金融先物取引法

最終改正:平成一四年六月一二日法律第六五号




   第一章   総則 
   第二章   金融先物取引所
     第一節   総則 
     第二節   金融先物会員制法人及び金融先物市場を開設する株式会社
       第一款   金融先物会員制法人
         第一目   設立 
         第二目   登記
         第三目   会員
         第四目   管理
         第五目   解散
         第六目   組織変更
       第二款   金融先物市場を開設する株式会社の特例
     第三節   取引所金融先物取引等
     第四節   取引所金融先物取引の受託
     第五節   金融先物取引所の解散等
     第六節   監督
   第三章 金融先物取引業
     第一節 許可等
     第二節 業務
     第三節 監督
     第四節 金融先物取引業協会
   第四章 金融先物清算機関
   第五章 雑則
   第六章 罰則
   第七章 犯則事件の調査等
   附  則












   第一章 総則






(目的)
第一条
 この法律は、国民経済の適切な運営及び金融先物取引等の委託者の保護に資するため、金融先物取引所の制度を整備するとともに、金融先物取引業を営む者の業務の適正な運営を確保することにより、金融先物取引及び金融先物取引等の受託等を公正かつ円滑にすることを目的とする。



(定義)
第二条
 この法律において「通貨等」とは、次に掲げるものをいう。
一  通貨
二  有価証券、預金契約に基づく債権その他の政令で定めるもの(証券取引法 (昭和二十三年法律第二十五号)第二条第十七項 に規定する有価証券を除く。)

2  この法律において「通貨等」には、金融先物取引所が、前項第二号に掲げるものについて、金融先物取引を円滑化するため設定した利率、償還期限その他の条件を標準化した標準物を含むものとする。

3  この法律において「金融指標」とは、通貨の価格若しくは第一項第二号に掲げるものの価格若しくは利率又はこれらに基づいて算出した数値をいう。

4  この法律において「金融先物取引」とは、一定の基準及び方法により行われる次に掲げる取引をいう。
一  当事者が将来の一定の時期において通貨等及びその対価の授受を約する売買取引であつて、当該売買の目的となつている通貨等の転売又は買戻しをしたときは差金の授受によつて決済することができる取引
二  当事者があらかじめ金融指標の数値として約定する数値(以下「約定数値」という。)と将来の一定の時期における現実の当該金融指標の数値の差に基づいて算出される金銭の授受を約する取引
三  当事者の一方の意思表示により当事者間において次に掲げる取引を成立させることができる権利(以下「金融オプション」という。)を相手方が当事者の一方に付与し、当事者の一方がこれに対して対価を支払うことを約する取引
イ 第一号に掲げる取引
ロ 前号に掲げる取引(これに準ずる取引で金融先物取引所の定めるものを含む。)
ハ 通貨等の売買取引(イに掲げる取引に該当するものを除く。)

5  この法律において「店頭金融先物取引」とは、金融先物取引所の開設する金融先物市場によらないで、金融先物取引所の開設する金融先物市場の相場により、差金の授受を目的とする行為及び次に掲げる取引と類似の取引をいう。
一  前項第二号に掲げる取引
二  前項第三号ロに掲げる取引に係る同号に掲げる取引

6  この法律において「金融先物会員制法人」とは、金融先物市場の開設を目的として第二章第二節第一款の規定に基づいて設立された会員組織の社団をいう。

7  この法律において「金融先物取引所」とは、次条の規定により内閣総理大臣の免許を受けて金融先物市場を開設する金融先物会員制法人又は株式会社をいう。

8  この法律において「金融先物市場」とは、金融先物取引を行う市場をいう。

9  この法律において「金融先物取引等」とは、金融先物取引所の開設する金融先物市場における金融先物取引(以下「取引所金融先物取引」という。)又は金融先物取引所の開設する金融先物市場に類似する外国に所在する市場(以下「海外金融先物市場」という。)において行われる金融先物取引と類似の取引をいう。

10  この法律において「金融先物取引業」とは、業として金融先物取引等の委託を受け、又はその委託の媒介、取次ぎ若しくは代理を引き受けること(以下「金融先物取引等の受託等」という。)をいう。

11  この法律において「金融先物取引業者」とは、第五十六条の許可を受けて金融先物取引業を営む法人をいう。

12  この法律において「金融先物債務引受業」とは、金融先物取引業者を相手方として、金融先物取引業者が行う金融先物取引等、店頭金融先物取引その他政令で定める取引に基づく債務の引受けを行う営業をいう。

13  この法律において「金融先物清算機関」とは、第九十条の二又は第九十条の二十一第一項の規定により内閣総理大臣の免許又は承認を受けた者をいう。





   第二章 金融先物取引所

    第一節 総則





(免許)
第三条
 金融先物市場は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、開設してはならない。



(免許の申請)
第四条
 前条の免許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した免許申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  商号又は名称
二  事務所又は本店、支店その他の営業所の所在の場所
三  役員の氏名及び住所
四  会員及び取引資格を与える者(以下「取引参加者」という。)の商号又は名称

2  前項の免許申請書には、定款、業務規程、受託契約準則その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

3  前項の場合において、定款が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)で作成されているときは、書面に代えて電磁的記録(内閣府令で定めるものに限る。)を添付することができる。



(免許審査基準)
第五条
 内閣総理大臣は、前条第一項の規定による免許の申請があつた場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  定款、業務規程及び受託契約準則の規定が法令に適合し、かつ、取引所金融先物取引を公正かつ円滑ならしめ、並びに委託者を保護するために十分であること。
二  免許申請者がその開設する金融先物市場を適切に運営するに足りる人的構成を有するものであること。
三  免許申請者が金融先物取引所としてこの法律の規定に適合するように組織されるものであること。
四  取引所金融先物取引を公正かつ円滑にするために十分な取引量及び会員又は取引参加者(以下「会員等」という。)の数が見込まれることその他経済金融の状況に照らして当該金融先物市場を開設することが公益又は委託者の保護のため必要かつ適当であること。

2  内閣総理大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除いて、その免許を与えなければならない。
一  免許申請者が第十九条第二号から第四号までのいずれかに該当するとき。
二  役員のうちに第十九条第五号イからリまでのいずれかに該当する者があるとき。
三  免許申請書又はこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに重要な事項について虚偽の記載又は記録があるとき。



(金融先物取引所となる法人)
第六条
 金融先物取引所は、金融先物会員制法人又は資本の額が政令で定める金額以上の株式会社でなければならない。



(商号又は名称)
第七条
 金融先物取引所は、その商号又は名称のうちに金融先物取引所という文字を用いなければならない。

2  金融先物取引所でない者は、その商号又は名称のうちに金融先物取引所であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。



(会員等に対する制裁)
第八条
 金融先物取引所は、その定款において、会員等がこの法律及びこの法律に基づく命令並びにこれらに基づく処分、当該金融先物取引所の定款、業務規程、受託契約準則その他の規則(以下この条において単に「規則」という。)並びに取引の信義則を遵守しなければならない旨並びにこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分若しくは規則に違反し、又は取引の信義則に背反する行為をした会員等に対し、過怠金を課し、その者の取引所金融先物取引を停止若しくは制限し、又はその者の除名(取引参加者にあつては、取引資格の取消し)を行う旨を定めなければならない。



(業務の範囲)
第九条
 金融先物取引所は、金融先物市場の開設及びこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。



(仮理事、仮取締役等)
第九条の二
 内閣総理大臣は、金融先物市場を開設する金融先物会員制法人(以下「会員金融先物取引所」という。)の理事又は監事の職務を行う者のない場合において、必要があると認めるときは、仮理事又は仮監事を選任することができる。

2  内閣総理大臣は、金融先物市場を開設する株式会社(以下「株式会社金融先物取引所」という。)の取締役、代表取締役、執行役、代表執行役又は監査役の職務を行う者のない場合において、必要があると認めるときは、仮取締役、仮代表取締役、仮執行役、仮代表執行役又は仮監査役を選任することができる。

3  商法 (明治三十二年法律第四十八号)第二百五十八条第二項 (同法第二百六十一条第三項 及び第二百八十条第一項 並びに株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律 (昭和四十九年法律第二十二号。以下「商法特例法」という。)第二十一条の九第六項 、第二十一条の十四第七項第五号及び第二十一条の十五第三項において準用する場合を含む。)の規定は、株式会社金融先物取引所には、適用しない。



(内閣総理大臣の嘱託登記)
第九条の三
 内閣総理大臣は、前条第二項の規定により、仮取締役、仮代表取締役、仮執行役、仮代表執行役又は仮監査役を選任したときは、当該株式会社金融先物取引所の本店及び支店の所在地の登記所にその旨の登記を嘱託しなければならない。

2  前項の規定により内閣総理大臣が登記を嘱託するときは、嘱託書に、当該登記の原因となる事由に係る処分を行つたことを証する書面を添付しなければならない。



(秘密保持義務)
第九条の四
 金融先物取引所の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。





    第二節 金融先物会員制法人及び金融先物市場を開設する株式会社

     第一款 金融先物会員制法人

      第一目 設立





(法人格)
第九条の五
 金融先物会員制法人は、法人とする。

2  金融先物会員制法人は、その名称のうちに金融先物会員制法人という文字を用いなければならない。

3  金融先物会員制法人でない者は、その名称のうちに金融先物会員制法人と誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。



(発起人)
第十条
 金融先物会員制法人を設立するには、その会員になろうとする者十人以上が発起人とならなければならない。



(定款)
第十一条
 発起人は、金融先物会員制法人の定款を作成し、これに次に掲げる事項を記載して署名しなければならない。
一  目的
二  名称
三  事務所の所在地
四  基本金及び出資に関する事項
五  会員の資格、加入及び脱退に関する事項
六  会員のこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分若しくは定款その他の規則又は取引の信義則の遵守の状況の調査に関する事項
七  信認金に関する事項
八  経費及び損失の負担に関する事項
九  役員に関する事項
十  会議に関する事項
十一  規則の作成に関する事項
十二  業務の執行に関する事項
十三  取引所金融先物取引の種類に関する事項
十四  取引所金融先物取引の清算に関する事項
十五  会計に関する事項
十六  公告の方法

2  商法第百六十七条 の規定は、前項の定款について準用する。



(創立総会)
第十二条
 発起人は、定款を作成した後、会員になろうとする者を募り、会議開催日の二週間前までにこれを会議の日時及び場所とともに公告して、創立総会を開かなければならない。

