消費税法

 

 

 

 



     第一章  総則
     第二章  課税標準及び税率
     第三章  税額控除等
     第四章  申告、納付、還付等
     第五章  雑則
     第六章  罰則
     附  則











   第一章 総則





(趣旨)
第一条
 この法律は、消費税について、課税の対象、納税義務者、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。



(定義)
第二条
 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  国内 この法律の施行地をいう。
二  保税地域 関税法 (昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条 (保税地域の種類)に規定する保税地域をいう。
三  個人事業者 事業を行う個人をいう。
四  事業者 個人事業者及び法人をいう。
五  合併法人 合併後存続する法人又は合併により設立された法人をいう。
五の二  被合併法人 合併により消滅した法人をいう。
六  分割法人 分割をした法人をいう。
六の二  分割承継法人 分割により分割法人の営業を承継した法人をいう。
七  人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。
八  資産の譲渡等 事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供(代物弁済による資産の譲渡その他対価を得て行われる資産の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供に類する行為として政令で定めるものを含む。)をいう。
九  課税資産の譲渡等 資産の譲渡等のうち、第六条第一項の規定により消費税を課さないこととされるもの以外のものをいう。
十  外国貨物 関税法第二条第一項第三号 (定義)に規定する外国貨物をいう。
十一  課税貨物 保税地域から引き取られる外国貨物(関税法第三条 (課税物件)に規定する信書を除く。第四条において同じ。)のうち、第六条第二項の規定により消費税を課さないこととされるもの以外のものをいう。
十二  課税仕入れ 事業者が、事業として他の者から資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供(所得税法 (昭和四十年法律第三十三号)第二十八条第一項 (給与所得)に規定する給与等を対価とする役務の提供を除く。)を受けること(当該他の者が事業として当該資産を譲り渡し、若しくは貸し付け、又は当該役務の提供をしたとした場合に課税資産の譲渡等に該当することとなるもので、第七条第一項各号に掲げる資産の譲渡等に該当するもの及び第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるもの以外のものに限る。)をいう。
十三  事業年度 法人税法 (昭和四十年法律第三十四号)第十三条 及び第十四条 (事業年度)に規定する事業年度(国、地方公共団体その他これらの条の規定の適用を受けない法人については、政令で定める一定の期間)をいう。
十四  基準期間 個人事業者についてはその年の前々年をいい、法人についてはその事業年度の前々事業年度(当該前々事業年度が一年未満である法人については、その事業年度開始の日の二年前の日の前日から同日以後一年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間)をいう。
十五  棚卸資産 商品、製品、半製品、仕掛品、原材料その他の資産で政令で定めるものをいう。
十六  調整対象固定資産 建物、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産でその価額が少額でないものとして政令で定めるものをいう。
十七  確定申告書等 第四十五条第一項の規定による申告書(当該申告書に係る国税通則法 (昭和三十七年法律第六十六号)第十八条第二項 (期限後申告)に規定する期限後申告書を含む。)及び第四十六条第一項の規定による申告書をいう。
十八  特例申告書 第四十七条第一項の規定による申告書(同条第三項の場合に限るものとし、当該申告書に係る国税通則法第十八条第二項 に規定する期限後申告書を含む。)をいう。
十九  附帯税 国税通則法第二条第四号 (定義)に規定する附帯税をいう。
二十  中間納付額 第四十八条の規定により納付すべき消費税の額(その額につき国税通則法第十九条第三項 (修正申告)に規定する修正申告書の提出又は同法第二十四条 (更正)若しくは第二十六条 (再更正)の規定による更正があつた場合には、その申告又は更正後の消費税の額)をいう。

2  この法律において、「資産の貸付け」には、資産に係る権利の設定その他他の者に資産を使用させる一切の行為を含むものとする。

3  この法律において、「資産の借受け」には、資産に係る権利の設定その他他の者の資産を使用する一切の行為を含むものとする。

4  この法律において、「相続」には包括遺贈を含むものとし、「相続人」には包括受遺者を含むものとし、「被相続人」には包括遺贈者を含むものとする。



(人格のない社団等に対するこの法律の適用)
第三条
 人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第十二条の二及び別表第三を除く。)の規定を適用する。



(課税の対象)
第四条
 国内において事業者が行つた資産の譲渡等には、この法律により、消費税を課する。

2  保税地域から引き取られる外国貨物には、この法律により、消費税を課する。

3  資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める場所が国内にあるかどうかにより行うものとする。
一  資産の譲渡又は貸付けである場合 当該譲渡又は貸付けが行われる時において当該資産が所在していた場所(当該資産が船舶、航空機、鉱業権、特許権、著作権、国債証券、株券その他の政令で定めるものである場合には、政令で定める場所)
二  役務の提供である場合 当該役務の提供が行われた場所(当該役務の提供が運輸、通信その他国内及び国内以外の地域にわたつて行われるものである場合その他の政令で定めるものである場合には、政令で定める場所)

