次に掲げる場合を除き、その道路標示をこえて進路を変更してはならない。

第40条の規定により道路の左側若しくは右側に寄るとき、又は道路の損壊、道路工事その他の障害の ためその通行している車両通行帯を通行することができないとき。

第40条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のため、通行することができなかつた車両通行帯を通行の区分に関する規定に従つて通行しようとするとき。

(罰則 第2項については第120条第1項第2号 第3項については第120条第1項第3号、同条第2項)


(他の車両に追いつかれた車両の義務)
第27条

 事両(道路運送法第3条第1号イに掲げる一般乗合旅客自動車運送事業又は同条第2号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動事(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、第22条第1項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。最高速度か同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
 
 2

   車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、最高速度が高い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、第18条第1項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
(罰則 第120条第1項第2号)
 


(追越しの方法)
第28条

 車両は、他の車両を追い超そうとするときは、その追い越されようとする車両(以下この節において「前車」という。)の右側を通行しなければならない。
 
 2

   車両は、他の車両を追い越そうとする場合において、前車が第25条第2項又は第34条第2項若しくは第4項の規定により道路の中央又は右側端に寄つて通行しているときは、前項の規定にかかわらず、その左側を通行しなければならない。
 
 3

   車両は、路面電車を追い越そうとするときは、当該車両が追いついた路面電車の左側を通行しなければならない。ただし、軌道が道路の左側端に寄つて設けられているときは、この限りでない。
 
 4

   前3項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条において「後車」という。)は、反対の方向又は後方からの交通及び前車又は路面電車の前方の交通にも十分に注意し、かつ、前車又は路面電車の速度及び進路並びに道路の状況に応じて、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
(罰則 第119条第1項第2号の2)
 


(追越しを禁止する場合)
第29条

 後車は、前車が他の自動車又はトロリーバスを追い越そうとしているときは、追越しを始めてはならない。
(罰則 第119条第1項第2号の2)
 


(追越しを禁止する場所)
第30条

 車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、他の車両(軽車両を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。

道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂

トンネル(車両通行帯の設けられた道路以外の道路の部分に限る。)

交差点(当該車両が第36条第2項に規定する優先道路を通行している場合における当該優先道路にある交差点を除く。)、踏切、横断歩道又は自転車横断帯及びこれらの手前の側端から前に30メートル以内の部分
(罰則 第119条第1項第2号、同条第2項)


(停車中の路面電車がある場合の停止又は徐行)
第31条

 車両は、乗客の乗降のため停車中の路面電車に追いついたときは、当該路面電車の乗客が乗降を終わり又は当該路面電車から降りた者で当該車両の前方において当該路面電車の左側を横断し、若しくは横断しようとしているものがいなくなるまで、当該路面電車の後方で停止しなければならない。 ただし、路面電車に乗降する者の安全を図るため設けられた安全地帯があるとき、又は当該路面電車に 乗降する者がいない場合において当該路面電車の左側に当該路面電車から1.5メートル以上の間隔を保 つことができるときは、徐行して当該路面電車の左側を通過することができる。
(罰則 第119条第1項第2号の2)
 


(乗合自動車の発進の保護)
第31条の2

 停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動事が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動事の進路の変更を妨げてはならない。
(罰則 第120条第1項第2号)
 


(割込み等の禁止)
第32条

 車両は、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため、停止し、若しくは停止しよう として徐行している車両等又はこれらに続いて停止し、若しくは徐行している事両等に追いついたときは、 その前方にある車両等の側方を通過して当該車両等の前方に割り込み、又はその前方を横切つてはな らない。
(罰則 第120条第1項第2号)
 
 
第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第5節 踏切の通過

(踏切の通過)
第33条

 車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ 進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。
 
 2

   車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。
 
 3

   車両等の運転者は、故障その他の理由により踏切において当該事両等を運転することができなくなつたときは、直ちに非常信号を行なう等踏切に故障その他の理由により停止している車両等があることを鉄道若しくは軌道の係員又は警察官に知らせるための措置を講ずるとともに、当該車両等を踏切以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない。
(罰則 第1項及び第2項については第119条第1項第2号、同条第2項)
 
 
第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第6節 交差点における通行方法等

(左折又は右折)
第34条

 車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
 
 2

   自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
 
 3

   軽事両は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。
 
 4

   自動車、原動機付自転事又はトロリーバスは、一方通行となつている道路において右折するときは、第2項の規定にかかわらず、あらかじめその前からできる限り道路の右側端に寄り、かつ、交差点の中心の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
 
 5

   原動機付自転車は、第2項及び前項の規定にかかわらず、道路標識等により交通整理の行われている交差点における原動機付自転車の右折につき交差点の側端に沿つて通行すべきことが指定されている道路及び道路の左側部分(一方通行となつている道路にあつては、道路)に車両通行帯が3以上設けられているその他の道路(以下この項において「多通行帯道路」という。)において右折するとき(交通整理の行われている交差点において右折する場合に限る。)は、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。ただし、多通行帯道路において、交通整理の行われている交差点における原動機付自転車の右折につきあらかじめ道路の中央又は右側端に寄るべきことが道路標識等により指定されているときは、この限りでない。
 
 6

   左折又は右折しようとする車両が、前各項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした事両の進路の変更を妨げてはならない。
(罰則 第1項から第5項までについては第121条第1項第5号 第6項については第120条第1項第2号)
 


(指定通行区分)
第35条

 車両(軽車両及び右折につき原動機付自転車が前条第5項本文の規定によることとされる交差点において左折又は右折をする原動機付自転車を除く。)は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により交差点で進行する方向に関する通行の区分が指定されているときは、前条第1項、第2項及び第4項の規定にかかわらず、当該通行の区分に従い当該車両通行帯を通行しなければならない。ただし、第40条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためやむを得ないときは、この限りでない。
 