2  発起人及び会員になろうとする者は、創立総会の開会までに、出資の全額を払い込まなければならない。

3  発起人及び会員になろうとする者で第四十条第二項の規定により損失を負担するものは、創立総会の開会までに、書面によりその旨を明らかにしなければならない。

4  定款の承認その他設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない。

5  創立総会では、定款を修正することができる。ただし、会員の資格に関する事項はこの限りでない。

6  創立総会の議事は、会員の資格を有する者であつてその開会までに出資の全額の払込みをしたものの半数以上で、かつ、その払い込んだ出資の合計額が払込出資総額の二分の一以上になるものが出席し、その議決権の三分の二以上で決する。

7  第二十一条並びに商法第二百四十三条 、第二百四十四条第一項から第三項まで、第五項及び第六項、第二百四十七条から第二百四十九条まで、第二百五十一条並びに第二百五十二条の規定は、創立総会について準用する。この場合において、同法第二百四十三条 中「第二百三十二条 」とあるのは「金融先物取引法第十二条第一項」と、同法第二百四十四条第三項中「議事録ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ」とあるのは「議事録ニハ」と、同条第五項中「謄本(其ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ヲ含ム)」とあるのは「謄本」と、同条第六項中「前項ニ掲グルモノニ、同条第六項ノ規定ハ子会社ノ前項ニ掲グルモノ(子会社ガ有限会社ナルトキハ有限会社法第四十一条 ニ於テ準用スル同項ニ掲グルモノ)」とあるのは「前項ニ掲グル資料」と読み替えるものとする。



第十三条
 削除



第十四条
 削除



(理事長への事務の引継ぎ)
第十五条
 発起人は、創立総会の終了後遅滞なく、その事務を理事長となるべき者に引き継がなければならない。



(民法 等の準用)
第十六条
 民法 (明治二十九年法律第八十九号)第三十八条第一項 、第四十四条、第五十条、第五十一条、第五十四条、第五十五条、第五十七条、第六十条から第六十四条まで並びに第六十五条第二項及び第三項、商法第二百四十三条 、第二百四十四条第一項から第三項まで、第五項及び第六項、第二百四十七条から第二百四十九条まで、第二百五十一条並びに第二百五十二条並びに非訟事件手続法 (明治三十一年法律第十四号)第三十五条第一項 の規定は、金融先物会員制法人について準用する。この場合において、民法第四十四条 、第五十四条、第五十五条、第五十七条、第六十条、第六十一条及び第六十三条中「理事」とあるのは「理事長及ビ理事」と、商法第二百四十三条 中「第二百三十二条 」とあるのは「金融先物取引法第十六条ニ於テ準用スル民法第六十二条 」と、同法第二百四十四条第三項 中「議事録ガ書面ヲ以テ作ラレタルトキハ」とあるのは「議事録ニハ」と、同条第五項 中「謄本(其ノ作成ニ代ヘテ電磁的記録ノ作成ガ為サレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ヲ含ム)」とあるのは「謄本」と、同条第六項 中「前項ニ掲グルモノニ、同条第六項 ノ規定ハ子会社ノ前項ニ掲グルモノ(子会社ガ有限会社ナルトキハ有限会社法第四十一条 ニ於テ準用スル同項 ニ掲グルモノ)」とあるのは「前項ニ掲グル資料」と、非訟事件手続法第三十五条第一項 中「仮理事又ハ特別代理人」とあるのは「特別代理人」と読み替えるものとする。

2  商法第四百二十八条 の規定は、金融先物会員制法人の設立について準用する。この場合において、同条第二項 中「株主、取締役又ハ監査役」とあるのは、「会員、理事長及理事又ハ監事」と読み替えるものとする。





      第二目 登記





(成立)
第十七条
 金融先物会員制法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。



(登記)
第十七条の二
 金融先物会員制法人は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。

2  前項の規定により登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、第三者に対抗することができない。





      第三目 会員





(会員の資格)
第十八条
 金融先物会員制法人は、会員の資格を定める場合には、取引所金融先物取引が公正かつ円滑に行われることを確保するため、その定款をもつて、取引量の見込み、財産的基礎、人的構成その他の会員の資格に関する要件を定めなければならない。



(会員の欠格事由)
第十九条
 次の各号のいずれかに該当する者は、会員となることができない。
一  法人(外国の法令に準拠して設立された法人(以下「外国法人」という。)については、国内に営業所又は事務所を有するものに限る。)でない者
二  第五十三条第一項若しくは第九十条の十九第一項若しくは第二項の規定により第三条の免許若しくは第九十条の二の免許を取り消され、第七十九条第一項の規定により第五十六条の許可を取り消され、若しくは第五十五条の十一第一項の規定により第五十五条の二第一項の認可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない法人又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種の免許若しくは許可(当該免許又は許可に類する登録その他の行政処分を含む。)を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない法人
三  この法律又はこれに相当する外国の法令の規定により罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない法人
四  第五十四条第一項の規定若しくは第五十五条の十二の規定又はこれらに相当する外国の法令の規定による命令(これらに相当する外国の法令によるその他の行政処分を含む。次号ト及びリにおいて同じ。)により除名され、又は取引資格を取り消され、その除名又は取消しの日から五年を経過しない法人
五  役員、国内における代表者(外国法人の国内における代表者をいう。以下同じ。)又は政令で定める使用人のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
ロ 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
ニ この法律又はこれに相当する外国の法令の規定により罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
ホ 金融先物取引所が第五十一条若しくは第五十三条第一項の規定により第三条の免許を取り消された場合、金融先物清算機関が第九十条の十九第一項若しくは第二項の規定により第九十条の二の免許を取り消された場合、金融先物取引業者が第七十九条第一項の規定により第五十六条の許可を取り消された場合又は外国金融先物取引所が第五十五条の十一第一項の規定により第五十五条の二第一項の認可を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内に当該法人の役員(外国金融先物取引所にあつては、国内における代表者を含む。)であつた者で当該取消しの日から五年を経過しないもの
ヘ この法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている第三条若しくは第九十条の二の免許、第五十六条の許可又は第五十五条の二第一項の認可と同種の免許、許可又は認可(当該免許、許可又は認可に類する登録その他の行政処分を含む。以下この号において「免許等」という。)を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該免許等を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であつた者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)
ト 第五十三条第一項若しくは第二項、第五十四条第二項、第五十五条の十一第二項、第七十九条第二項若しくは第九十条の十九第二項の規定又はこれらに相当する外国の法令の規定による命令により解任され、その解任の日から五年を経過しない者
チ 金融先物取引所の会員等が第五十四条第一項の規定による命令により除名(取引参加者にあつては、取引資格の取消し)をされた場合又は外国金融先物取引所の外国金融先物取引所参加者(第五十五条の四第一項第六号に規定する外国金融先物取引所参加者をいう。以下この号において同じ。)が第五十五条の十二の規定による命令により取引資格の取消しをされた場合において、その除名又は取消しの日前三十日以内に当該会員等若しくは外国金融先物取引所参加者の役員(外国法人にあつては、国内における代表者を含む。)であつた者で当該除名又は取消しの日から五年を経過しないもの
リ 第五十四条第一項の規定若しくは第五十五条の十二の規定に相当する外国の法令の規定による命令により除名され、又は取引資格を取り消され、その除名又は取消しの日から五年を経過しない者(当該除名され、又は取り消された者が法人である場合においては、当該除名又は取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であつた者で当該除名又は取消しの日から五年を経過しないものを含む。)



(出資及び責任)
第二十条
 会員は、定款の定めるところにより、出資しなければならない。

2  会員の出資額は、均一でなければならない。

3  前項の規定にかかわらず、第九十条の二十一第一項の承認を受けた金融先物会員制法人に係る同条第二項の規定により当該金融先物会員制法人の損失を負担すべき会員の出資額については、定款の定めるところにより、他の会員の出資額を上回ることができる。

4  出資は、金銭をもつて、その全額を払い込むものとする。

5  会員の金融先物会員制法人に対する責任は、定款の定める経費の負担及び第九十条の二十一第一項の承認を受けた金融先物会員制法人に係る同条第二項の規定による損失の負担のほか、その出資額を限度とする。

6  会員は、出資の払込みについて、相殺をもつて金融先物会員制法人に対抗することができない。



(会員の議決権)
第二十一条
 会員は、出資額にかかわらず、各々一個の議決権を有する。ただし、第九十条の二十一第一項の承認を受けた金融先物会員制法人にあつては、前条第三項の規定により他の会員の出資額を上回る出資をしている会員がある場合における第九十条の二十一第二項の規定による損失の負担に関連する事項の議決については、定款で別段の定めをすることができる。



(持分の譲渡)
第二十二条
 会員の持分の譲渡は、脱退しようとする場合においてその全部を会員以外の者に譲渡するときに限り、定款の定めるところにより、金融先物会員制法人の承認を受けて行うことができる。



(任意脱退)
第二十三条
 会員は、定款の定めるところにより、金融先物会員制法人の承認を受けて脱退することができる。



(法定脱退)
第二十四条
 前条の場合のほか、会員は、次に掲げる事由によつて脱退する。
一  第十九条各号のいずれかに該当することとなつたこと。
二  解散
三  除名



(持分の払戻し)
第二十五条
 会員が脱退したときは、第二十二条の規定により持分の全部を譲渡した場合を除き、金融先物会員制法人は、定款の定めるところにより、その持分を払い戻さなければならない。





      第四目 管理





(業務の制限)
第二十六条
 金融先物会員制法人は、営利の目的をもつて業務を営んではならない。



第二十七条
 削除



第二十八条
 削除



(役員)
第二十九条
 金融先物会員制法人に、役員として、理事長一人、理事二人以上及び監事二人以上を置く。



(役員の選任等)
第三十条
 理事(次項の規定により選任される理事を除く。以下この項において同じ。)及び監事は、定款の定めるところにより、会員が選挙し、理事長は、定款の定めるところにより、理事が選挙する。

2  理事長は、定款に特別の定めがある場合には、理事の過半数の同意を得て、定款で定める数の理事を選任する。

3  第五条第二項第二号イからニまで又は商法第二百五十四条ノ二第三号 のいずれかに該当する者は、役員になることができない。

4  役員が前項に規定する者に該当することとなつたときは、その職を失う。



(役員の職務)
第三十一条
 理事長は、金融先物会員制法人を代表し、その業務を総理する。

2  理事は、定款の定めるところにより、金融先物会員制法人を代表し、理事長を補佐して金融先物会員制法人の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。

3  監事は、金融先物会員制法人の業務を監査する。



第三十二条
 削除



第三十三条
 削除





      第五目 解





(解散事由)
第三十四条
 金融先物会員制法人は、次に掲げる事由により解散する。
一  定款に定める事由の発生
二  総会の決議
三  会員の数が十人未満となつたこと。
四  破産
五  成立の日から六月以内に第四条第一項の規定による免許の申請を行わなかつたこと。
六  内閣総理大臣が第三条の免許を与えないこととしたこと。
七  第三条の免許の取消し又は失効