4  次に掲げる行為は、事業として対価を得て行われた資産の譲渡とみなす。
一  個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のために消費し、又は使用した場合における当該消費又は使用
二  法人が資産をその役員(法人税法第二条第十五号 (定義)に規定する役員をいう。)に対して贈与した場合における当該贈与

5  保税地域において外国貨物が消費され、又は使用された場合には、その消費又は使用をした者がその消費又は使用の時に当該外国貨物をその保税地域から引き取るものとみなす。ただし、当該外国貨物が課税貨物の原料又は材料として消費され、又は使用された場合その他政令で定める場合は、この限りでない。

6  前三項に定めるもののほか、課税の対象の細目に関し必要な事項は、政令で定める。



(納税義務者)
第五条
 事業者は、国内において行つた課税資産の譲渡等につき、この法律により、消費税を納める義務がある。

2  外国貨物を保税地域から引き取る者は、課税貨物につき、この法律により、消費税を納める義務がある。



(非課税)
第六条
 国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第一に掲げるものには、消費税を課さない。

2  保税地域から引き取られる外国貨物のうち、別表第二に掲げるものには、消費税を課さない。



(輸出免税等)
第七条
 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が国内において行う課税資産の譲渡等のうち、次に掲げるものに該当するものについては、消費税を免除する。
一  本邦からの輸出として行われる資産の譲渡又は貸付け
二  外国貨物の譲渡又は貸付け(前号に掲げる資産の譲渡又は貸付けに該当するもの及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律 (昭和三十年法律第三十七号)第八条第一項第二号 (公売又は売却等の場合における内国消費税の徴収)に掲げる場合に該当することとなつた外国貨物の譲渡を除く。)
三  国内及び国内以外の地域にわたつて行われる旅客若しくは貨物の輸送又は通信
四  専ら前号に規定する輸送の用に供される船舶又は航空機の譲渡若しくは貸付け又は修理で政令で定めるもの
五  前各号に掲げる資産の譲渡等に類するものとして政令で定めるもの

2  前項の規定は、その課税資産の譲渡等が同項各号に掲げる資産の譲渡等に該当するものであることにつき、財務省令で定めるところにより証明がされたものでない場合には、適用しない。



(輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税)
第八条
 輸出物品販売場を経営する事業者が、外国為替及び外国貿易法 (昭和二十四年法律第二百二十八号)第六条第一項第六号 (定義)に規定する非居住者(以下この条において「非居住者」という。)に対し、政令で定める物品で輸出するため政令で定める方法により購入されるものの譲渡(第六条第一項の規定により消費税を課さないこととされるものを除く。)を行つた場合(政令で定める場合にあつては、当該物品の譲渡に係る第二十八条第一項に規定する対価の額の合計額が少額なものとして政令で定める金額を超えるときに限る。)には、当該物品の譲渡については、消費税を免除する。

2  前項の規定は、同項の譲渡をした輸出物品販売場を経営する事業者が、当該物品が非居住者によつて同項に規定する方法により購入されたことを証する書類を保存しない場合には、適用しない。ただし、既に次項本文若しくは第五項本文の規定の適用があつた場合又は災害その他やむを得ない事情により当該書類を保存することができなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。

3  輸出物品販売場において第一項に規定する物品を同項に規定する方法により購入した非居住者が、本邦から出国する日(その者が居住者(外国為替及び外国貿易法第六条第一項第五号に規定する居住者をいう。以下この項において同じ。)となる場合には、当該居住者となる日)までに当該物品を輸出しないときは、その出港地を所轄する税関長(その者が居住者となる場合には、そのなる時におけるその者の住所又は居所の所在地を所轄する税務署長。以下この項において同じ。)は、その者が当該物品を災害その他やむを得ない事情により亡失したため輸出しないことにつき当該税関長の承認を受けた場合を除き、その者から当該物品の譲渡についての第一項の規定による免除に係る消費税額に相当する消費税を直ちに徴収する。ただし、既に前項本文に規定する場合に該当する事実が生じている場合又は第五項本文の規定の適用があつた場合は、この限りでない。