 2

   前条第6項の規定は、車両が前項の通行の区分に従い通行するため進路を変更しようとして手又は方向指示器による合図をした場合について準用する。
(罰則 第1項については第120条第1項第3号、同条第2項 第2項については第120条第1項第2号)
 


(交差点における他の車両等との関係等)
第36条

 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。

車両である場合
その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行
する路面電車

路面電車である場合
交差道路を左方から進行してくる路面電車

 2

   車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
 
 3

   車両等(優先道路を通行している車両等を除く。)は、交通整理の行なわれていない交差点に入ろうとする場合において、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、徐行しなければならない。
 
 4

   車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
(罰則 第1項については第120条第1項第2号 第2項から第4項までについては第119条第1項第2号の2)
 
 
第37条  車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等
       があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。
(罰則 第120条第1項第2号)
 
 
第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第6節の2 横断歩行者等の保護のための通行方法

(横断歩道等における歩行者等の優先)
第38条

 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
 
 2

   事両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。
 
 3

   車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に30メートル以内の道路の部分においては、第30条第3号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(軽車両を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。
(罰則 第119条第1項第2号、同条第2項)
 


(横断歩道のない交差点における歩行者の優先)
第38条の2

 車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。
(罰則 第119条第1項第2号の2)
 
 
第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第7節 緊急自動車等

(緊急自動車の通行区分等)
第39条

 緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下同じ。)は、第17条第5項に規定する場合のほか、追越しをするためその他やむを得ない必要があるときは、同条第4項の規定にかかわらず、道路の右側部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。
 
 2   緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止することを要しない。この
      場合においては、他の交通に注意して徐行しなければならない。
 


(緊急自動車の優先)
第40条

 交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
 
 2

   前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。
(罰則 第120条第1項第2号)
 


(緊息自動車等の特例)
第41条

 緊急自動車については、第8条第1項、第17条第6項、第18条、第20条第1項及び第2項、第20条の2、第25条第1項及び第2項、第25条の2第2項、第26条の2第3項、第29条、第30条、第34条第1項、第2項及び第4項、第35条第1項並びに第38条第1項前段及び第3項の規定は、適用しない。
 
 2

   前項に規定するもののほか、第22条の規定に違反する車両等を取り締まる場合における緊急自動車については、同条の規定は、適用しない。
 
 3

   もつぱら交通の取締りに従事する自動車で総理府令で定めるものについては、第18条第1項、第20条第1項及び第2項、第20条の2並びに第25条の2第1項の規定は、適用しない。
 
 4

   政令で定めるところにより道路の維持、修繕等のための作業に従事している場合における道路維持作業用自動車(専ら道路の維持、修繕等のために使用する自動車で政令で定めるものをいう。以下第75条の9において同じ。)については、第17条第4項及び第6項、第18条第1項、第20条第1項及び第2項、第20条の2、第23条並びに第25条の2第2項の規定は、適用しない。
 


(消防用車両の優先等)
第41条の2

 交差点又はその付近において、消防用車両(消防用自動車以外の消防の用に供する車両で、消防用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下この条において同じ。)が接近してきたときは、車両等(車両にあつては、緊急自動車及び消防用車両を除く。)は、交差点を避けて一時停止しなければならない。
 
 2

   前項以外の場所において、消防用車両が接近してきたときは、車両(緊急自動車及び消防用車両を除く。)は、当該消防用車両の通行を妨げてはならない。
 
 3

   第39条の規定は、消防用車両について準用する。
 
 4

   消防用車両については、第8条第1項、第17条第6項、第18条、第20条第1項及び第2項、第25条第1項及び第2項、第25条の2第2項、第26条の2第3項、第29条、第30条、第34条第1項から第5項まで、第35条第1項、第38条第1項前段及び第3項、第40条第1項、第63条の6並びに第63条の7の規定は、適用しない。
(罰則 第1項及び第2項については第120条第1項第2号)
 
 
第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第8節 徐行及び一時停止

(徐行すべき場所)
第42条

 車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。

左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。


道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂を通行するとき。

(罰則 第119条第1項第2号、同条第2項)


(指定場所における一時停止)
第43条

 車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。この場合において、当該車両等は、第36条第2項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
(罰則 第119条第1項第2号、同条第2項)
 
 


第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第9節 停車及び駐車

(停車及び駐車を禁止する場所)
第44条

 車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の 部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合 のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、乗合自動車又はトロリーバスが、その属する運行系統 に係る停留所又は停留場において、乗客の乗降のため停車するとき、又は運行時間を調整するため駐車するときは、この限りでない。

交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル

交差点の側端又は道路のまがりかどから5メートル以内の部分

横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に5メートル以内の部分

安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に10メートル以内の部分

乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から10メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)

踏切の前後の側端からそれぞれ前後に10メートル以内の部分

(罰則 第119条の2第1項第1号、同条第2項、第119条の3第1項第1号、同条第2項)


(駐車を禁止する場所)
第45条

 車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。

人の乗降、貨物の積卸し、駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から3メートル以内の部分

道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から5メートル以内の部分

消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽の側端又はこれらの道路に接する出入口から5メートル以内の部分

消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置又は消防用防火水槽の吸水口若しくは吸管投入孔から5メートル以内の部分

火災報知機から1メートル以内の部分

 2

   車両は、第47条第2項又は第3項の規定により駐車する場合に当該車両の右側の道路上に3.5メートル(道路標識等により距離が指定されているときは、その距離)以上の余地がないこととなる場所においては、駐車してはならない。ただし、貨物の積卸しを行なう場合で運転者がその車両を離れないとき、若しくは運転者がその車両を離れたが直ちに運転に従事することができる状態にあるとき、又は傷病者の救護のためやむを得ないときは、この限りでない。
 