(残余財産の分配)
第三十四条の二
 金融先物会員制法人が解散した場合における残余財産は、定款又は総会の決議により別段の定めをする場合のほか、会員の出資額に応じて分配しなければならない。



(民法 等の準用)
第三十四条の三
 民法第六十九条 、第七十条、第七十三条から第七十六条まで及び第七十八条から第八十三条まで、商法第百二十五条 、第百二十八条、第百二十九条、第百三十一条、第四百十九条第一項及び第三項本文並びに第四百二十七条第一項及び第三項並びに非訟事件手続法第三十五条第二項 、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十五条ノ二十五第二項及び第三項、第百三十六条、第百三十七条並びに第百三十八条の規定は、金融先物会員制法人の解散の場合について準用する。この場合において、民法第七十条 及び第七十四条 中「理事」とあるのは、「理事長及ビ理事」と読み替えるものとする。

2  民法第四十四条 、第五十四条、第五十七条、第六十条及び第六十一条の規定は、金融先物会員制法人の清算人について準用する。





      第六目 組織変更





(会員金融先物取引所から株式会社金融先物取引所への組織変更)
第三十四条の四
 会員金融先物取引所は、その組織を変更して株式会社金融先物取引所になることができる。



(組織変更計画書)
第三十四条の五
 会員金融先物取引所は、前条の組織変更(以下この目において「組織変更」という。)をするには、組織変更計画書を作成して、総会の決議により、その承認を受けなければならない。

2  前項の総会においては、その決議により、定款その他株式会社への組織変更に必要な事項を定めるとともに、組織変更後の株式会社の役員となるべき者を選任しなければならない。

3  民法第六十九条 の規定は、前二項の決議について準用する。

4  第一項の総会の招集は、その会議開催日の五日前までに、会議の目的たる事項のほか、組織変更計画書の要領、組織変更後の株式会社の定款及び第二項に規定する者の選任に関する議案の要領を示してしなければならない。

5  組織変更計画書には、組織変更をする時期、会員に対する株式の割当てに関する事項その他内閣府令で定める事項を記載しなければならない。



(組織変更に係る書類の備置き等)
第三十四条の六
 会員金融先物取引所の理事長又は理事は、前条第一項の総会の会議開催日の五日前から組織変更の日の前日まで、組織変更計画書その他の内閣府令で定める書類を主たる事務所に備え置かなければならない。

2  会員金融先物取引所の会員又は債権者は、その事業時間内に限り、前項の書類の閲覧を求め、又は会員金融先物取引所の定める費用を支払つてその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。



(商法 の準用)
第三十四条の七
 商法第百条 の規定は、組織変更の場合について準用する。この場合において、同条第一項 及び第三項 中「会社」とあるのは、「会員金融先物取引所」と読み替えるものとする。



(組織変更手続の経過等の書面の備置き等)
第三十四条の八
 組織変更後の株式会社金融先物取引所の取締役(商法特例法第一条の二第三項 に規定する委員会等設置会社(以下「委員会等設置会社」という。)にあつては、執行役)は、組織変更の日から六月間、第三十四条の六第一項の書類及び前条において準用する商法第百条 の規定による手続の経過その他の組織変更に関する事項として内閣府令で定める事項を記載した書類を本店に備え置かなければならない。

2  第三十四条の六第二項の規定は、前項の規定により備え置く書類について準用する。この場合において、第三十四条の六第二項中「会員金融先物取引所」とあるのは「組織変更後の株式会社金融先物取引所」と、「会員又は」とあるのは「株主又は」と、「事業時間内」とあるのは「営業時間内」と読み替えるものとする。



(会員への株式の割当て)
第三十四条の九
 会員金融先物取引所の会員は、組織変更計画書の定めるところにより、組織変更後の株式会社金融先物取引所の株式の割当てを受けるものとする。

2  商法第二百二十条第一項 から第三項 まで並びに非訟事件手続法第百二十六条第一項 及び第百三十二条ノ三 の規定は、前項の場合について準用する。

3  会員金融先物取引所の会員で第一項の規定により株式を割り当てられた者は、組織変更により組織変更後の株式会社金融先物取引所の株主となる。



(新会社の資本及び理事長等のてん補責任)
第三十四条の十
 前条第一項の規定により会員に割り当てた株式の発行価額の総額は、組織変更時における組織変更前の会員金融先物取引所に現に存する純資産額を上回ることができない。

2  前項の場合において、組織変更時における組織変更後の株式会社金融先物取引所に現に存する純資産額が前条第一項の規定により会員に割り当てた株式の発行価額の総額に不足するときは、組織変更の決議の当時の会員金融先物取引所の理事長及び理事は、組織変更後の株式会社金融先物取引所に対し連帯してその不足額を支払う義務を負う。



(準備金の積立て)
第三十四条の十一
 組織変更後の株式会社金融先物取引所は、組織変更時における純資産額から資本の額を控除した残額を商法第二百八十八条ノ二第一項 の資本準備金として積み立てなければならない。

2  商法第二百八十八条ノ二第五項 の規定は、前項の残額について準用する。この場合において、同条第五項 中「合併ニ因リ消滅シタル会社ノ利益準備金其ノ他会社ニ留保シタル利益」とあるのは「組織変更前ノ会員金融先物取引所ニ留保シタル剰余金」と、「其ノ利益準備金ノ」とあるのは「組織変更前ノ会員金融先物取引所ガ基本金ノ増額ニ充ツル為積立ツル」と、「合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リ設立シタル会社」とあるのは「組織変更後ノ株式会社金融先物取引所」と読み替えるものとする。



(組織変更における株式の発行)
第三十四条の十二
 会員金融先物取引所は、第三十四条の九第一項の規定による株式の割当てを行うほか、組織変更に際して、組織変更後の株式会社金融先物取引所の株式を発行することができる。この場合においては、組織変更計画書において、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一  この項の規定により発行する株式(以下この項において単に「株式」という。)の種類及び数
二  株式の発行価額
三  株式の発行価額中資本に組み入れない額
四  現物出資をする者の氏名、出資の目的たる財産及びその価格並びにこれに対して与える株式の種類及び数

2  商法第百七十五条 (第二項第一号、第五号、第七号及び第十一号並びに第五項から第八項までを除く。)、第百七十六条から第百七十九条まで、第百八十九条、第百九十条、第百九十一条前段、第百九十二条、第二百二十二条第一項、第二項、第四項、第七項及び第九項、第二百二十二条ノ二並びに第二百二十二条ノ八並びに非訟事件手続法第百二十六条第一項 及び第百三十二条ノ二 の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、商法第百七十五条第二項 (各号列記以外の部分に限る。)及び第四項 、第百七十六条、第百七十七条第一項、第百七十九条第一項及び第二項並びに第百九十二条第四項において準用する同法第百八十六条 中「発起人」とあるのは「会員金融先物取引所ノ理事長又ハ理事」と、同法第百七十五条第二項第八号 中「第百六十八条ノ二 」とあるのは「金融先物取引法第三十四条の十二第一項」と、同項第九号中「各発起人ガ引受ケタル」とあるのは「会員ニ割当テタル」と、「引受価額」とあるのは「発行価額」と、同項第十三号中「取締役若ハ」とあるのは「取締役、執行役若ハ」と、「第二百六十六条第十九項」とあるのは「第二百六十六条第十九項(株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二十一条の十七第五項 ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」と、同法第百八十九条第一項 中「発起人又ハ取締役」とあるのは「会員金融先物取引所ノ理事長若ハ理事又ハ組織変更後ノ株式会社金融先物取引所ノ取締役若ハ執行役」と、同法第百九十二条第一項 及び第二項 中「発起人及会社成立当時ノ取締役」とあり、並びに同条第三項 中「発起人又ハ取締役」とあるのは「組織変更ノ決議ノ当時ノ会員金融先物取引所ノ理事長及理事並ニ組織変更当時ノ株式会社金融先物取引所ノ取締役」と、同法第二百二十二条ノ二第二項 中「会社ノ設立ニ際シテハ発起人全員ノ同意ヲ以テ之ヲ定メ会社ノ成立後ニ於テハ定款ニ株主総会ガ之ヲ決スル旨ノ定アルトキヲ除クノ外取締役会之ヲ決ス」とあるのは「組織変更ニ際シテハ組織変更計画書ヲ以テ之ヲ定ム」と、非訟事件手続法第百三十二条ノ二第一項 中「総発起人又ハ総取締役」とあるのは「会員金融先物取引所ノ理事長及ビ総理事」と読み替えるものとする。

3  商法第百七十三条 並びに非訟事件手続法第百二十六条第一項 、第百二十七条から第百二十九条まで、第百二十九条ノ三及び第百二十九条ノ四の規定は、組織変更計画書に第一項第四号に掲げる事項を記載した場合について準用する。この場合において、商法第百七十三条第一項 中「取締役ハ其ノ選任後遅滞ナク第百六十八条第一項 」とあるのは「会員金融先物取引所ノ理事長又ハ理事ハ金融先物取引法第三十四条の十二第一項第四号」と、同条第二項第一号中「第百六十八条第一項第五号及第六号」とあるのは「金融先物取引法第三十四条の十二第一項第四号」と、「定款」とあるのは「組織変更計画書」と、「同項第五号及第六号」とあるのは「同号」と、同項第二号中「第百六十八条第一項第五号又ハ第六号」とあるのは「金融先物取引法第三十四条の十二第一項第四号」と、「定款」とあるのは「組織変更計画書」と、「同項第五号又ハ第六号」とあるのは「同号」と、同項第三号中「第百六十八条第一項第五号又ハ第六号」とあるのは「金融先物取引法第三十四条の十二第一項第四号」と、「同項第五号又ハ第六号」とあるのは「同号」と、同条第四項中「第百六十八条第一項」とあるのは「金融先物取引法第三十四条の十二第一項第四号」と、「各発起人」とあるのは「組織変更ノ決議ノ当時ノ会員金融先物取引所ノ理事長及各理事並ニ現物出資ヲ為ス者」と、同条第五項中「発起人」とあるのは「現物出資ヲ為ス者」と、同項及び同条第六項中「定款」とあるのは「定款及組織変更計画書」と、非訟事件手続法第百二十九条第二項 中「発起人」とあるのは「組織変更ノ決議ノ当時ノ会員金融先物取引所ノ理事長若ハ理事」と、「取締役(株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律 (昭和四十九年法律第二十二号以下商法特例法 ト称ス)第一条の二第三項 ニ規定スル委員会等設置会社(以下委員会等設置会社ト称ス)ニ付キ商法第二百八十条ノ八第三項 ノ規定ニ依ル裁判ヲ為ス場合ニ於テハ現物出資ヲ為ス者及ビ執行役次項ニ於テ之ニ同ジ)」とあるのは「組織変更後ノ株式会社金融先物取引所ノ取締役」と、同条第三項 中「発起人」とあるのは「組織変更ノ決議ノ当時ノ会員金融先物取引所ノ理事長若ハ理事」と、「取締役」とあるのは「組織変更後ノ株式会社金融先物取引所ノ取締役」と読み替えるものとする。