4  第一項に規定する物品で、非居住者が輸出物品販売場において同項に規定する方法により購入したものは、国内において譲渡又は譲受け(これらの委託を受け、若しくは媒介のため当該物品を所持し、又は譲渡のためその委託を受けた者若しくは媒介をする者に所持させることを含む。以下この項及び次項において同じ。)をしてはならない。ただし、当該物品の譲渡又は譲受けをすることにつきやむを得ない事情がある場合において、当該物品の所在場所を所轄する税務署長の承認を受けたときは、この限りでない。

5  国内において前項に規定する物品の譲渡又は譲受けがされたときは、税務署長は、同項ただし書の承認を受けた者があるときはその者から、当該承認を受けないで当該譲渡又は譲受けがされたときは当該物品を譲り渡した者(同項本文に規定する所持をさせた者を含むものとし、これらの者が判明しない場合には、当該物品を譲り受けた者又は当該所持をした者とする。)から当該物品の譲渡についての第一項の規定による免除に係る消費税額に相当する消費税を直ちに徴収する。ただし、既に第二項本文に規定する場合に該当する事実が生じている場合又は第三項本文の規定の適用があつた場合は、この限りでない。

6  第一項から第四項までに規定する輸出物品販売場とは、第一項の規定の適用を受けるため、事業者が経営する販売場で、次条第一項本文の規定の適用を受けない場合において非居住者に対し第一項に規定する物品で同項に規定する方法により購入されるものの譲渡をすることができるものとして、当該事業者の納税地を所轄する税務署長の許可を受けた販売場をいう。

7  税務署長は、前項に規定する輸出物品販売場を経営する事業者が消費税に関する法令の規定に違反した場合又は同項に規定する輸出物品販売場として施設その他の状況が特に不適当と認められる場合には、当該輸出物品販売場に係る同項の許可を取り消すことができる。



(小規模事業者に係る納税義務の免除)
第九条
 事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等につき、消費税を納める義務を免除する。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

2  前項に規定する基準期間における課税売上高とは、次の各号に掲げる事業者の区分に応じ当該各号に定める金額をいう。
一  個人事業者及び基準期間が一年である法人 基準期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等の対価の額(第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。以下この項及び第十一条第四項において同じ。)の合計額から、イに掲げる金額からロに掲げる金額を控除した金額の合計額(以下この項及び第十一条第四項において「売上げに係る税抜対価の返還等の金額の合計額」という。)を控除した残額
イ 基準期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額
ロ 基準期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額に百分の百二十五を乗じて算出した金額
二  基準期間が一年でない法人 基準期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等の対価の額の合計額から当該基準期間における売上げに係る税抜対価の返還等の金額の合計額を控除した残額を当該法人の当該基準期間に含まれる事業年度の月数の合計数で除し、これに十二を乗じて計算した金額

3  前項第二号の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。

4  第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除されることとなる事業者が、その基準期間における課税売上高(同項に規定する基準期間における課税売上高をいう。第十一条第四項及び第十二条第三項を除き、以下この章において同じ。)が千万円以下である課税期間につき、第一項本文の規定の適用を受けない旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出した場合には、当該提出をした事業者が当該提出をした日の属する課税期間の翌課税期間(当該提出をした日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間その他の政令で定める課税期間である場合には、当該課税期間)以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が千万円を超える課税期間を除く。)中に国内において行う課税資産の譲渡等については、同項本文の規定は、適用しない。

5  前項の規定による届出書を提出した事業者は、同項の規定の適用を受けることをやめようとするとき又は事業を廃止したときは、その旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。

6  前項の場合において、第四項の規定による届出書を提出した事業者は、事業を廃止した場合を除き、同項に規定する翌課税期間の初日から二年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、同項の規定の適用を受けることをやめようとする旨を記載した届出書を提出することができない。

7  第五項の規定による届出書の提出があつたときは、その提出があつた日の属する課税期間の末日の翌日以後は、第四項の規定による届出は、その効力を失う。

8  やむを得ない事情があるため第四項又は第五項の規定による届出書を第四項の規定の適用を受けようとし、又は受けることをやめようとする課税期間の初日の前日までに提出できなかつた場合における同項又は前項の規定の適用の特例については、政令で定める。



(相続があつた場合の納税義務の免除の特例)
第十条
 その年において相続があつた場合において、その年の基準期間における課税売上高が三千万円以下である相続人(前条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されない相続人を除く。以下この項及び次項において同じ。)が、当該基準期間における課税売上高が三千万円を超える被相続人の事業を承継したときは、当該相続人の当該相続のあつた日の翌日からその年十二月三十一日までの間における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。

