遺言の方式の準拠法に関する法律






(趣旨)
第一条
 この法律は、遺言の方式の準拠法に関し必要な事項を定めるものとする。



(準拠法)
第二条
 遺言は、その方式が次に掲げる法律の一に適合するときは、方式に関し有効とする。
 一  行為地法
 二  遺言者が遺言の成立又は死亡の当時国籍を有した国の法律
 三  遺言者が遺言の成立又は死亡の当時住所を有した地の法律
 四  遺言者が遺言の成立又は死亡の当時常居所を有した地の法律
 五  不動産に関する遺言について、その不動産の所在地法



第三条
 遺言を取り消す遺言については、前条の規定によるほか、その方式が、従前の遺言を同条の規定により有効とする法律の一に適合するときも、方式に関し有効とする。



(共同遺言)
第四条
 前二条の規定は、二人以上の者が同一の証書でした遺言の方式についても、適用する。



(方式の範囲)
第五条
 遺言者の年齢、国籍その他の人的資格による遺言の方式の制限は、方式の範囲に属するものとする。遺言が有効であるために必要とされる証人が有すべき資格についても、同様とする。



(本国法)
第六条
 遺言者が地方により法律を異にする国の国籍を有した場合には、第二条第二号の規定の適用については、その国の規則に従い遺言者が属した地方の法律を、そのような規則がないときは遺言者が最も密接な関係を有した地方の法律を、遺言者が国籍を有した国の法律とする。



(住所地法)
第七条
 第二条第三号の規定の適用については、遺言者が特定の地に住所を有したかどうかは、その地の法律によつて定める。



(公序)
第八条
 外国法によるべき場合において、その規定の適用が明らかに公の秩序に反するときは、これを適用しない。



附則 抄



(施行期日)

 この法律は、遺言の方式に関する法律の抵触に関する条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。

(経過規定)

 この法律は、この法律の施行前に成立した遺言についても、適用する。ただし、遺言者がこの法律の施行前に死亡した場合には、その遺言については、なお従前の例による。


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