4  商法第百七十三条ノ二 及び第百九十五条 の規定は、組織変更後の株式会社金融先物取引所の取締役及び監査役となるべき者について準用する。この場合において、同法第百七十三条ノ二第一項 中「前条」とあるのは「金融先物取引法第三十四条の十二第三項ニ於テ準用スル前条」と、「定款」とあるのは「組織変更計画書」と、同条第二項中「各発起人」とあるのは「会員金融先物取引所ノ理事長及各理事」と、同法第百九十五条中「第百七十三条ノ二又ハ第百八十四条第一項及第二項」とあるのは「金融先物取引法第三十四条の十二第四項ニ於テ準用スル第百七十三条ノ二」と、「発起人モ」とあるのは「会員金融先物取引所ノ理事長又ハ理事モ」と、「及発起人」とあるのは「並ニ会員金融先物取引所ノ理事長及理事」と読み替えるものとする。

5  第一項の規定による株式の発行のために必要な費用の額は、貸借対照表の資産の部に計上することができる。この場合においては、同項の組織変更の後三年以内に、毎決算期に均等額以上の償却をしなければならない。



(理事長及び理事の財産価格てん補責任)
第三十四条の十三
 組織変更計画書に前条第一項第四号に掲げる事項を記載した場合において、現物出資の目的たる財産の組織変更当時における実価が組織変更計画書に記載した価格に著しく不足するときは、現物出資に関する議案を総会に提出した会員金融先物取引所の理事長及び理事は、議案に掲げた財産の価格と実価との差額を限度として組織変更後の株式会社金融先物取引所に対し連帯してその不足額を支払う義務を負う。

2  商法第百九十二条ノ二第二項 及び第三項 の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第二項 中「第百六十八条第一項第五号 又ハ第六号 」とあるのは「金融先物取引法第三十四条の十二第一項第四号」と、「発起人及取締役」とあるのは「会員金融先物取引所ノ理事長及理事」と、「前項」とあるのは「同法第三十四条の十三第一項」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「金融先物取引法第三十四条の十三第一項」と、同項において準用する同法第百八十六条中「発起人」とあるのは「会員金融先物取引所ノ理事長及理事」と読み替えるものとする。



(現物出資の目的たる財産の価格の証明等をした者の責任)
第三十四条の十三の二
 商法第百九十二条ノ二第一項 及び第三項 の規定は第三十四条の十二第三項 において準用する同法第百七十三条第二項第三号 の証明又は鑑定評価(以下この条において「証明等」という。)をした者について、同法第百九十三条第二項 の規定は当該証明等をした者が虚偽の証明等をした場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第百九十二条ノ二第一項 中「第百六十八条第一項第五号 又ハ第六号 」とあるのは「金融先物取引法第三十四条の十二第一項第四号」と、「会社成立」とあるのは「組織変更」と、「定款」とあるのは「組織変更計画書」と、同条第三項において準用する同法第百八十六条中「発起人」とあるのは「会員金融先物取引所ノ理事長及理事」と読み替えるものとする。

2  第三十四条の十二第三項において準用する商法第百七十三条第二項第三号 の証明等をした者が当該証明等をするについて注意を怠らなかつたことを証明したときは、当該証明等をした者については、前項の規定は、適用しない。



(組織変更の認可)
第三十四条の十四
 組織変更は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2  前項の認可を受けようとする者は、組織変更後の株式会社金融先物取引所について次に掲げる事項を記載した組織変更認可申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  商号
二  本店、支店その他の営業所の所在の場所
三  役員の氏名及び住所
四  取引参加者の商号又は名称

3  前項の組織変更認可申請書には、組織変更計画書、組織変更後の株式会社金融先物取引所の定款、業務規程、受託契約準則その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。



(認可基準)
第三十四条の十五
 内閣総理大臣は、前条第二項の規定による認可の申請があつた場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  組織変更後の株式会社金融先物取引所の定款、業務規程及び受託契約準則の規定が法令に適合し、かつ、取引所金融先物取引を公正かつ円滑ならしめ、並びに委託者を保護するために十分であること。
二  組織変更後の株式会社金融先物取引所がその開設する金融先物市場を適切に運営するに足りる人的構成を有するものであること。
三  組織変更後の株式会社金融先物取引所が金融先物取引所としてこの法律の規定に適合するように組織されるものであること。

2  内閣総理大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除いて、組織変更を認可しなければならない。
一  組織変更後の株式会社金融先物取引所の役員のうちに第五条第二項第二号イからニまで又は商法第二百五十四条ノ二第三号 のいずれかに該当する者があるとき。
二  組織変更認可申請書又はその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があるとき。



(会社の設立に際して発行する株式とみなされる株式等)
第三十四条の十六
 次に掲げる株式は、商法第百六十六条第一項第六号 及び第四項 に規定する会社の設立に際して発行する株式とみなす。
一  第三十四条の九第一項の規定により会員に割り当てる株式
二  第三十四条の十二第一項の規定により組織変更に際して発行する株式

2  前項の場合においては、同項各号に掲げる株式に係る組織変更の日を商法第二百二十五条第二号 に掲げる日と、当該組織変更を同法第二百二十六条 に規定する会社の成立とみなして、これらの規定を適用する。



(登記)
第三十四条の十七
 会員金融先物取引所が組織変更を行つたときは、組織変更の日から主たる事務所及び本店の所在地においては二週間以内に、従たる事務所及び支店の所在地においては三週間以内に、組織変更前の会員金融先物取引所については解散の登記を、組織変更後の株式会社金融先物取引所については設立の登記をしなければならない。

2  前項の設立の登記の申請書には、商業登記法 (昭和三十八年法律第百二十五号)第十八条 、第十九条及び第七十九条に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一  組織変更計画書
二  定款
三  組織変更前の会員金融先物取引所の組織変更総会の議事録
四  第三十四条の七において準用する商法第百条 の規定による公告及び催告をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、その者に対し弁済し、若しくは担保を提供し、若しくは信託したこと又は組織変更をしてもその者を害するおそれがないことを証する書面
五  組織変更時における組織変更前の会員金融先物取引所に現に存する純資産額を証する書面
六  組織変更後の株式会社金融先物取引所の取締役、代表取締役及び監査役(委員会等設置会社にあつては、取締役、商法特例法第二十一条の八第四項 に規定する委員会を組織する取締役、執行役及び代表執行役)が就任を承諾したことを証する書面
七  名義書換代理人又は登録機関を置いたときは、これらの者との契約を証する書面
八  第三十四条の十二の規定により組織変更に際して株式を発行したときは、次に掲げる書面
イ 株式の申込み及び引受けを証する書面
ロ 取締役及び監査役又は検査役の調査報告書並びに第三十四条の十二第三項において準用する商法第百七十三条第二項第三号 の証明及び鑑定評価を記載した書面並びにこれらの附属書類並びに有価証券の取引所の相場を証する書面
ハ 検査役の報告に関する裁判があつたときは、その謄本
ニ 払込みを取り扱つた銀行又は信託会社の払込金の保管に関する証明書

3  商業登記法第七十一条 及び第七十三条 の規定は、第一項の場合について準用する。



(組織変更の無効の訴え)
第三十四条の十八
 組織変更の無効は、本店の所在地において組織変更の日から六月以内に、訴えをもつてのみ主張することができる。

2  商法第八十八条 、第百五条第二項から第四項まで、第百六条、第百八条から第百十条まで、第二百四十九条及び第四百十五条第二項並びに非訟事件手続法第百三十五条ノ六 及び第百四十条 の規定は、前項の訴えについて準用する。この場合において、商法第二百四十九条第一項 及び第四百十五条第二項 中「取締役」とあるのは、「取締役、執行役」と読み替えるものとする。





     第二款 金融先物市場を開設する株式会社



      第一目 総則





(定款)
第三十四条の十九
 株式会社金融先物取引所の定款には、商法第百六十六条第一項 各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一  取引参加者のこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分若しくは定款その他の規則又は取引の信義則の遵守の状況の調査に関する事項
二  規則の作成に関する事項
三  取引所金融先物取引の種類に関する事項
四  取引所金融先物取引の清算に関する事項



(議決権の保有制限)
第三十四条の二十
 何人も、株式会社金融先物取引所の総株主の議決権(商法第二百十一条ノ二第四項 に規定する種類の株式に係る議決権を除き、同条第五項 の規定により議決権を有するものとみなされる株式に係る議決権を含む。第四項を除き、以下この章において同じ。)の百分の五十を超える議決権(取得又は保有の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定めるものを除く。以下この章において「対象議決権」という。)を取得し、又は保有してはならない。ただし、金融先物取引所、金融先物取引所持株会社、証券取引法第八十七条の二の二第一項 ただし書の規定により株式会社金融先物取引所を子会社とすることについて認可を受けた証券取引所(同法第二条第十六項 に規定する証券取引所をいう。以下この章において同じ。)又は同法第百六条の二十四 ただし書の規定により株式会社金融先物取引所を子会社とすることについて認可を受けた証券取引所持株会社(同法第二条第十八項 に規定する証券取引所持株会社をいう。以下この章において同じ。)が取得し、又は保有する場合は、この限りでない。

2  前項本文の規定は、保有する対象議決権の数に増加がない場合その他の内閣府令で定める場合において、株式会社金融先物取引所の総株主の議決権の百分の五十を超える対象議決権を取得し、又は保有することとなるときには、適用しない。ただし、当該株式会社金融先物取引所の総株主の議決権の百分の五十を超える部分の対象議決権については、その超えることとなつた日から一年を超えて、これを保有してはならない。

3  前項本文に規定する場合に、株式会社金融先物取引所の総株主の議決権の百分の五十を超える対象議決権を取得し、又は保有することとなつた者(以下この項において「特定保有者」という。)は、特定保有者になつた旨その他内閣府令で定める事項を、遅滞なく、内閣総理大臣に届け出なければならない。