2  その年の前年又は前々年において相続により被相続人の事業を承継した相続人のその年の基準期間における課税売上高が三千万円以下である場合において、当該相続人の当該基準期間における課税売上高と当該相続に係る被相続人の当該基準期間における課税売上高との合計額が三千万円を超えるときは、当該相続人のその年における課税資産の譲渡等については、前条第一項本文の規定は、適用しない。

3  相続により、二以上の事業場を有する被相続人の事業を二以上の相続人が当該二以上の事業場を事業場ごとに分割して承継した場合の被相続人の基準期間における課税売上高の計算その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。



(合併があつた場合の納税義務の免除の特例)
第十一条
 合併(合併により法人を設立する場合を除く。以下この項及び次項において同じ。)があつた場合において、被合併法人の合併法人の当該合併があつた日の属する事業年度の基準期間に対応する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額(被合併法人が二以上ある場合には、いずれかの被合併法人に係る当該金額)が三千万円を超えるときは、当該合併法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)の当該事業年度(その基準期間における課税売上高が三千万円以下である事業年度に限る。)の当該合併があつた日から当該合併があつた日の属する事業年度終了の日までの間における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。

2  合併法人の当該事業年度の基準期間の初日の翌日から当該事業年度開始の日の前日までの間に合併があつた場合において、当該合併法人の当該事業年度の基準期間における課税売上高と被合併法人の当該合併法人の当該事業年度の基準期間に対応する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額(被合併法人が二以上ある場合には、各被合併法人に係る当該金額の合計額)との合計額が三千万円を超えるときは、当該合併法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)の当該事業年度(その基準期間における課税売上高が三千万円以下である事業年度に限る。)における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。

3  合併(合併により法人を設立する場合に限る。以下この項及び次項において同じ。)があつた場合において、被合併法人の合併法人の当該合併があつた日の属する事業年度の基準期間に対応する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額のいずれかが三千万円を超えるときは、当該合併法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)の当該合併があつた日の属する事業年度における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。

4  合併法人の当該事業年度開始の日の二年前の日から当該事業年度開始の日の前日までの間に合併があつた場合において、当該合併法人の当該事業年度の基準期間における課税売上高(事業年度の基準期間中の国内における課税資産の譲渡等の対価の額の合計額から事業年度の基準期間における売上げに係る税抜対価の返還等の金額の合計額を控除した残額をいう。以下この項において同じ。)と各被合併法人の当該合併法人の当該事業年度の基準期間に対応する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額の合計額との合計額(当該合併法人の当該事業年度の基準期間における課税売上高がない場合その他政令で定める場合には、政令で定める金額)が三千万円を超えるときは、当該合併法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)の当該事業年度(その同条第一項に規定する基準期間における課税売上高が三千万円以下である事業年度に限る。)における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。



(分割等があつた場合の納税義務の免除の特例)
第十二条
 分割等があつた場合において、当該分割等を行つた法人(以下この項から第四項までにおいて「新設分割親法人」という。)の当該分割等により設立された、又は資産の譲渡を受けた法人(以下この項から第四項までにおいて「新設分割子法人」という。)の分割等があつた日の属する事業年度の基準期間に対応する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額(新設分割親法人が二以上ある場合には、いずれかの新設分割親法人に係る当該金額)が三千万円を超えるときは、当該新設分割子法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)の当該分割等があつた日から当該分割等があつた日の属する事業年度終了の日までの間における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。

2  新設分割子法人の当該事業年度開始の日の一年前の日の前日から当該事業年度開始の日の前日までの間に分割等があつた場合において、新設分割親法人の当該新設分割子法人の当該事業年度の基準期間に対応する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額(新設分割親法人が二以上ある場合には、いずれかの新設分割親法人に係る当該金額)が三千万円を超えるときは、当該新設分割子法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)の当該事業年度における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。

3  新設分割子法人の当該事業年度開始の日の一年前の日の前々日以前に分割等(新設分割親法人が二以上ある場合のものを除く。次項において同じ。)があつた場合において、当該事業年度の基準期間の末日において当該新設分割子法人が特定要件(新設分割子法人の発行済株式の総数又は出資金額(その新設分割子法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の百分の五十を超える数の株式又は出資の金額が新設分割親法人及び当該新設分割親法人と政令で定める特殊な関係にある者の所有に属することをいう。次項において同じ。)に該当し、かつ、当該新設分割子法人の当該事業年度の基準期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額と当該新設分割親法人の当該新設分割子法人の当該事業年度の基準期間に対応する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額との合計額が千万円を超えるときは、当該新設分割子法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)の当該事業年度(その同条第一項に規定する基準期間における課税売上高が千万円以下である事業年度に限る。)における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。