 3

   公安委員会が交通かひんぱんでないと認めて指定した区域においては、前項本文の規定は、適用しない。
(罰則 第1項及び第2項については第119条の2第1項第1号、同条第2項、第119条の3第1項第1号、同条第2項)
 


(停車又は駐車を禁止する場所の特例)
第46条

 車両は、第44条又は前条第1項の規定による停車及び駐車を禁止する道路の部分又は駐車を禁止する道路の部分の一部について、通路標識等により停車又は駐車をすることができることとされているときは、これらの規定にかかわらず、停車し、又は駐車することができる。
 


(停車又は駐車の方法)
第47条

 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の 交通の妨害とならないようにしなければならない。
 
 2

   車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
 
 3

   車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前2項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
             (罰則 第1項については第119条の3第1項第4号第2項及び第3項については第119条の2第1項第2号第119条の3第1項第4号)
 


(停車又は駐車の方法の特例)
第48条

 車両は、道路標識等により停車又は駐車の方法が指定されているときは、前条の規定にかかわらず、当該方法によつて停車し、又は駐車しなければならない。
(罰則 第119条の2第1項第1号、同条第2項、第119条の3第1項第1号、同条第2項)
 


(時間制限駐車区間)
第49条

 公安委員会は、時間を限つて同一車両が引き続き駐車することができる道路の区間であることが道路標識等により指定されている道路の区間(以下「時間制限駐車区間」という。)について、当該時間制限駐車区間における駐車の適正を確保するため、パーキング・メーター(総理府令で定める機能を有するものに限る。以下同じ。)を設正し、及び管理するものとする。
 
 2

   公安委員会は、時間制限駐車区間について、道路の構造その他道路又は交通の状況から判断してパーキング・メーターを設置することが適当でないと認めるときは、前項の規定にかかわらず、パーキング・チケット(総理府令で定める様式の標章であつて、発給を受けた時刻その他総理府令で定める事項を表示するものをいう。以下同じ。)を発給するための設備で総理府令で定める機能を有するもの(以下「パーキング・チケット発給設備」という。)を設置し、及び管理することができる。
 
 3

      前2項に定めるもののほか、公安委員会は、時間制限駐車区間において駐車しようとする車両の運転者に対する情報の提供、時間制限駐車区間において駐車する車両の整理その他時間制限駐車区間における駐車の適正を確保するために必要な措置を講じなければならない。
 
 4

   公安委員会は、第1項のパーキング・メーター及び第2項のパーキング・チケット発給設備の管理に関する事務並びに前項に規定する措置に関する事務の全部又は一部を総理府令で定める者に委託することができる


 
(時間制限駐車区間における駐車の方法等)
第49条の2

 時間制限駐車区間における車両の駐車(乗合自動車又はトロリーバスが、その属する運行系統に係る停留所又は停留場において運行時間を調整するため駐車する場合における当該乗合自動車又はトロリーバスの駐車を除く。)については、第44条から第48条までの規定にかかわらず、次項から第4項までに定めるところによる。
 
 2

   車両は、時間制限駐車区間においては、当該駐車につき前条第1項のパーキング・メーターが車両を感知した時又は同条第2項のパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を受けた時から、それぞれ道路標識等により表示されている時間を超えて引き続き駐車してはならない。
 
 3

   車両は、時間制限駐車区間においては、駐車につき道路標識等により指定されている道路の部分及び方法でなければ、駐車してはならない。
 
 4

   車両の運転者は、時間制限駐車区間において車両を駐車したときは、政令で定めるところにより、前条第1項のパーキング・メーターを直ちに作動させ、又は同条第2項のパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を直ちに受けて、これを当該車両が駐車している間(当該パーキング・チケットの発給を受けた時から道路標識等により表示されている時間を経過する時までの間に限る。)、当該車両の前面の見やすい箇所に掲示しなければならない。
 
 5

   警察署長が公安委員会の定めるところにより時間制限駐車区間における車両の駐車につき駐車することができる場所及び駐車の方法並びに駐車を開始することができる時刻及び駐車を終了すべき時刻を指定して許可をした場合において、当該許可に係る車両が、指定された場所及び方法で、指定された駐車を開始することができる時刻から駐車を終了すべき時刻までの間において駐車を開始したときは、当該車両及びその運転者については、前3項の規定は適用しない。この場合において、車両は、当該指定された駐車を終了すべき時刻を過ぎて引き続き駐車してはならない。
(罰則 第2項及び第5項後段については第119条の3第1項第1号、同条第2項 第3項については第119条の2第1項第1号、同条第2項、第119条の3第1項第1号、同条第2項 第4項に ついては第119条の3第1項第3号、同条第2項)
 


(時間制限駐車区間における停車の特例)
第49条の3

 車両は、前条第3項の道路標識等により車両が駐車することができる道路の部分として指定されている時間制限駐車区間の第44条各号に掲げる道路の部分においては、同条の規定にかかわらず、停車することができる。
 


(時間制限駐車区間の路上駐車場に関する特例)
第49条の4

 時間制限駐車区間に駐車場法(昭和32年法律第106号)第5条第1項の規定により同法第2条第1号に規定する路上駐車場(以下この条及び第110条の2において「路上駐車場」という。)か設置されている場合における当該路上駐車場に係る道路の部分については、第49条の規定は適用しない。
 
 2

   時間制限駐車区間に改正されている路上駐車場に係る道路の部分のうち、駐車場法第6条第1項に規定する路上駐車場管理者によりパーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備が設置されているものについては、当該パーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備を第49条第1項のパーキング・メーター又は同条第2項のパーキング・チケット発給設備とみなして、第49条の2の規定を適用する。
 