4  第一項ただし書の「子会社」とは、会社がその総株主又は総社員の議決権(商法第二百十一条ノ二第四項 に規定する種類の株式又は持分に係る議決権を除き、同条第五項 の規定により議決権を有するものとみなされる株式又は持分に係る議決権を含む。以下この項において同じ。)の過半数を保有する他の会社をいう。この場合において、会社及びその一若しくは二以上の子会社又は当該会社の一若しくは二以上の子会社がその総株主又は総社員の議決権の過半数を保有する他の会社は、当該会社の子会社とみなす。

5  次の各号に掲げる場合における第一項から第三項までの規定の適用については、当該各号に定める対象議決権は、これを取得し、又は保有するものとみなす。
一  金銭の信託契約その他の契約又は法律の規定に基づき、株式会社金融先物取引所の対象議決権を行使することができる権限又は当該議決権の行使について指図を行うことができる権限を有し、又は有することとなる場合 当該対象議決権
二  株式の所有関係、親族関係その他の政令で定める特別の関係にある者が株式会社金融先物取引所の対象議決権を取得し、又は保有する場合 当該特別の関係にある者が取得し、又は保有する対象議決権

6  前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。



(対象議決権保有届出書の提出)
第三十四条の二十の二
 株式会社金融先物取引所の株主は、当該株式会社金融先物取引所の総株主の議決権の百分の五を超える対象議決権の保有者(以下この項において「対象議決権保有者」という。)となつたときは、内閣府令で定めるところにより、対象議決権保有割合(対象議決権保有者の保有する当該対象議決権の数を当該株式会社金融先物取引所の総株主の議決権の数で除して得た割合をいう。)、保有の目的その他内閣府令で定める事項を記載した対象議決権保有届出書を、遅滞なく、内閣総理大臣に提出しなければならない。

2  前条第五項の規定は、前項の規定を適用する場合について準用する。



(対象議決権保有届出書の提出者に対する立入検査等)
第三十四条の二十の三
 内閣総理大臣は、前条第一項の対象議決権保有届出書のうちに虚偽の記載があり、又は記載すべき事項の記載が欠けている疑いがあると認めるときは、対象議決権保有届出書の提出者に対し、参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、対象議決権保有届出書の提出者の営業所若しくは事務所に立ち入り、その者の書類その他の物件の検査(対象議決権保有届出書の記載に関し必要な検査に限る。)をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。

2  前項の規定により立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

3  第一項の規定による立入検査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。



(発行済株式の総数等の縦覧)
第三十四条の二十一
 株式会社金融先物取引所は、内閣府令で定めるところにより、その発行済株式の総数、総株主の議決権の数その他の内閣府令で定める事項を、公衆の縦覧に供しなければならない。



(資本の減少の認可等)
第三十四条の二十二
 株式会社金融先物取引所は、その資本の額を減少しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

2  株式会社金融先物取引所は、その資本の額を増加しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に届け出なければならない。



(合併の認可)
第三十四条の二十三
 株式会社金融先物取引所を一方の当事者とする合併は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2  合併後存続する者又は合併により設立される者が株式会社金融先物取引所である合併について前項の認可を受けようとする者は、合併後存続する株式会社金融先物取引所又は合併による新たな株式会社金融先物取引所(以下「合併後の株式会社金融先物取引所」と総称する。)について、次に掲げる事項を記載した合併認可申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  商号
二  本店、支店その他の営業所の所在の場所
三  役員の氏名及び住所
四  取引参加者の商号又は名称

3  前項の合併認可申請書には、合併契約書、合併後の株式会社金融先物取引所の定款、業務規程、受託契約準則その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

4  前項の場合において、合併契約書について書面に代えて電磁的記録の作成がされているとき、又は定款が電磁的記録で作成されているときは、書類に代えて電磁的記録(内閣府令で定めるものに限る。)を添付することができる。



(認可基準)
第三十四条の二十四
 内閣総理大臣は、前条第二項の規定による認可の申請があつた場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  合併後の株式会社金融先物取引所の定款、業務規程及び受託契約準則の規定が法令に適合し、かつ、取引所金融先物取引を公正かつ円滑ならしめ、並びに委託者を保護するために十分であること。
二  合併後の株式会社金融先物取引所がその開設する金融先物市場を適切に運営するに足りる人的構成を有するものであること。
三  合併後の株式会社金融先物取引所が株式会社金融先物取引所としてこの法律に適合するように組織されるものであること。
四  取引所金融先物取引を公正かつ円滑にするため十分な取引量及び取引参加者の数が見込まれることその他経済金融の状況に照らして当該金融先物市場を開設することが公益又は委託者の保護のため必要かつ適当であること。
五  合併後の株式会社金融先物取引所において、合併により消滅する株式会社金融先物取引所の開設している金融先物市場における取引所金融先物取引に関する業務の承継が円滑かつ適切に行われる見込みが確実であること。

2  内閣総理大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除いて、合併を認可しなければならない。
一  役員のうちに第五条第二項第二号イからニまで又は商法第二百五十四条ノ二第三号 のいずれかに該当する者があるとき。
二  合併認可申請書又はこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに重要な事項について虚偽の記載又は記録があるとき。



(みなし免許等)
第三十四条の二十五
 第三十四条の二十三第一項の認可を受けて設立された株式会社金融先物取引所は、当該設立の時に、第三条の免許を受けたものとみなす。

2  合併後の株式会社金融先物取引所は、合併により消滅した株式会社金融先物取引所の権利義務(当該株式会社金融先物取引所がその行う業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。

3  合併により消滅した株式会社金融先物取引所の開設していた金融先物市場において成立した取引所金融先物取引であつて決済を結了していないものは、合併後の株式会社金融先物取引所の開設する金融先物市場において同一の条件で成立した取引とみなす。



(役員の特例)
第三十四条の二十六
 第三十条第三項及び第四項の規定は、株式会社金融先物取引所の役員について準用する。



(裁判所の調査依頼)
第三十四条の二十七
 裁判所は、株式会社金融先物取引所の清算手続、破産手続、再生手続、整理手続、更生手続又は承認援助手続において、内閣総理大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。

2  内閣総理大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。





      第二目 主要株主





(認可等)
第三十四条の二十八
 株式会社金融先物取引所の総株主の議決権の百分の二十(その財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実として内閣府令で定める事実がある場合には、百分の十五。以下この章において「主要株主基準値」という。)以上の数の対象議決権を取得し、若しくは保有しようとする者又は株式会社金融先物取引所の主要株主基準値以上の数の対象議決権を取得し、若しくは保有しようとする法人の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。ただし、金融先物取引所、金融先物取引所持株会社、証券取引所又は証券取引所持株会社が取得し、又は保有する場合は、この限りでない。

2  前項本文の規定は、保有する対象議決権の数に増加がない場合その他の内閣府令で定める場合において、株式会社金融先物取引所の主要株主基準値以上の数の対象議決権を取得し、又は保有することとなるときには、適用しない。

3  前項に規定する場合に、株式会社金融先物取引所の主要株主基準値以上の数の対象議決権を取得し、又は保有することとなつた者(第三十四条の三十四第三項に規定する特定持株会社を除く。以下この条において「特定保有者」という。)は、特定保有者になつた旨その他内閣府令で定める事項を、遅滞なく、内閣総理大臣に届け出なければならない。

4  第二項に規定する場合に、特定保有者は、特定保有者となつた日から三月以内に、株式会社金融先物取引所の主要株主基準値未満の数の対象議決権の保有者となるために必要な措置をとらなければならない。ただし、当該特定保有者が株式会社金融先物取引所の主要株主基準値以上の数の対象議決権の保有者であることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。

5  特定保有者は、株式会社金融先物取引所の主要株主基準値未満の数の対象議決権の保有者となつたときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。



(認可基準)
第三十四条の二十九
 内閣総理大臣は、前条第一項又は第四項ただし書の認可の申請があつた場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  認可申請者がその対象議決権を行使することにより、株式会社金融先物取引所の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
二  認可申請者が金融先物取引所の業務の公共性に関し十分な理解を有すること。
三  認可申請者が十分な社会的信用を有する者であること。

2  内閣総理大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除いて、その認可を与えなければならない。
一  認可申請者が第五条第二項第一号イ又はロに該当するとき。
二  認可申請者又はその役員のうちに第五条第二項第二号イからニまでのいずれかに該当する者のあるとき。
三  認可申請書又はこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに重要な事実について虚偽の記載又は記録があるとき。



(立入検査等)
第三十四条の三十
 内閣総理大臣は、公益又は委託者の保護のため必要かつ適当であると認めるときは、株式会社金融先物取引所の主要株主(第三十四条の二十八第一項又は第四項ただし書の認可を受けた者をいう。以下この目において同じ。)に対し、当該株式会社金融先物取引所の業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、当該主要株主の営業所若しくは事務所に立ち入り、当該主要株主の書類その他の物件の検査(当該株式会社金融先物取引所の業務又は財産に関し必要な検査に限る。)をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。

2  第三十四条の二十の三第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査又は質問について準用する。



(監督上の処分)
第三十四条の三十一
 内閣総理大臣は、株式会社金融先物取引所の主要株主が法令に違反したとき、又は主要株主の行為が株式会社金融先物取引所の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあると認めるときは、当該主要株主に対し、第三十四条の二十八第一項又は第四項ただし書の認可を取り消し、その他監督上必要な措置をとることを命ずることができる。

2  前項の規定により第三十四条の二十八第一項又は第四項ただし書の認可を取り消された者は、当該認可を取り消された日から三月以内に、株式会社金融先物取引所の主要株主基準値未満の数の対象議決権の保有者となるために必要な措置をとらなければならない。

3  第一項の規定は、株式会社金融先物取引所の主要株主基準値以上の数の対象議決権を保有する金融先物取引所、証券取引所及び証券取引所持株会社について準用する。



(認可の失効)
第三十四条の三十二
 株式会社金融先物取引所の主要株主が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、第三十四条の二十八第一項及び第四項ただし書の認可は、効力を失う。
一  認可を受けた日から六月以内に主要株主基準値以上の数の対象議決権の保有者とならなかつたとき。
二  主要株主基準値未満の数の対象議決権の保有者となつたとき。
三  金融先物取引所持株会社になつたとき。

2  前項(第三号を除く。)の規定により認可が失効したときは、主要株主であつた者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。



(対象議決権に係る規定の準用)
第三十四条の三十三
 第三十四条の二十第五項の規定は、第三十四条の二十八、第三十四条の二十九第一項、第三十四条の三十一第二項及び第三項並びに前条第一項の規定を適用する場合について準用する。





      第三目 金融先物取引所持株会社





(認可等)
第三十四条の三十四
 株式会社金融先物取引所を子会社(第三十四条の二十第四項に規定する子会社をいう。以下この目において同じ。)としようとする者又は株式会社金融先物取引所を子会社とする会社の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