4  新設分割親法人の当該事業年度開始の日の一年前の日の前々日以前に分割等があつた場合において、当該事業年度の基準期間の末日において新設分割子法人が特定要件に該当し、かつ、当該新設分割親法人の当該事業年度の基準期間における課税売上高と当該新設分割子法人の当該新設分割親法人の当該事業年度の基準期間に対応する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額との合計額が千万円を超えるときは、当該新設分割親法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)の当該事業年度(その基準期間における課税売上高が千万円以下である事業年度に限る。)における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。

5  吸収分割があつた場合において、分割法人の分割承継法人の吸収分割があつた日の属する事業年度の基準期間に対応する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額(分割法人が二以上ある場合には、いずれかの分割法人に係る当該金額)が千万円を超えるときは、当該分割承継法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)の当該吸収分割があつた日の属する事業年度(その基準期間における課税売上高が千万円以下である事業年度に限る。)の当該吸収分割があつた日から当該吸収分割があつた日の属する事業年度終了の日までの間における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。

6  分割承継法人の当該事業年度開始の日の一年前の日の前日から当該事業年度開始の日の前日までの間に吸収分割があつた場合において、分割法人の当該分割承継法人の当該事業年度の基準期間に対応する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額(分割法人が二以上ある場合には、いずれかの分割法人に係る当該金額)が千万円を超えるときは、当該分割承継法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)の当該事業年度(その基準期間における課税売上高が千万円以下である事業年度に限る。)における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。

7  第一項から第四項までに規定する分割等とは、次に掲げるものをいう。
一  新設分割
二  法人が新たな法人を設立するためその有する金銭以外の資産の出資(その新たな法人の設立の時において当該資産の出資その他当該設立のための出資により発行済株式の総数又は出資金額の全部をその法人が有することとなるものに限る。)をし、その出資により新たに設立する法人に事業の全部又は一部を引き継ぐ場合における当該新たな法人の設立
三  法人が新たな法人を設立するため金銭の出資をし、当該新たな法人と商法 (明治三十二年法律第四十八号)第二百四十六条第一項 (事後設立)に規定する契約又は有限会社法 (昭和十三年法律第七十四号)第四十条第三項 (事後設立)に規定する契約を締結した場合における当該契約に基づく金銭以外の資産の譲渡のうち、当該新たな法人の設立の時において発行済株式の総数又は出資金額の全部をその法人が有している場合であることその他政令で定める要件に該当するもの



(基準期間がない法人の納税義務の免除の特例)
第十二条の二
 その事業年度の基準期間がない法人(社会福祉法 (昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条 (定義)に規定する社会福祉法人その他の専ら別表第一に掲げる資産の譲渡等を行うことを目的として設立された法人で政令で定めるものを除く。)のうち、当該事業年度開始の日における資本又は出資の金額が千万円以上である法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されない法人を除く。以下この条において「新設法人」という。)については、当該新設法人の基準期間がない事業年度(第十一条第三項若しくは第四項又は前条第一項若しくは第二項の規定により消費税を納める義務が免除されないこととなる事業年度を除く。)における課税資産の譲渡等については、第九条第一項本文の規定は、適用しない。



(資産の譲渡等を行つた者の実質判定)
第十三条
 法律上資産の譲渡等を行つたとみられる者が単なる名義人であつて、その資産の譲渡等に係る対価を享受せず、その者以外の者がその資産の譲渡等に係る対価を享受する場合には、当該資産の譲渡等は、当該対価を享受する者が行つたものとして、この法律の規定を適用する。



(信託財産に係る資産の譲渡等の帰属)
第十四条
 信託財産に属する資産に係る資産の譲渡等については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者がその信託財産を有するものとみなして、この法律の規定を適用する。ただし、合同運用信託、投資信託、特定目的信託、法人税法第三十七条第六項 (寄附金の損金不算入)に規定する特定公益信託、社債等の振替に関する法律 (平成十三年法律第七十五号)第二条第十一項 (定義)に規定する加入者保護信託又は法人税法第八十四条第一項 (退職年金等積立金の額の計算)に規定する厚生年金基金契約、確定給付年金資産管理運用契約、確定給付年金基金資産運用契約、確定拠出年金資産管理契約、勤労者財産形成給付契約若しくは勤労者財産形成基金給付契約、国民年金基金若しくは国民年金基金連合会の締結した国民年金法 (昭和三十四年法律第百四十一号)第百二十八条第三項 (基金の業務)若しくは第百三十七条の十五第四項 (連合会の業務)に規定する契約若しくはこれらに類する退職年金に関する契約で政令で定めるものに係る信託の信託財産に属する資産に係る資産の譲渡等については、この限りでない。
一  受益者が特定している場合 その受益者
二  受益者が特定していない場合又は存在していない場合 その信託財産に係る信託の委託者