 3

   時間制限駐車区間に設置されている路上駐車場に係る道路の部分のうち、パーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備が設置されていないものについては、第49条の2の規定は適用しない。
 


(交差点等への進入禁止)
第50条

 交通整理の行なわれている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点(交差点内に道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線をこえた部分。以下この項において同じ。)に入つた場合においては当該交差点内で停止することとなり、よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入つてはならない。
 
 2

   車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によつて区画された部分に入つた場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入つてはならない。
(罰則 第120条第1項第5号、同条第2項)
 


(違法停車に対する措置)
第50条の2

 車両(トロリーバスを除く。以下第51条の2まで及び第51条の4において同じ。)が第44条、第47条第1項若しくは第3項又は第48条の規定に違反して停車していると認められるときは、警察官等は、当該車両の運転者に対し、当該車両の停車の方法を変更し、又は当該車両を当該停車が禁止されている場所から移動すべきことを命ずることができる。
(罰則 第119条第1項第3号)
 


(違法駐車に対する措置)
第51条

 車両が第44条、第45条第1項若しくは第2項、第47条第2項若しくは第3項、第48条若しくは第49条の2第2項、第3項若しくは第5項後段の規定に違反して駐車していると認められるとき又は第49条第2項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず、かつ、第49条の2第4項の規定に違反していると認められるとき(次条第1項において「違法駐車と認められる場合」という。)は、警察官等は、当該車両の運転者その他当該車両の管理について責任がある者(以下この条及び第51条の3において「運転者等」という。)に対し、当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両 を当該駐車が禁止されている場所から移動すべきこと又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両か駐車している場所から移動すべきことを命ずることができる。
 
 2

   車両の故障その他の理由により当該車両の運転者等が直ちに前項の規定による命令に従うことが困難であると認められるときは、警察官等は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法を変更し、又は当該車両を移動することができる。
 
 3

   第1項の場合において、現場に当該車両の運転者等がいないために、当該運転者等に対して同項の規定による命令をすることができないときは、警察官等は、当該車両の所有者又は使用者(以下第51条の3までにおいて「所有者等」という。)に対して、直ちに当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべき旨又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべき旨及びこれらの措置を執つたときは速やかに当該警察官等又は当該車両か駐車している場所を管轄する警察署長にその事実を申告すべき旨を告知する総理府令で定める標章を当該車両の見やすい箇所に取り付けることができる。この場合において、警察官等は、当該警察署長にその採つた措置について報告しなければならない。
 
 4

   次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、前項の規定により車両に取り付けられた標章を取り除かなければならない。

前項の警察官等又は警察署長が当該車両の所有者等から同項の規定による告知に係る措置を執つた旨の申告を受けた場合においてその事実を確認したとき。 当該警察官等又は警察署長

警察官等が当該車両につき第6項の規定による措置を採り、又は同項の規定による移動を行つたとき。 当該警察官等

警察署長が当該車両につき第8項の規定による移動を行つたとき。

当該警察署長

 5

   何人も、第3項の規定により車両に取り付けられた標章を破損し、又は汚損してはならず、また、前項の規定による場合を除き、これを取り除いてはならない。
 
 6

   第3項に規定する場合における当該車両については、警察官等は、道路における交通の危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法の変更その他必要な措置を採り、又は当該車両が駐車している場所からの距離が50メートルを超えない道路上の場所に当該車両を移動することができる。
 
 7

   前項の規定により車両の移動をしようとする場合において、当該車両が駐車している場所からの距離が50メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないときは、警察官等は、当該車両が駐車している場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
 
 8

   前項の報告を受けた警察署長は、駐車場、空地、第6項に規定する場所以外の道路上の場所その他の場所に当該車両を移動することができる。
 
 9

   警察署長は、前項の規定により車両を移動したときは、当該車両を保管しなければならない。この場合において、警察署長は、車両の保管の場所の形状、管理の態様等に応じ、当該車両に係る盗難等の事故の発生を防止するため、警察署長が当該車両を保管している旨の表示、車輪止め装置の取付けその他の必要な措置を講じなければならない。
 
 10

   警察署長は、前項の規定により車両を保管したときは、当該車両の所有者等に対し、保管を始めた日時及び保管の場所並びに当該車両を速やかに引き取るべき旨を告知し、その他当該車両を所有者等に返還するため政令で定める必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両の所有者等の氏名及び住所を知ることができないときは、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。


  《改正》平11法087
 11

   警察署長は、第9項の規定により保管した車両につき、前項後段の規定による公示の日から起算して3月を経過してもなお当該車両を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該車両の価額に比し、その保管に不相当な費用を要するときは、政令で定めるところにより、当該車両を売却し、その売却した代金を保管することができる。
 
 12

   警察署長は、前項の規定による車両の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該車両を廃棄することができる。
 
 13

   第11項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
 
 14

   第2項、第6項又は第8項から第10項までの規定による車両の移動、車両の保管、公示その他の措置に要した費用は、当該車両の運転者等又は所有者等の負担とする。
 
 15

   警察署長は、前項の規定により運転者等又は所有者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限及び場所を定め、これらの者に対し、文書でその納付を命じなければならない。この場合において、納付すべき金額は、同項に規定する費用につき実費を勘案して都道府県規則でその額を定めたときは、その定めた額とする。
 
 16

   警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、警察署長は、負担金につき年14.5パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
 
 17

   前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、警察署長は、地方税の滞納処分の例により負担金等を徴収することができる。この場合における負担金等の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
 
 18

   納付され又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。
 
 19

   第10項後段の規定による公示の日から起算して6月を経過してもなお第9項の規定により保管した車両(第11項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該車両の所有権は、当該警察署の属する都道府県に帰属する。
 