2  前項の規定は、保有する議決権の数に増加がない場合その他の内閣府令で定める場合において、株式会社金融先物取引所を子会社とすることとなるときには、適用しない。

3  前項に規定する場合に、株式会社金融先物取引所を子会社とすることとなつた会社(以下この条において「特定持株会社」という。)は、特定持株会社となつた日から三月以内に、株式会社金融先物取引所を子会社とする会社でなくなるために必要な措置をとらなければならない。ただし、当該特定持株会社が株式会社金融先物取引所を子会社とする会社であることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。

4  第三十四条の二十八第三項及び第五項の規定は、特定持株会社について準用する。この場合において、同条第三項中「前項」とあるのは「第三十四条の三十四第二項」と、同条第五項中「株式会社金融先物取引所の主要株主基準値未満の数の対象議決権の保有者となつたとき」とあるのは「株式会社金融先物取引所を子会社とする会社でなくなつたとき」と読み替えるものとする。



(認可の申請)
第三十四条の三十五
 前条第一項又は第三項ただし書の認可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した認可申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  商号
二  資本の額
三  取締役及び監査役(委員会等設置会社にあつては、取締役及び執行役)の氏名
四  本店その他の営業所の名称及び所在地

2  前項の認可申請書には、定款その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

3  第四条第三項の規定は、前項の定款について準用する。



(認可審査基準)
第三十四条の三十六
 内閣総理大臣は、前条第一項の規定による認可の申請があつた場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  認可申請者が専ら株式会社金融先物取引所を子会社として保有することを目的とする者であること。
二  認可申請者及びその子会社となる株式会社金融先物取引所の収支の見込みが良好であること。
三  認可申請者がその人的構成に照らして、その子会社となる株式会社金融先物取引所の経営管理を適確かつ公正に遂行することができる知識及び経験を有すること。
四  認可申請者が十分な社会的信用を有する者であること。

2  内閣総理大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除いて、その認可を与えなければならない。
一  認可申請者が株式会社でないとき。
二  認可申請者が第五条第二項第一号イ又はロに該当するとき。
三  認可申請者の役員のうちに第五条第二項第二号イからニまでのいずれかに該当する者があるとき。
四  認可申請書又はこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに重要な事項について虚偽の記載又は記録があるとき。



(議決権の保有制限)
第三十四条の三十七
 何人も、金融先物取引所持株会社の総株主の議決権の百分の五十を超える対象議決権を取得し、又は保有してはならない。ただし、金融先物取引所が取得し、又は保有する場合は、この限りでない。

2  前項本文の規定は、保有する対象議決権の数に増加がない場合その他の内閣府令で定める場合において、金融先物取引所持株会社の総株主の議決権の百分の五十を超える対象議決権を取得し、又は保有することとなるときには、適用しない。ただし、当該金融先物取引所持株会社の総株主の議決権の百分の五十を超える部分の対象議決権については、その超えることとなつた日から一年を超えて、これを保有してはならない。

3  前項本文に規定する場合に、金融先物取引所持株会社の総株主の議決権の百分の五十を超える対象議決権を取得し、又は保有することとなつた者(以下この項において「特定保有者」という。)は、特定保有者になつた旨その他内閣府令で定める事項を、遅滞なく、内閣総理大臣に届け出なければならない。



(対象議決権保有届出書の提出)
第三十四条の三十八
 金融先物取引所持株会社の株主は、当該金融先物取引所持株会社の総株主の議決権の百分の五を超える対象議決権の保有者(以下この条において「対象議決権保有者」という。)となつたときは、内閣府令で定めるところにより、対象議決権保有割合(対象議決権保有者の保有する当該対象議決権の数を当該金融先物取引所持株会社の総株主の議決権の数で除して得た割合をいう。)、保有の目的その他内閣府令で定める事項を記載した対象議決権保有届出書を、遅滞なく、内閣総理大臣に提出しなければならない。



(対象議決権保有届出書の提出者に対する立入検査等)
第三十四条の三十九
 内閣総理大臣は、前条の対象議決権保有届出書のうちに虚偽の記載があり、又は記載すべき事項の記載が欠けている疑いがあると認めるときは、対象議決権保有届出書の提出者に対し、参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、対象議決権保有届出書の提出者の営業所若しくは事務所に立ち入り、その者の書類その他の物件の検査(対象議決権保有届出書の記載に関し必要な検査に限る。)をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。

2  第三十四条の二十の三第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査又は質問について準用する。



(主要株主に係る認可等)
第三十四条の四十
 金融先物取引所持株会社の主要株主基準値以上の数の対象議決権を取得し、若しくは保有しようとする者又は金融先物取引所持株会社の主要株主基準値以上の数の対象議決権を取得し、若しくは保有しようとする法人の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。ただし、金融先物取引所が取得し、又は保有する場合は、この限りでない。

2  前項本文の規定は、保有する対象議決権の数に増加がない場合その他の内閣府令で定める場合において、金融先物取引所持株会社の主要株主基準値以上の数の対象議決権を取得し、又は保有することとなるときには、適用しない。

3  前項に規定する場合に、金融先物取引所持株会社の主要株主基準値以上の数の対象議決権を取得し、又は保有することとなつた者(以下この条において「特定保有者」という。)は、特定保有者となつた日から三月以内に、金融先物取引所持株会社の主要株主基準値未満の数の対象議決権の保有者となるために必要な措置をとらなければならない。ただし、当該特定保有者が金融先物取引所持株会社の主要株主基準値以上の数の対象議決権の保有者であることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。

4  第三十四条の二十八第三項及び第五項の規定は、特定保有者について準用する。この場合において、同条第三項中「前項」とあるのは、「第三十四条の四十第二項」と読み替えるものとする。



(主要株主に係る認可基準)
第三十四条の四十一
 内閣総理大臣は、前条第一項又は第三項ただし書の認可の申請があつた場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  認可申請者がその対象議決権を行使することにより、金融先物取引所持株会社の子会社である株式会社金融先物取引所の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
二  認可申請者が金融先物取引所の業務の公共性に関し十分な理解を有すること。
三  認可申請者が十分な社会的信用を有する者であること。

2  内閣総理大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、次の各号のいずれかに該当している場合を除いて、その認可を与えなければならない。
一  認可申請者が第五条第二項第一号イ又はロに該当するとき。
二  認可申請者又はその役員のうちに第五条第二項第二号イからニまでのいずれかに該当する者のあるとき。
三  認可申請書又はこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに重要な事実について虚偽の記載又は記録があるとき。



(主要株主に対する立入検査等)
第三十四条の四十二
 内閣総理大臣は、公益又は委託者の保護のため必要かつ適当であると認めるときは、金融先物取引所持株会社の主要株主(第三十四条の四十第一項又は第三項ただし書の認可を受けた者をいう。以下この目において同じ。)に対し、当該金融先物取引所持株会社若しくはその子会社である株式会社金融先物取引所の業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、当該主要株主の営業所若しくは事務所に立ち入り、当該主要株主の書類その他の物件の検査(当該金融先物取引所持株会社又はその子会社である株式会社金融先物取引所の業務又は財産に関し必要な検査に限る。)をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。

2  第三十四条の二十の三第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査又は質問について準用する。



(主要株主に対する監督上の処分)
第三十四条の四十三
 内閣総理大臣は、金融先物取引所持株会社の主要株主が法令に違反したとき、又は主要株主の行為が当該金融先物取引所持株会社の子会社である株式会社金融先物取引所の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあると認めるときは、当該主要株主に対し、第三十四条の四十第一項又は第三項ただし書の認可を取り消し、その他監督上必要な措置をとることを命ずることができる。

2  前項の規定により第三十四条の四十第一項又は第三項ただし書の認可を取り消された者は、当該認可を取り消された日から三月以内に、金融先物取引所持株会社の主要株主基準値未満の数の対象議決権の保有者となるために必要な措置をとらなければならない。

3  第一項の規定は、金融先物取引所持株会社の主要株主基準値以上の数の対象議決権を保有する金融先物取引所について準用する。



(主要株主に係る認可の失効)
第三十四条の四十四
 金融先物取引所持株会社の主要株主が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、第三十四条の四十第一項及び第三項ただし書の認可は、効力を失う。
一  認可を受けた日から六月以内に主要株主基準値以上の数の対象議決権の保有者とならなかつたとき。
二  主要株主基準値未満の数の対象議決権の保有者となつたとき。

2  第三十四条の三十二第二項の規定は、前項の規定により認可が失効した場合について準用する。



(業務の範囲)
第三十四条の四十五
 金融先物取引所持株会社は、子会社である株式会社金融先物取引所の経営管理を行うこと及びこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。

2  金融先物取引所持株会社は、その業務を営むに当たつては、子会社である株式会社金融先物取引所の業務の公共性に十分配慮し、その業務の健全かつ適切な運営の確保に努めなければならない。



(子会社の範囲)
第三十四条の四十六
 金融先物取引所持株会社は、金融先物市場の開設及びこれに附帯する業務を営む会社以外の会社を子会社としてはならない。ただし、内閣総理大臣の認可を受けた場合は、金融先物市場の開設に関連する業務を営む会社を子会社とすることができる。



(認可の取消し)
第三十四条の四十七
 内閣総理大臣は、金融先物取引所持株会社がその認可を受けた当時第三十四条の三十六第二項各号のいずれかに該当していたことを発見したときは、その認可を取り消すことができる。



(立入検査等)
第三十四条の四十八
 内閣総理大臣は、公益又は委託者の保護のため必要かつ適当であると認めるときは、金融先物取引所持株会社若しくはその子会社に対し、当該金融先物取引所持株会社の業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、当該金融先物取引所持株会社若しくは当該子会社の営業所若しくは事務所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該子会社にあつては、当該金融先物取引所持株会社の業務又は財産に関し必要な検査に限る。)をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。

2  第三十四条の二十の三第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査又は質問について準用する。



(監督上の処分)
第三十四条の四十九
 内閣総理大臣は、金融先物取引所持株会社が法令に違反したとき、又は金融先物取引所持株会社の行為がその子会社である株式会社金融先物取引所の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあると認めるときは、当該金融先物取引所持株会社に対し、第三十四条の三十四第一項又は第三項ただし書の認可を取り消し、その他監督上必要な措置をとることを命ずることができる。

2  内閣総理大臣は、金融先物取引所持株会社の取締役、執行役又は監査役が法令又は法令に基づく行政官庁の処分に違反したときは、当該金融先物取引所持株会社に対し当該取締役、執行役又は監査役の解任を命ずることができる。