2  前項に規定する合同運用信託とは、信託会社(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)により同法第一条第一項(兼営の認可)に規定する信託業務を営む同項に規定する金融機関を含む。)が引き受けた金銭信託で、共同しない多数の委託者の信託財産を合同して運用するもの(投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第二項 (定義)に規定する委託者非指図型投資信託及びこれに類する外国投資信託(同条第二十八項に規定する外国投資信託をいう。以下この項において同じ。)を除く。)をいい、前項に規定する投資信託とは、同条第三項に規定する投資信託及び外国投資信託をいい、前項に規定する特定目的信託とは、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第十三項 (定義)に規定する特定目的信託をいう。

3  第一項の場合において、受益者が特定しているかどうか又は存在しているかどうかの判定は、同項に規定する信託財産に属する資産に係る資産の譲渡等が行われた時の現況による。



第十五条
 削除



(長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例)
第十六条
 事業者が所得税法第六十五条第一項 (延払条件付販売等に係る収入及び費用の帰属時期)に規定する延払条件付販売等又は法人税法第六十三条第一項(長期割賦販売等に係る収益及び費用の帰属事業年度)に規定する長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等(以下この条において「長期割賦販売等」という。)を行つた場合において、当該事業者がこれらの規定の適用を受けるため当該長期割賦販売等に係る対価の額につきこれらの規定に規定する延払基準の方法により経理することとしているときは、当該長期割賦販売等のうち当該長期割賦販売等に係る賦払金の額で当該長期割賦販売等をした日の属する課税期間においてその支払の期日が到来しないもの(当該課税期間において支払を受けたものを除く。)に係る部分については、当該事業者が当該課税期間において資産の譲渡等を行わなかつたものとみなして、当該部分に係る対価の額を当該課税期間における当該長期割賦販売等に係る対価の額から控除することができる。

2  前項の規定により長期割賦販売等をした日の属する課税期間において資産の譲渡等を行わなかつたものとみなされた部分は、政令で定めるところにより、当該事業者が当該長期割賦販売等に係る賦払金の支払の期日の属する各課税期間においてそれぞれ当該賦払金に係る部分の資産の譲渡等を行つたものとみなす。ただし、所得税法第六十五条第一項 ただし書又は法人税法第六十三条第一項 ただし書に規定する場合に該当することとなつた場合は、所得税法第六十五条第一項 ただし書に規定する経理しなかつた年の十二月三十一日の属する課税期間以後の課税期間又は法人税法第六十三条第一項 ただし書に規定する経理しなかつた決算に係る事業年度終了の日の属する課税期間以後の課税期間若しくは同条第二項 の規定の適用を受けた事業年度終了の日の属する課税期間以後の課税期間については、この限りでない。

3  第一項又は前項本文の規定の適用を受けようとする事業者は、第四十五条第一項の規定による申告書(当該申告書に係る国税通則法第十八条第二項(期限後申告)に規定する期限後申告書を含む。次条第四項及び第十八条第二項において同じ。)にその旨を付記するものとする。

4  前項に定めるもののほか、第一項の規定の適用を受ける個人事業者が死亡した場合、同項の規定の適用を受ける法人が合併により消滅した場合若しくは同項の規定の適用を受ける法人が分割により長期割賦販売等に係る事業を分割承継法人に承継させた場合又は同項の規定の適用を受ける事業者が第九条第一項本文の規定の適用を受けることとなつた場合における長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例その他第一項又は第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

5  個人事業者が、所得税法第百三十二条第一項 (延払条件付譲渡に係る所得税額の延納)に規定する山林所得又は譲渡所得の基因となる資産の延払条件付譲渡をした場合の資産の譲渡等の時期の特例については、前各項の規定に準じて、政令で定める。



(工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例)
第十七条
 事業者が所得税法第六十六条第一項 (工事の請負に係る収入及び費用の帰属時期)又は法人税法第六十四条第一項 (工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度)に規定する長期大規模工事(以下この条において「長期大規模工事」という。)の請負に係る契約に基づき資産の譲渡等を行う場合には、当該長期大規模工事の目的物のうちこれらの規定に規定する工事進行基準の方法により計算した収入金額又は収益の額に係る部分については、当該事業者は、これらの規定によりその収入金額が総収入金額に算入されたそれぞれの年の十二月三十一日の属する課税期間又はその収益の額が益金の額に算入されたそれぞれの事業年度終了の日の属する課税期間において、資産の譲渡等を行つたものとすることができる。