 20

   警察署長は、第11項の規定による車両(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)による登録を受けた自動車に限る。以下この項において同じ。)の売却、第12項の規定による車両の廃棄又は前項の規定による車両の所有権の都道府県への帰属があつたときは、政令で定めるところにより、当該車両について、これらの処分等に係る同法による登録を運輸大臣又は同法第105条第1項若しくは第2項の規定により委任を受けた者に嘱託しなければならない。
 
 21

   第9項から第19項までの規定は、第9項の規定により保管した車両に積載物があつた場合における当該積載物について準用する。この場合において、第10項中「所有者等に対し」とあるのは「所有者、占有者その他当該積載物について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)に対し」と、第11項中「前項後段」とあるのは「腐敗し、若しくは変質するおそれがあるとき、又は前項後段」と、「費用」とあるのは「費用若しくは手数」と、第14項中「第2項、第6項又は第8項から第10項までの規定による車両の移動、」とあるのは「第9項又は第10項の規定による」と、「運転者等又は所有者等」とあるのは「所有者等」と、第15項中「運転者等又は所有者等」とあるのは「所有者等」と読み替えるものとする。
(罰則 第1項については第119条第1項第3号 第5項については第121条第1項第9号)
 


 
第51条の2

 公安委員会は、違法駐車と認められる場合に係る車両の運転者の行為(以下この条において「違法 駐車行為」という。)が常態として行われている道路の区間であつて、次項の規定による車輪止め装置 の取付けの措置によつて違法駐車行為の防止を図ることが適当なものを、車輪止め装置取付け区間として指定することができる。この場合において、公安委員会は、総理府令で定めるところにより、当該指定に係る道路の区間に、当該区間が車輪止め装置取付け区間である旨の表示をしなければならない。
 
 2

   警察署長は、道路又は交通の状況から判断して車輪止め装置取付け区間における違法駐車行為を防止するためやむを得ないと認めるときは、当該区間における違法駐車行為に係る車両に車輪止め装置を取り付けることができる。
 
 3

   次に掲げる車両には、前項の規定にかかわらず、車輪止め装置を取り付けてはならない。

前条第1項の規定による命令をすることができる場合における当該命令に係る車両

第7項の規定により警察署長が車輪止め装置を取り除いた車両であつて、取り除いた時から4時間を経過していないもの(当該取り除いた時から当該車両について同一の違法駐車行為が継続しているものに限る。)

 4

   警察署長は、第2項の規定により車両に車輪止め装置を取り付けるときは、総理府令で定めるところによりあらかじめ、車両に車輪止め装置を取り付ける旨の広報をするように努めるものとする。
 
 5

   警察署長は、第2項の規定により車両に車輪止め装置を取り付けたときは、当該車両の見やすい箇所に、当該車両を移動しようとする者はその旨を当該警察署長に申告して当該車両に取り付けた車輪止め装置を取り除く措置を受けることができることその他の総理府令で定める事項を記載した標章を取り付けなければならない。
 
 6

   警察署長は、第2項の規定により車輪止め装置を取り付けた車両の所有者等その他の関係者であつて当該車両を移動しようとするものからその旨の申告を受けたときは、当該車両に取り付けた車輪止め装置を取り除かなければならない。
 
 7

   前項に定めるもののほか、警察署長は、第2項の規定による車両への車輪止め装置の取付けを開始した時から24時間を経過するまでに、当該車両に取り付けた車輪止め装置を取り除かなければならない。
 
 8

   第6項に定めるもののほか、警察署長は、第2項のやむを得ないと認める事情がなくなつたと認めるとき又は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要が生じたときは、同項の規定により車両に取り付けた車輪止め装置を取り除くものとする。
 
 9

   警察署長は、第2項の規定により取り付けた車輪止め装置を取り除くときは、第5項の規定により当該車両に取り付けた標章を取り除かなければならない。
 
 10

   何人も、第2項の規定により車両に取り付けられた車輪止め装置を破損し、第5項の規定により車両に取り付けられた標章を破損し、若しくは汚損し、又は警察署長が取り除く場合を除き、これらを取り除いてはならない。
 
 11

   第5項の標章の様式その他同項の標章に関し必要な事項は、総理府令で定める。
(罰則 第10項については第117条の3第2号の2、第121条第1項第9号)
 


(指定車両移動保管機関)
第51条の3

 警察署長は、第51条第8項及び第9項(同条第21項において準用する場合を含む。)の規定による車両(積載物を含む。以下この条において同じ。)の移動及び保管に係る事務(警察署長が同条第8項の規定により移動すべきものとして指示した車両の移動及び保管に係るものに限る。以下「車両移動保管事務」という。)の全部又は一部を、民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人であつて、当該事務を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして公安委員会があらかじめ指定する者(以下「指定車両移動保管機関」という。)に行わせることができる。
 
 2

   公安委員会は、指定車両移動保管機関の財産の状況又はその事務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、指定車両移動保管機関に対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
 
 3

   公安委員会は、指定車両移動保管機関が前項の規定による命令に違反したときは、第1項の指定を取り消すことができる。
 
 4

   指定車両移動保管機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、車両移動保管事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
 
 5

   車両移動保管事務に従事する指定車両移動保管機関の役員又は職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。
 
 6

   指定車両移動保管機関が車両移動保管事務を行つたときは、当該車両の運転者等又は所有者等は、実費を勘案して都道府県公安委員会規則で定める額の負担金を当該指定車両移動保管機関に、その定める期限までにその定める場所において納付しなければならない。
 
 7

   指定車両移動保管機関は、前項の車両の運転者等又は所有者等が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、指定車両移動保管機関は、負担金につき年14.5パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料の納付を求めることができる。
 
 8

   前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、指定車両移動保管機関は、警察署長に対し、その徴収を申請することができる。
 