3  第一項の規定により第三十四条の三十四第一項又は第三項ただし書の認可を取り消された金融先物取引所持株会社は、速やかに、当該株式会社金融先物取引所を子会社とする会社でなくなるために必要な措置をとらなければならない。

4  前項の措置がとられた場合において、当該措置をとつた者がなお株式会社金融先物取引所の主要株主基準値以上の数の対象議決権の保有者であるときは、当該株式会社金融先物取引所を子会社とする会社でなくなつた日を第三十四条の二十八第四項の特定保有者となつた日とみなして、同項の規定を適用する。



(認可の失効)
第三十四条の五十
 金融先物取引所持株会社が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、第三十四条の三十四第一項及び第三項ただし書の認可は、効力を失う。
一  株式会社金融先物取引所を子会社とする会社でなくなつたとき。
二  解散したとき。
三  設立、合併(当該合併により設立される会社が金融先物取引所持株会社であるものに限る。)又は新設分割(当該新設分割により設立された会社が金融先物取引所持株会社であるものに限る。)を無効とする判決が確定したとき。
四  認可を受けた日から六月以内に株式会社金融先物取引所を子会社とする会社とならなかつたとき。

2  第三十四条の三十二第二項の規定は、前項の規定により認可が失効した場合について準用する。



(対象議決権に係る規定の準用)
第三十四条の五十一
 第三十四条の二十第五項の規定は、第三十四条の三十七、第三十四条の三十八、第三十四条の四十第一項から第三項まで、同条第四項において準用する第三十四条の二十八第五項、第三十四条の四十一第一項、第三十四条の四十三第二項及び第三項、第三十四条の四十四第一項並びに第三十四条の四十九第四項の規定を適用する場合について準用する。



(監督上の処分等に係る規定の準用)
第三十四条の五十二
 第三十四条の四十五第二項及び第三十四条の四十九第一項の規定は、株式会社金融先物取引所を子会社とする金融先物取引所、証券取引所及び証券取引所持株会社並びに金融先物取引所持株会社を子会社とする金融先物取引所について準用する。





    第三節 取引所金融先物取引等





(運営目的)
第三十四条の五十三
 金融先物取引所の開設する金融先物市場は、取引所金融先物取引を公正かつ円滑ならしめ、かつ、委託者の保護に資するよう運営されなければならない。



(取引所金融先物取引を行うことができる者)
第三十五条
 取引所金融先物取引は、当該金融先物市場を開設する金融先物取引所の会員等でなければ行うことができない。



(会員金融先物取引所の取引参加者)
第三十五条の二
 会員金融先物取引所は、定款の定めるところにより、国内に営業所又は事務所を有しない外国法人に、当該会員金融先物取引所の開設する金融先物市場における取引所金融先物取引を行うための取引資格を与えることができる。この場合において、会員金融先物取引所は、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

2  会員金融先物取引所は、第十九条各号(第一号を除く。)のいずれかに該当する者に対し、取引資格を与えてはならない。

3  第二十三条及び第二十四条の規定は、第一項の規定により取引資格を与えられた者について準用する。この場合において、第二十三条中「金融先物会員制法人」とあるのは「会員金融先物取引所」と、「脱退する」とあるのは「取引資格を喪失する」と、第二十四条中「脱退する」とあるのは「取引資格を喪失する」と、同条第三号中「除名」とあるのは「取引資格の取消し」と読み替えるものとする。



(株式会社金融先物取引所の取引参加者)
第三十五条の三
 株式会社金融先物取引所は、業務規程の定めるところにより、当該株式会社金融先物取引所の開設する金融先物市場における取引所金融先物取引を行うための取引資格を与えることができる。

2  株式会社金融先物取引所は、法人でない者又は第十九条各号(第一号を除く。)のいずれかに該当する者に対し、取引資格を与えてはならない。

3  株式会社金融先物取引所は、国内に営業所又は事務所を有しない外国法人に取引資格を与えようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

4  第二十三条及び第二十四条の規定は、第一項の規定により取引資格を与えられた者について準用する。この場合において、第二十三条中「定款」とあるのは「業務規程」と、「金融先物会員制法人」とあるのは「株式会社金融先物取引所」と、「脱退する」とあるのは「取引資格を喪失する」と、第二十四条中「脱退する」とあるのは「取引資格を喪失する」と、同条第三号中「除名」とあるのは「取引資格の取消し」と読み替えるものとする。



(信認金)
第三十五条の四
 会員等は、定款(株式会社金融先物取引所にあつては、業務規程。次項、次条第一項、第三十七条第一項及び第四十一条第一項において同じ。)の定めるところにより、金融先物取引所に対し、信認金を預託しなければならない。

2  信認金は、定款の定めるところにより、有価証券をもつて充てることができる。

3  会員等に対して取引所金融先物取引を委託した者は、その委託により生じた債権に関し、当該会員等の信認金について、他の債権者に先立つて弁済を受ける権利を有する。

4  金融先物取引所は、国債の保有その他内閣府令で定める方法によるほか、信認金として預託を受けたものを運用してはならない。



(取引資格の喪失等に伴う取引の結了)
第三十五条の五
 会員等が脱退した場合(取引参加者にあつては、取引資格を喪失した場合)においては、金融先物取引所は、定款の定めるところにより、本人若しくはその一般承継人又は他の会員等をして、その行つた取引所金融先物取引を結了させなければならない。この場合においては、本人又はその一般承継人は、その取引所金融先物取引の結了の目的の範囲内において、なお会員等とみなす。

2  前項の規定により金融先物取引所が他の会員等をしてその取引所金融先物取引を結了させるときは、本人又はその一般承継人と当該他の会員等との間に、委任契約が成立していたものとみなす。



(業務規程の記載事項)
第三十六条
 金融先物取引所の業務規程には、次に掲げる事項(会員金融先物取引所にあつては、第一号及び第二号を除く。)を記載しなければならない。
一  取引参加者の資格、加入及び脱退に関する事項
二  信認金に関する事項
二の二  取引証拠金に関する事項
三  取引所金融先物取引の対象とする通貨等若しくは金融オプション又は取引所金融先物取引に係る金融指標(以下この節及び第五十三条において「取引対象通貨等」という。)
四  取引所金融先物取引の期限
五  取引所金融先物取引の開始及び終了
六  取引所金融先物取引の停止
七  取引所金融先物取引の契約の締結及びその制限に関する事項
八  決済の方法
九  前各号に掲げる事項のほか、取引所金融先物取引に関し必要な事項



(取引証拠金等の預託)
第三十七条
 金融先物取引所(その金融先物市場における取引所金融先物取引(内閣総理大臣の定めるものを除く。以下この条において同じ。)の全部又は一部に関し、他の金融先物清算機関に金融先物債務引受業等(金融先物債務引受業及び第九十条の六第一項の業務をいう。以下同じ。)を行わせる旨を定款で定めた場合にあつては、当該取引所金融先物取引について金融先物債務引受業等を行う金融先物清算機関。第四項において同じ。)は、取引所金融先物取引について、内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者から、取引証拠金の預託を受けなければならない。
一  会員等が自己の計算において取引所金融先物取引を行う場合又は会員等がその受託した取引所金融先物取引を第三項の規定に基づき委託証拠金の預託を受けて行う場合 当該会員等
二  会員等がその受託した取引所金融先物取引(会員等に対する取引所金融先物取引の委託の取次ぎを引き受けた者(以下この条において「取次者」という。)から受託した当該取引所金融先物取引(以下この条において「取次金融先物取引」という。)を除く。以下この号において同じ。)を行う場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該取引所金融先物取引の委託者(会員等に対して取引所金融先物取引を委託した者であつて取次者でないものをいう。第三項において同じ。)
三  会員等が、次項の規定に基づき取次証拠金の預託を受けている取次者から受託した取次金融先物取引を行う場合(第一号に掲げる場合を除く。) 当該取次者
四  会員等が取次金融先物取引を行う場合(第一号及び前号に掲げる場合を除く。) 当該取次金融先物取引の委託の取次ぎの申込みをした者(以下この条において「申込者」という。)

2  取次者は、取引所金融先物取引の委託の取次ぎの引受けについて、内閣府令で定めるところにより、申込者をして、当該取次者に取次証拠金を預託させることができる。

3  会員等は、取引所金融先物取引の受託について、内閣府令で定めるところにより、委託者又は取次者(当該取引所金融先物取引が、前項の規定に基づく取次証拠金の預託を申込者から受けていない取次者から受託した取次金融先物取引である場合にあつては、申込者)をして、当該会員等に委託証拠金を預託させることができる。

4  金融先物取引所は、内閣府令で定めるところにより、第一項の規定に基づき預託を受けた取引証拠金を管理しなければならない。

5  第一項の取引証拠金、第二項の取次証拠金及び第三項の委託証拠金は、内閣府令で定めるところにより、有価証券その他内閣府令で定めるものをもつて充てることができる。



(取引の開始の届出)
第三十八条
 金融先物取引所は、取引対象通貨等の別に取引を行うことができることとなつた日後最初にその取引を開始したときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

(臨時の取引所金融先物取引の開始等の届出)
第三十九条
 金融先物取引所は、臨時に取引所金融先物取引の全部若しくは一部を開始し、若しくは終了し、又はその停止をし、若しくはその停止を解除したときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。



第四十条
 削除



(債務不履行による損害賠償)
第四十一条
 会員等が取引所金融先物取引に基づく債務の不履行により他の会員等、金融先物取引所又は金融先物清算機関(金融先物取引所の定款において定める金融先物清算機関に限る。以下この条において同じ。)に損害を与えたときは、その損害を受けた会員等、金融先物取引所又は金融先物清算機関は、その損害を与えた会員等の信認金及び取引証拠金(内閣府令で定めるものに限る。)について、他の債権者に先立つて弁済を受ける権利を有する。

2  第三十五条の四第三項の規定による取引所金融先物取引の委託者が優先弁済を受ける権利は、前項の規定にかかわらず、同項の信認金についての会員等、金融先物取引所又は金融先物清算機関の権利に対して優先する。



(総取引高及び成立した対価の額等の通知等)
第四十二条
 金融先物取引所は、内閣府令で定めるところにより、取引所金融先物取引について、その取引対象通貨等の期限別に、毎日の総取引高、毎日の最高、最低及び最終の成立した対価の額、約定数値その他の事項を速やかにその会員等に通知し、公表しなければならない。



(相場等の報告等)
第四十三条
 金融先物取引所は、内閣府令で定めるところにより、毎日の当該金融先物取引所の開設する金融先物市場における相場その他の事項を遅滞なく内閣総理大臣に報告しなければならない。