2  事業者が所得税法第六十六条第二項 又は法人税法第六十四条第二項 に規定する工事(以下この条において「工事」という。)の請負に係る契約に基づき資産の譲渡等を行う場合において、当該事業者がこれらの規定の適用を受けるためその工事の請負(損失が生ずると見込まれるものを除く。)に係る対価の額につきこれらの規定に規定する工事進行基準の方法により経理することとしているときは、当該工事の目的物のうち当該方法により経理した収入金額又は収益の額に係る部分については、当該事業者は、これらの規定によりその収入金額が総収入金額に算入されたそれぞれの年の十二月三十一日の属する課税期間又はその収益の額が益金の額に算入されたそれぞれの事業年度終了の日の属する課税期間において、資産の譲渡等を行つたものとすることができる。ただし、所得税法第六十六条第二項ただし書又は法人税法第六十四条第二項 ただし書に規定する場合に該当することとなつた場合は、所得税法第六十六条第二項第一号に規定する経理しなかつた年若しくは同項第二号 に規定する事由が生じた日の属する年の十二月三十一日の属する課税期間以後の課税期間又は法人税法第六十四条第二項第一号に規定する経理しなかつた決算に係る事業年度若しくは同項第二号 に規定する事由が生じた日の属する事業年度終了の日の属する課税期間以後の課税期間については、この限りでない。

3  第一項又は前項本文の規定の適用を受けた事業者が第一項の長期大規模工事又は前項の工事の目的物の引渡しを行つた場合には、当該長期大規模工事又は工事の請負に係る資産の譲渡等のうち、その着手の日の属する課税期間から当該引渡しの日の属する課税期間の直前の課税期間までの各課税期間においてこれらの規定により資産の譲渡等を行つたものとされた部分については、同日の属する課税期間においては資産の譲渡等がなかつたものとして、当該部分に係る対価の額の合計額を当該長期大規模工事又は工事の請負に係る対価の額から控除する。

4  前三項の規定の適用を受けようとする事業者は、第四十五条第一項の規定による申告書にその旨を付記するものとする。

5  前項に定めるもののほか、第一項若しくは第二項の規定の適用を受ける個人事業者が死亡した場合、これらの規定の適用を受ける法人が合併により消滅した場合又はこれらの規定の適用を受ける法人が分割により長期大規模工事若しくは工事に係る事業を分割承継法人に承継させた場合における長期大規模工事又は工事に係る資産の譲渡等の時期の特例その他第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。



(小規模事業者に係る資産の譲渡等の時期等の特例)
第十八条
 個人事業者で所得税法第六十七条 (小規模事業者の収入及び費用の帰属時期)の規定の適用を受ける者の資産の譲渡等及び課税仕入れを行つた時期は、その資産の譲渡等に係る対価の額を収入した日及びその課税仕入れに係る費用の額を支出した日とすることができる。

2  前項の規定の適用を受けようとする事業者は、第四十五条第一項の規定による申告書にその旨を付記するものとする。

3  前項に定めるもののほか、第一項の規定の適用を受ける個人事業者がその適用を受けないこととなつた場合の資産の譲渡等及び課税仕入れを行つた時期の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。



(課税期間)
第十九条
 この法律において「課税期間」とは、次の各号に掲げる事業者の区分に応じ当該各号に定める期間とする。
一  個人事業者(第三号又は第三号の二に掲げる個人事業者を除く。) 一月一日から十二月三十一日までの期間
二  法人(第四号又は第四号の二に掲げる法人を除く。) 事業年度
三  第一号に定める期間を三月ごとの期間に短縮すること又は次号に定める各期間を三月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出した個人事業者 一月一日から三月三十一日まで、四月一日から六月三十日まで、七月一日から九月三十日まで及び十月一日から十二月三十一日までの各期間
三の二  第一号に定める期間を一月ごとの期間に短縮すること又は前号に定める各期間を一月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出した個人事業者 一月一日以後一月ごとに区分した各期間
四  その事業年度が三月を超える法人で第二号に定める期間を三月ごとの期間に短縮すること又は次号に定める各期間を三月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出したもの その事業年度をその開始の日以後三月ごとに区分した各期間(最後に三月未満の期間を生じたときは、その三月未満の期間)
四の二  その事業年度が一月を超える法人で第二号に定める期間を一月ごとの期間に短縮すること又は前号に定める各期間を一月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出したもの その事業年度をその開始の日以後一月ごとに区分した各期間(最後に一月未満の期間を生じたときは、その一月未満の期間)