 9

   警察署長は、前項の規定による負担金等の徴収の申請があつたときは、地方税の滞納処分の例により負担金等を徴収するものとする。この場合においては、指定車両移動保管機関は、警察署長の徴収した金額の100分の4に相当する金額を当該警察署の属する都道府県に納付しなければならない。
 
 10

   第51条第10項から第14項まで、第17項後段、第18項及び第19項(これらの規定を同条第21項において準用する場合を含む。)並びに第20項の規定は、指定車両移動保管機関が行う車両移動保管事務に関して準用する。この場合において、同条第14項中「第2項、第6項又は第8項」とあるのは「第8項」と、同条第17項後段中「負担金等」とあるのは「第51条の3第8項の負担金等」と、同条第18項中「負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする」とあるのは「第51条の3第8項の負担金等は、当該指定車両移動保管機関の収入とする」と、同条第20項中「政令で定めるところにより」とあるのは「当該警察署長に対し」と、「嘱託しなければならない」とあるのは「嘱託するよう申請しなければならない。この場合において、警察署長は、政令で定めるところにより、当該申請に係る登録をこれらの者に嘱託しなければならない」と読み替えるものとする。
 
 11

   指定車両移動保管機関は、前項において準用する第51条第11項及び第12項(同条第21項において準用する場合を含む。)の規定により車両を売却し、又は廃棄しようとするときは、政令で定めるところにより、警察署長の承認を受けなければならない。
 
 12

   負担金等の請求権は、5年間行わない場合においては、時効により消滅する。
 
 13

   第7項の規定による督促は、民法第153条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
 
 14

   指定車両移動保管機関が行う車両移動保管事務に係る処分については、公安委員会に対し、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)による審査請求をすることができる。
 
 15

   前各項に定めるもののほか、指定車両移動保管機関及びその行う車両移動保管事務に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
(罰則 第4項については第117条の3第3号)
 


(放置車両に係る指示)
第51条の4

 車両の運転者が車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(当該行為により車両が第44条、第45条第1項若しくは第2項、第47条第2項若しくは第3項、第48条若しくは第49条の2第3項の規定に違反して駐車することとなる場合のもの又は車両がこれらの規定に違反して駐車している場合におけるものに限る。以下「放置行為」という。)をし、当該車両につき、第51条第3項、第6項若しくは第8項又は第51条の2第2項の規定による措置(前条第1項の規定による移動を含む。)か採られた場合において、当該放置行為に係る車両(以下「放置車両」という。)の使用者(当該放置車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)か当該放置車両につき放置行為を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該放置車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該使用者に対し、車両を運転者に運転させる場合にあらかじめ目的地において駐車する場所について運転者に指導又は助言を行うことその他車両の使用の態様に応じ放置行為を防止するために必要な措置を採ることを指示することができる。
  《改正》平9法41
 

第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第10節 灯火及び合図


(車両等の灯火)
第52条

 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第63条の9第2項において同じ。)道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
 
 2

   車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。
(罰則 第1項については第120条第1項第5号、同条第2項第2項については第120条第1項第8号、同条第2項)
 


(合図)
第53条

 車両(自転車以外の軽車両を除く。第3項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
 
 2

   前項の合図を行なう時期及び合図の方法について必要な事項は、政令で定める。
 
 3

   車両の運転者は、第1項に規定する行為を終わつたときは、当該合図をやめなければならないものとし、また、同項に規定する合図に係る行為をしないのにかかわらず、当該合図をしてはならない。
(罰則 第1項及び第3項については第120条第1項第8号、同条第2項)
 


(警音器の使用等)
第54条

  車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。

左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。

山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。

 2

   車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
(罰則 第1項については第120条第1項第8号、同条第2項 第2項については第121条第1項第6号)
 
 


第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第11節 乗車、積載及び牽引



(乗車又は積載の方法)
第55条

 車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない。ただし、もつぱら貨物を運搬する構造の自動車(以下次条及び第57条において「貨物自動車」という。)で貨物を積載しているものにあつては、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。
 
 2

   車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
 
 3

   車両に乗車する者は、当該車両の運転者が前2項の規定に違反することとなるような方法で乗車をしてはならない。
  (罰則 第1項及び第2項については第120条第1項第10号、第123条第3項については第121条第1項第6号)

 
(乗車又は積載の方法の特例)
第56条

 車両の運転者は、当該車両の出発地を管轄する警察署長(以下第58条までにおいて「出発地警察署長」という。)か当該車両の構造又は道路若しくは交通の状況により支障がないと認めて積載の場所を指定して許可をしたときは、前条第1項の規定にかかわらず、当該車両の乗車又は積載のために設備された場所以外の場所で指定された場所に積載して車両を運転することができる。
 
 2

   貨物自動車の運転者は、出発地警察署長か道路又は交通の状況により支障がないと認めて人員を限つて許可をしたときは、前条第1項の規定にかかわらず、当該許可に係る人員の範囲内で当該貨物自動車の荷台に乗車させて貨物自動車を運転することができる。
 


(乗車又は積載の制限等)
第57条

 車両(軽車両を除く。以下この項及び第58条の2から第58条の5までにおいて同じ。)の運転者は、当該車両について政令で定める乗車人員又は積載物の重量、大きさ若しくは積載の方法(以下この条において「積載重量等」という。)の制限を超えて乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。ただし、第55条第1項ただし書の規定により、又は前条第2項の規定による許可を受けて貨物自動車の荷台に乗車させる場合にあつては、当該制限を超える乗車をさせて運転することができる。
 
 2

   公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、軽車両の乗車人員又は積載重量等の制限について定めることができる。
 