2  金融先物取引所は、当該金融先物取引所の開設する金融先物市場における一の会員等の自己の計算による取引所金融先物取引であつて決済を結了していないものの件数が内閣府令で定める件数を超えることとなつた場合その他当該金融先物市場における取引所金融先物取引の状況が内閣府令で定める要件に該当することとなつた場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に報告しなければならない。



(仮装取引等の禁止)
第四十四条
 何人も、取引所金融先物取引に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
一  仮装の取引所金融先物取引をすること。
二  自己のする取引所金融先物取引の申込みと同時期に、それと同一の対価の額又は約定数値において、当該取引所金融先物取引を成立させることのできる申込みを他人がすることをあらかじめその者と通謀の上、当該自己のする取引所金融先物取引の申込みをすること。
三  単独で又は他人と共同して、取引所金融先物取引を誘引する目的をもつて、当該取引所金融先物取引が繁盛であると誤解させるべき一連の取引所金融先物取引又は当該取引所金融先物取引の相場を変動させるべき一連の取引所金融先物取引をすること。
四  前三号に掲げる行為の委託又は受託をすること。
五  取引所金融先物取引を誘引する目的をもつて、当該取引所金融先物取引の相場が自己又は他人の市場操作によつて変動するべき旨を流布すること。



(無免許開設金融先物市場における取引の禁止)
第四十四条の二
 何人も、第三条の規定に違反して開設される金融先物市場において金融先物取引をしてはならない。



第四十四条の三
 何人も、銀行、証券取引法第二条第九項 に規定する証券会社その他の政令で定める者(金融先物取引所の会員等に限る。)が一方の当事者となる場合を除き、店頭金融先物取引をしてはならない。

2  第四十四条(第一号、第三号及び第五号に限る。)、第六十九条、第七十四条(第一号から第三号まで、第六号及び第七号に限る。)及び第九十一条の二の規定は、店頭金融先物取引について準用する。この場合において、第四十四条第三号中「取引所金融先物取引を誘引する目的をもつて、当該取引所金融先物取引が繁盛であると誤解させるべき一連の取引所金融先物取引又は当該取引所金融先物取引の相場を変動させるべき一連の取引所金融先物取引」とあるのは「店頭金融先物取引を誘引する目的をもつて、当該店頭金融先物取引が繁盛であると誤解させるべき一連の店頭金融先物取引又は取引所金融先物取引の相場を変動させるべき一連の店頭金融先物取引」と、同条第五号中「取引所金融先物取引を誘引する目的をもつて、当該取引所金融先物取引」とあるのは「店頭金融先物取引を誘引する目的をもつて、取引所金融先物取引」と、第六十九条第一項中「金融先物取引業者は、金融先物取引等の受託等を内容とする契約(以下この節及び第八十条において「受託契約」という。)」とあるのは「銀行、証券取引法第二条第九項 に規定する証券会社その他の政令で定める者(金融先物取引所の会員等に限る。)は、店頭金融先物取引に係る契約(以下「店頭金融先物取引契約」という。)」と、「受託契約」とあるのは「店頭金融先物取引契約」と、同条第二項 中「金融先物取引業者」とあるのは「銀行、証券取引法第二条第九項 に規定する証券会社その他の政令で定める者(金融先物取引所の会員等に限る。)」と、第七十四条中「金融先物取引業者」とあるのは「銀行、証券取引法第二条第九項 に規定する証券会社その他の政令で定める者(金融先物取引所の会員等に限る。)」と、同条第一号 から第三号 までの規定中「受託契約」とあるのは「店頭金融先物取引契約」と、同条第六号 中「受託契約に基づく委託者の計算に属する金銭、有価証券その他の財産又は委託証拠金その他の保証金」とあるのは「店頭金融先物取引契約に基づく顧客の計算に属する金銭」と、同条第七号 中「金融先物取引等の受託等」とあるのは「店頭金融先物取引」と、「委託者」とあるのは「顧客」と、第九十一条の二中「金融先物取引等の受託等」とあるのは「店頭金融先物取引契約の締結」と読み替えるものとする。



(会員等の取引の制限)
第四十五条
 内閣総理大臣は、金融先物取引所が開設する金融先物市場において、過当な件数の取引が行われ若しくは行われるおそれがあり、又は不当な相場が形成され若しくは形成されるおそれがある場合において、当該金融先物市場における秩序を維持し、かつ、公益又は委託者の保護のため必要があると認めるときは、会員等に対し、取引所金融先物取引又はその受託を制限することができる。



(取引所金融先物取引の停止の場合の残務の結了)
第四十六条
 第三十五条の五の規定は、会員等の取引所金融先物取引がこの法律又は金融先物取引所の定款の定めるところにより停止された場合について準用する。





    第四節 取引所金融先物取引の受託





(受託契約準則及びその記載事項)
第四十七条
 会員等は、取引所金融先物取引の受託については、金融先物取引所の定める受託契約準則によらなければならない。

2  金融先物取引所は、その受託契約準則において、次に掲げる事項に関する細則を定めなければならない。
一  取引所金融先物取引の受託の条件
二  決済の方法
三  委託証拠金の料率及び預託の方法
四  前各号に掲げる事項のほか取引所金融先物取引の受託に関し必要な事項



第四十八条
 削除





    第五節 金融先物取引所の解散等





(免許の失効)
第四十八条の二
 金融先物取引所が次の各号のいずれかに該当するときは、第三条の免許は、効力を失う。
一  取引参加者の数が十人未満となつたとき(株式会社金融先物取引所の場合に限る。)。
二  金融先物市場を閉鎖したとき。
三  解散したとき。
四  設立、合併(当該合併により設立される者が株式会社金融先物取引所であるものに限る。)又は新設分割(当該新設分割により設立された者が当該金融先物取引所であるものに限る。)を無効とする判決が確定したとき。
五  免許を受けた日から六月以内に金融先物市場を開設しなかつたとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた場合を除く。)。

2  前項第一号又は第四号の規定により免許が失効したときは、その代表者又は代表者であつた者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。



(解散の認可)
第四十九条
 金融先物取引所の解散に関する総会の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2  金融先物取引所が次に掲げる事由により解散したときは、その代表者であつた者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  定款に定める事由の発生
二  会員の数が十人未満となつたこと。
三  解散を命ずる裁判



第五十条
 削除





    第六節 監督





(免許の取消し)
第五十一条
 内閣総理大臣は、金融先物取引所がその免許を受けた当時第五条第二項各号のいずれかに該当していたことを発見したときは、その免許を取り消すことができる。



(定款等の変更の認可等)
第五十一条の二
 定款、業務規程又は受託契約準則の変更は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2  金融先物取引所は、第四条第一項第二号から第四号までに掲げる事項について変更があつたときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。金融先物取引所の規則(定款、業務規程及び受託契約準則並びに第九十条の二十一第一項の承認を受けて行う金融先物債務引受業に係る業務方法書を除く。)の作成、変更又は廃止があつたときも、同様とする。



(立入検査等)
第五十二条
 内閣総理大臣は、公益又は委託者の保護のため必要があると認めるときは、金融先物取引所、その子会社(第九条の二第二項に規定する子会社をいう。以下この項において同じ。)若しくはその会員等に対し、金融先物取引所若しくは会員等の業務若しくは財産に関して報告若しくは資料(当該子会社にあつては、当該金融先物取引所の業務又は財産に関する報告又は資料に限る。)の提出を命じ、又は当該職員に、金融先物取引所若しくはその子会社の営業所若しくは事務所若しくはその会員等の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入り、金融先物取引所、その子会社若しくは会員等の業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該子会社にあつては、当該金融先物取引所の業務又は財産に関し必要な検査に限る。)をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。

2  第三十四条の二十の三第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査又は質問について準用する。



(金融先物取引所等に対する監督上の処分)
第五十三条
 内閣総理大臣は、金融先物取引所が次の各号のいずれかに該当する場合において、公益又は委託者の保護のため必要かつ適当であると認めるときは、当該金融先物取引所に対し、当該各号に定める処分をすることができる。
一  この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分(以下この条及び次条において「この法律等」という。)若しくは定款その他の規則に違反したとき、又は会員等がこの法律等若しくは当該金融先物取引所の定款、業務規程、受託契約準則その他の規則(以下この号において「定款等」という。)に違反し、若しくは定款その他の規則に定める取引の信義則に背反する行為をしたにもかかわらず、当該会員等に対しこの法律等、当該定款等若しくは当該取引の信義則を遵守させるために、この法律等若しくは定款その他の規則により認められた権能の行使その他必要な措置をすることを怠つたとき。 第三条の免許を取り消し、一年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、その業務の変更を命じ、その役員の解任を命じ、又は定款その他の規則に定める必要な措置をすることを命ずること。
二  正当な理由がないのに、金融先物市場を開設することができることとなつた日から三月以内に金融先物市場を開設しないとき、取引対象通貨等について取引所金融先物取引を行うことができることとなつた日から三月以内に取引所金融先物取引を開始しないとき、又は引き続き三月以上取引対象通貨等の全部若しくは一部について取引所金融先物取引を停止したとき。 第三条の免許若しくは定款若しくは業務規程の変更の認可を取り消し、又は定款若しくは業務規程の変更を命ずること。
三  金融先物取引所の行為又はその開設する金融先物市場における取引所金融先物取引の状況が公益又は委託者の保護のため有害であると認めるとき。 三月以内の期間を定めてその業務の全部又は一部の停止を命ずること。

2  内閣総理大臣は、不正の手段により役員となつた者のあることを発見したとき、又は役員がこの法律等若しくは定款に違反したときは、金融先物取引所に対し当該役員の解任を命ずることができる。



(会員等及び会員等の役員等に対する監督上の処分)
第五十四条
 内閣総理大臣は、会員等がこの法律等に違反したときは、金融先物取引所に対し当該会員等を除名(取引参加者にあつては、取引資格の取消し)をし、又は六月以内の期間を定めて当該会員等の取引所金融先物取引を停止することを命ずることができる。

2  内閣総理大臣は、会員等の役員(外国法人にあつては、国内における営業所若しくは事務所に駐在する役員又は国内における代表者。以下この項において同じ。)がこの法律等に違反する行為をしたときは、当該会員等に対し当該役員の解任を命ずることができる。



(業務改善命令)
第五十五条
 内閣総理大臣は、金融先物取引所に対し、当該金融先物取引所の定款、業務規程、受託契約準則その他の規則若しくは取引の慣行又は業務の運営若しくは財産の状況に関し、公益又は委託者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、定款、業務規程、受託契約準則その他の規則若しくは取引の慣行の変更その他監督上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。


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