【刑】 31 いたずら電話をかけ続けたら… 【労】 36 今日も残業…
【刑】 32 自分の物置小屋を燃やしたら… 【刑】 37 罪の意識がなくても…
【民】 33 人に対する権利とは… 【 】 38 
【消】 34 総額表示方式って?… 【 】 39 
【民】 35 債権を持っていると… 【 】 40 

 





















参拾壱回 いたずら電話をかけ続けたら…『傷害罪』

 いたずら電話をかけ続けたら何罪になるでしょうか?他人の身体には触れてません

 物理的な暴行を加えているわけではないので暴行罪にはなりません。しかし、相手が精神的苦痛やノイローゼになった場合など他人の心の健康を害しています。
 このように他人を傷つけることを処罰するのが『傷害罪』です。傷害罪が守ろうとしているのは身体の安全です。ここで言う傷害は人の健康を害したり、身体の動きを害したりすることをさします。
文字通り傷をつけること以外にも、ノイローゼにしたり病気にさせたり、骨折、失神、嘔吐…なども含みます。また、傷害を与えようとしたしたけど、傷害するまでには至らなかった場合は『暴行罪』になります。

 ※参考条文---刑法204条 205条








































第参拾弐回 自分の物置小屋を燃やしたら…『放火罪』

 家などに火をつけて不特定または多数の人の命・身体・財産に対し危険を生じさせると放火罪になります。放火罪には人が食事をしたり寝起きする場所として建物や、人が現にいる建物などに放火する現住建造物放火罪、人の生活していない建物で現に人がいない建物に放火する非現住建造物放火罪それ以外建造物等以外放火罪などがあります。※『人』とは犯人以外の者をいいます
 では、住宅地にある自分の物置小屋を燃やしたら何罪になるでしょう。自分の物を燃やす訳ですから普通なら何の問題もありません。しかし、それによって不特定または多数の人の命・身体・財産に対し危険を生じさせる(=公共の危険)と有罪になってしまいます。今回の場合、住宅地にあるわけですから―非現住建造物放火罪になります。現住建造物放火罪と他人所の有非現住建造物放火罪の場合は、火をつけるとそれだけで犯罪ですが、自己所有の非現住建造物放火罪と建造物等以外放火罪では具体的な危険が生ずることが必要です。

※参考条文---刑法108条 109条 110条 111条

















































第参拾参回 人に対する権利…『債権 1 』

  基本に戻って『債権とは何ぞや』という話を、今回したいと思います。今までも債権についてふれてきましたが(契約など)、債権とは、特定の『人』に対して特定の行為を要求できる権利をいいます。この場合の特定の行為をしなければいけない義務のことを『債務』といいます。
 この『債権』は、物権のように直接支配性や排他性がありません。例えば…Aさんが【あなたの会社に行って○○をする】という契約を結んだとします。このとき、あなたはAさんに対して【○○をしろ】と言える『債権』をもっています。しかし、この債権を実現するには○○をするという行為が必要です。そのため、Aさんに【○○をしろ】と請求してもそれだけでは実現しないので直接支配しているとはいえません
 また、このときAさんは、他の人とも同日・同時刻に○○をするという同内容の契約を結ぶこと自体は出来ます。もちろんAさんは一人ですから、全ての場所で同時に○○をすることは出来ません…(実現されなかった債権については損害賠償請求ができます)。このように、債権には排他性もありません










































          
第参拾四回  …総額表示方式って?…『消費税 』

  平成16年4月から、『値札』や『広告』などに価格を表示する場合には、消費税相当額の表示を義務付ける総額表示方式」が始まります。
 では、「総額表示」とは何でしょうか。例えば…スーパーやホームセンターで買い物をしている時、カゴに入れたものの全部でいくらなんだ?っていう事がありました。また
『税抜価格表示』だとか『税込価格表示』が混じっているため価格の比較がしづらいといった状況も生じていました。
 そこで、総額表示を義務付けて、私たちが値札等を見れば「消費税相当額を含む支払総額」が
一目で分かるようにしたのです。これにより、値札や広告を見ただけで簡単に分かるようになり、価格の比較も容易になります。
 更に…
消費税に対する国民の理解を深めてもらおうと考えているようです。
 ここで注意をしなくてはいけないのは、「総額表示」の義務付けは、価格表示を行っていない場合について表示を強制するものではないということです。

 










































          
第参拾五回  …債権を持っていると…『債権 2 』

 第壱拾参回に続き、債権の効力として何が出来るかをお話します。
 まず、債権とは債務者に特定の行為を要求できる権利ですから、債権者は『…しろ』と請求することが出来ます。請求に対して債務者が特定の行為をすることを【債務の履行】と言いますが、債務の履行によって得たものを自分の手元においておくことが出来ます。例えば…借金をした債務者が債務を履行して返済した場合、その返済してもらったお金は返す必要が無い、といった当たり前のものです。しかし、債務者が任意にした履行する場合、トラブルはないと思いますが、債権の効果が問題となるのは債務者が履行しない場合です。
 では、債務者が履行しない場合、債権者は何が出来るでしょうか。まず、債務者に履行するよう裁判を起こすことが出来ます。そして、裁判で債権は確かに存在すると認められると、強制執行、つまり、国家機関によって強制的に履行させることが出来ます。また、履行しなかったことによって損害を受けた時は、その損害を賠償するように請求することが出来ます。
































 

 

 





          第参拾六回今日も残業…?『労務指揮権』

 今夜は友達と呑む約束…そんな時に上司から残業を命じられた…。そんな経験はありませんか?
この時、残業命令を拒否したらどうなるか…。結論からすれば1991年11月の日立製作所残業拒否事件で判例が出たように、《業務上必要な残業であれば、従業員は拒否できない》というのが通説です。逆に拒否することによって命令違反で懲戒免職になる危険もあります。
 業務命令とは、《社員を効率良く動かし、日々の業務を円滑/合理的に運営していくための権限を会社が持っており、原則として従業員は業務上必要な命令や指示に従う》ことになっています。正当な理由があれば拒否できる場合がありますが、あまり権利を主張しすぎることは…マイナス効果かと…。感情的になるより十分な話し合いをお勧めします。 (^^;

































 

 

 




          第参拾七回…罪の意識がなくても…『構成要件』

 会社の帰りに一杯…朝起きたら枕元に某ファーストフードのマスコットおじさんが…
法律ではこの行為は『窃盗罪(刑法235条)』の構成要件に該当してしまいます。酔っ払った勢いで――では済まされません。飲酒によるトラブル以外にも、知らず知らずに犯している犯罪は少なくありません。財布を道で拾っても警察に届けなければ『遺失物等横領罪(刑254条)』に、会社の備品を持ち帰っても『横領罪(刑252条)』が成立します。おつりを多いことを気付いていたけど黙ってた場合は詐欺罪(刑246条)』になり、それを使うと『遺失物等横領罪』になります。最近は自動改札が精巧になったため少なくなってきていますが、キセルは『詐欺罪』が成立するという意見で、大方の意見が一致するようになりました。
  軽い気持ちのいたずらも度を過ぎると犯罪になってしまいます。くれぐれも気をつけましょう (^^)



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