 3

   貨物が分割できないものであるため第1項の政令で定める積載重量等の制限又は前項の規定に基づき公安委員会が定める積載重量等を超えることとなる場合において、出発地警察署長が当該車両の構造又は道路若しくは交通の状況により支障がないと認めて積載量等を限つて許可をしたときは、車両の運転者は、第1項又は前項の規定にかかわらず、当該許可に係る積載重量等の範囲内で当該制限を超える積載をして車両を運転することができる。
(罰則 第1項については第118条第1項第2号の2、第119条第1項第3号の2、第120条第1項第10号の2、第123条第2項については第121条第1項第7号、第123条)
 


(制限外許可証の交付等)
第58条

 出発地警察署長は、第56条又は前条第3項の規定による許可(以下この条において「制限外許可」という)をしたときは、許可証を交付しなければならない。
 
 2

   前項の規定により許可証の交付を受けた車両の運転者は、当該許可に係る車両の運転中、当該許可証を携帯していなければならない。
 
 3

   制限外許可を与える場合において、必要があると認めるときは、出発地警察署長は、政令で定めるところにより、当該許可に危険を防止するため必要な条件を付することができる。
 
 4

   第1項の許可証の様式その他制限外許可の手続について必要な事項は、総理府令で定める。
(罰則 第3項については第121条第1項第8号、第123条)
 


(積載物の重量の測定等)
第58条の2

 警察官は、第57条第1項の積載物の重量の制限を超える積載をしていると認められる車両が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証(道路運送車両 法第60条の自動車検査証をいう。第63条第1項において同じ。)その他政令で定める書類の提示を求め、及び当該車両の積載物の重量を測定することができる。
(罰則 第119条第1項第3号の3)
 


(過積載車両に係る措置命令)
第58条の3

 警察官は、過積載(車両に積載をする積載物の重量が第57条第1項の制限に係る重量(同条第3項の規定による許可に係る積載物については、当該許可に係る重量)を超える場合における当該積載をいう。以下同じ。)をしている車両の運転者に対し、当該車両に係る積載が過積載とならないようにするため必要な応急の措置をとることを命ずることができる。
 
 2

   警察官は、前項の規定による命令によつては車両に係る積載が過積載とならないようにすることができないと認められる場合において、当該車両に係る過積載の程度及び道路又は交通の状況を勘案して当該車両を警察官が指示した事項を遵守して運転させることに支障がないと認めるときは、当該車両の運転者に対し、第57条第1項の規定にかかわらず、車両の通行の区間及び経路、道路における危険を防止するためにとるべき必要な措置その他の事項であつて警察官が指示したものを遵守して当該車両を運転し、及び当該車両に係る積載が過積載とならないようにするため必要な措置をとることを命ずることができる。この場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、通行指示書を交付しなければならない。
 
 3

   前項の規定により通行指示書の交付を受けた車両の運転者は、同項の規定による命令に係る運転に当たつては、当該通行指示書を携帯していなければならない。
 
 4

   第2項の通行指示書の様式その他同項の通行指示書に関し必要な事項は、総理府令で定める。
(罰則 第1項及び第2項については第119条第1項第3号の4)
 


(過積載車両に係る指示)
第58条の4

 前条第1項又は第2項の規定による命令がされた場合において、当該命令に係る車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)が当該車両に係る過積載を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、車両を運転者に運転させる場合にあらかじめ車両の積載物の重量を確認することを運転者に指導し又は助言することその他事両に係る過積載を防止するため必要な措置をとることを指示することができる。
 


(過積載車両の運転の要求等の禁止)
第58条の5

 第75条第1項に規定する使用者等以外の者は、次に掲げる行為をしてはならない。

車両の運転者に対し、過積載をして車両を運転することを要求すること。

車両の運転者に対し、当該車両への積載が過積載となるとの情を知りながら、第57条第1項の制限に係る重量を超える積載物を当該車両に積載をさせるため売り渡し、又は当該積載物を引き渡すこと。

 2

   警察署長は、前項の規定に違反する行為が行われた場合において、当該行為をした者が反復して同項の規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは、総理府令で定めるところにより、当該行為をした者に対し、同項の規定に違反する行為をしてはならない旨を命ずることができる。
(罰則 第2項については第118条第1項第2号の3、第123条)
 


(自動車の牽引制限)
第59条

 自動車の運転者は、牽引するための構造及び装置を有する自動車によつて牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引する場合を除き、他の車両を牽引してはならない。 ただし、故障その他の理由により自動車を牽引することがやむを得ない場合において、政令で定めるところにより当該自動車を牽引するときは、この限りでない。
 
 2

   自動車の運転者は、他の車両を牽引する場合においては、大型自動車、普通自動二輪車又は小型特殊自動車によつて牽引するときは1台を超える車両を、その他の自動車によつて牽引するときは2台を超える車両を牽引してはならず、また、牽引する自動車の前端から牽引される車両の後端(牽引される車両が2台のときは2台目の車両の後端)までの長さが25メートルを超えることとなるときは、牽引をしてはならない。ただし、公安委員会が当該自動車について、道路を指定し、又は時間を限つて牽引の許可をしたときは、この限りでない。
 
 3

   前項ただし書の規定による許可をしたときは、公安委員会は、許可証を交付しなければならない。
 
 4

   前項の規定により許可証の交付を受けた自動車の運転者は、当該許可に係る牽引中、当該許可証を携帯していなければならない。
 
 5

   第3項の許可証の様式その他第2項ただし書の許可の手続について必要な事項は、総理府令で定める。
(罰則 第1項及び第2項については第120条第1項第10号、第123条)
 


(自動車以外の車両の牽引制限)
第60条

 公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、自動車以外の車両によつてする牽引の制限について定めることができる。
(罰則 第121条第1項第7号、第123条)
 


(危険防止の措置)
第61条

 警察官は、第58条の3第1項及び第2項の規定による場合のほか、車両等の乗車、積載又は牽引について危険を防止するため特に必要があると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、危険を防止するため必要な応急の措置をとることを命ずることができる。
(罰則 第119条第1項第4号)
 
 

第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第12節 整備不良車両の運転の禁止等



(整備不良車両の運転の禁止)
第62条

 車両等の使用者その他車両等の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、その装置が道路運送車両法第3章若しくはこれに基づく命令の規定(道路運送車両法の規定が適用されない自衛隊の使用する自動車については、自衛隊法(昭和29年法律第165号)第114条第2項の規定による防衛庁長官 の定め。以下同じ。)又は軌道法第14条若しくはこれに基づく命令の規定に定めるところに適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両等(次条第1項において「整備不良車両」という。)を運転させ、又は運転してはならない。
(罰則 第119条第1項第5号、同条第2項、第120条第1項第8号の2、同条第2項、第123条)
 


(車両の検査等)
第63条

 警察官は、整備不良車両に該当すると認められる車両(軽車両を除く。以下この条において同じ。)が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証その他政令で定める書類の提示を求め、及び当該車両の装置について検査をすることができる。
 
 2

   前項の場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図り、又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な応急の措置をとることを命じ、また、応急の措置によつては必要な整備をすることができないと認められる車両(以下この条において「故障車両」という。)については、当該故障車両の運転を継続してはならない旨を命ずることができる。
 
 3

   前項の場合において、当該故障車両の整備不良の程度及び道路又は交通の状況により支障がないと認めるときは、警察官は、前条の規定にかかわらず、当該故障車両を整備するため必要な限度において、区間及び通行の経路を指定し、その他道路における危険又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な条件を付して当該故障車両を運転することを許可することができる。この場合において、警察官は、許可証を交付しなければならない。
 
 4

   警察官は、第2項の規定による措置をとつたときは、当該故障車両の運転者に対し、当該故障車両について整備を要する事項を記載した文書を交付し、かつ、当該故障車両の前面の見やすい箇所に標章をはりつけなければならない。
 
 5

   警察官は、前項の措置をとつたときは、その旨を当該措置をとつた場所を管轄する警察署長に報告しなければならない。
 
 6

   警察署長は、前項の報告を受けたときは、当該故障車両の使用の本拠の位置を管轄する地方運輸局長に対し、総理府令・運輸省令で定める事項を通知しなければならない。
 
 7

   第4項の規定によりはりつけられた標章は、何人も、これを破損し、又は汚損してはならず、また、当該故障車両の必要な整備がされたことについて、総理府令・運輸省令で定める手続により、もよりの警察署の警察署長又は車両の整備に係る事項について権限を有する行政庁の確認を受けた後でなければ、これを取り除いてはならない。
 
 8

   第3項の許可証の様式、第4項の規定により故障車両の運転者に対し交付する文書の様式及び同項の標章の様式は、総理府令・運輸省令で定める。
(罰則 第1項については第119条第1項第6号 第2項については第119条第1項第7号 第7項については第121条第1項第9号)
 


(運行記録計による記録等)
第63条の2

 自動車の使用者その他自動車の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、道路運送車両法第3章又はこれに基づく命令の規定により運行記録計を備えなければならないこととされている自動車で、これらの規定により定められた運行記録計を備えていないか、又は当該運行記録計についての調整がされていないためこれらの規定により定められた事項を記録することかできないものを運転させ、又は運転してはならない。
 
 2

   前項の運行記録計を備えなければならないこととされている自動車の使用者は、運行記録計により記録された当該自動車に係る記録を、総理府令で定めるところにより1年間保存しなければならない。
(罰則 第121条第1項第9号の2、第123条)
 
 

第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第13節 自転車の交通方法の特例



(自転車道の通行区分)
第63条の3

 車体の大きさ及び構造が総理府令で定める基準に適合する二輪又は三輪の自転車で、他の車両を牽引していないもの(以下この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。
(罰則 第121条第1項第5号)
 


(普通自転車の歩道通行)
第63条の4

 普通自転車は、第17条第1項の規定にかかわらず、道路標識等により通行することができることとされている歩道を通行することができる。
 
 2

   前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。
(罰則 第2項については第121条第1項第5号)
 


(普通自転車の並進)
第63条の5

 普通自転車は、道路標識等により並進することができることとされている道路においては、第19条の規定にかかわらず、他の普通自転車と並進することができる。ただし、普通自転車が3台以上並進する こととなる場合においては、この限りでない。
 


(自転車の横断の方法)
第63条の6

 自転車は、道路を横断しようとするときは、自転車横断帯がある場所の付近においては、その自転車断帯によつて道路を横断しなければならない。
 


(交差点における自転車の通行方法)
第63条の7

 自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、第17条第4項並びに第34条第1項及び第3項の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。
 
 2

   普通自転車は、交差点又はその手前の直近において、当該交差点への進入の禁止を表示する道路標示があるときは、当該道路標示を越えて当該交差点に入つてはならない。
 


(自転車の通行方法の指示)
第63条の8

 警察官等は、第63条の6若しくは前条第1項の規定に違反して通行している自転車の運転者に対し、これらの規定に定める通行方法により当該自転車を通行させ、又は同条第2項の規定に違反して通行している普通自転車の運転者に対し、当該普通自転車を歩道により通行させるべきことを指示することができる。
(罰則 第121条第1項第4号)
 


(自転車の制動装置等)
第63条の9

 自転車の運転者は、総理府令で定める基準に適合する制動装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない。
 
 2

   自転車の運転者は、夜間(第52条第1項後段の場合を含む。)、総理府令で定める基準に適合する反射器材を備えていない自転車を運転してはならない。ただし、第52条第1項前段の規定により尾灯をつけている場合は、この限りでない。
(罰則 第1項については第120条第1項第8号の2、同条第2項)


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