2  前項第三号から第四号の二までの規定による届出の効力は、これらの規定による届出書の提出があつた日(以下この項において「提出日」という。)の属するこれらの規定に定める期間の翌期間(当該提出日の属する期間が事業を開始した日の属する期間その他の政令で定める期間である場合には、当該期間)の初日以後に生ずるものとする。この場合において、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める期間をそれぞれ一の課税期間とみなす。
一  前項第三号又は第三号の二の規定の適用を受けていない個人事業者が、これらの規定による届出書を提出した場合 提出日の属する年の一月一日から届出の効力の生じた日の前日までの期間
二  前項第四号又は第四号の二の規定の適用を受けていない法人が、これらの規定による届出書を提出した場合 提出日の属する事業年度開始の日から届出の効力の生じた日の前日までの期間
三  前項第三号の規定の適用を受けている個人事業者が、同項第三号の二の規定による届出書を提出した場合 提出日の属する同項第三号に定める期間開始の日から届出の効力の生じた日の前日までの期間
四  前項第四号の規定の適用を受けている法人が、同項第四号の二の規定による届出書を提出した場合 提出日の属する同項第四号に定める期間開始の日から届出の効力の生じた日の前日までの期間

3  第一項第三号から第四号の二までの規定による届出書を提出した事業者は、これらの規定の適用を受けることをやめようとするとき又は事業を廃止したときは、その旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。

4  前項の規定による届出書の提出があつたときは、その提出があつた日の属する課税期間の末日の翌日以後は、第一項第三号から第四号の二までの規定による届出は、その効力を失う。この場合において、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める期間をそれぞれ一の課税期間とみなす。
一  第一項第三号の規定による届出書の提出をしている個人事業者がその年の一月一日から九月三十日までの間に前項の規定による届出書の提出をした場合又は第一項第三号の二の規定による届出書の提出をしている個人事業者がその年の一月一日から十一月三十日までの間に前項の規定による届出書の提出をした場合 当該翌日から当該提出があつた日の属する年の十二月三十一日までの期間
二  第一項第四号の規定による届出書の提出をしている法人がその事業年度開始の日からその事業年度の三月ごとに区分された期間のうち最後の期間の直前の期間の末日までの間に前項の規定による届出書の提出をした場合又は第一項第四号の二の規定による届出書の提出をしている法人がその事業年度開始の日からその事業年度の一月ごとに区分された期間のうち最後の期間の直前の期間の末日までの間に前項の規定による届出書の提出をした場合 当該翌日から当該提出があつた日の属する事業年度終了の日までの期間

5  第一項第三号から第四号の二までの規定による届出書を提出した事業者は、事業を廃止した場合を除き、これらの規定による届出の効力が生ずる日から二年を経過する日の属するこれらの規定に定める期間の初日(同項第三号又は第四号の規定による届出書を提出した事業者が同項第三号の二又は第四号の二の規定の適用を受けようとする場合その他の政令で定める場合には、政令で定める日)以後でなければ、同項第三号から第四号の二までの規定による届出書(変更に係るものに限る。)又は第三項の届出書を提出することができない。



(個人事業者の納税地)
第二十条
 個人事業者の資産の譲渡等に係る消費税の納税地は、その個人事業者が次の各号に掲げる場合のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める場所とする。
一  国内に住所を有する場合 その住所地
二  国内に住所を有せず、居所を有する場合 その居所地
三  国内に住所及び居所を有しない者で、国内にその行う事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるもの(以下この条から第二十二条までにおいて「事務所等」という。)を有する者である場合 その事務所等の所在地(その事務所等が二以上ある場合には、主たるものの所在地)
四  前三号に掲げる場合以外の場合 政令で定める場所



(個人事業者の納税地の特例)
第二十一条
 国内に住所のほか居所を有する個人事業者で所得税法第十六条第一項 (納税地の特例)の規定の適用を受けようとする者(第二十三条第一項の規定により納税地の指定を受けている者を除く。)が同法第十六条第三項の規定により同項 の書類を提出したときは、その提出があつた日後における資産の譲渡等に係る消費税の納税地は、前条第一号の規定にかかわらず、その住所地に代え、その居所地とする。

2  国内に住所又は居所を有し、かつ、その住所地又は居所地以外の場所に事務所等を有する個人事業者で所得税法第十六条第二項の規定の適用を受けようとする者(第二十三条第一項の規定により納税地の指定を受けている者を除く。)が同法第十六条第四項の規定により同項 の書類を提出したときは、その提出があつた日後における資産の譲渡等に係る消費税の納税地は、前条第一号又は第二号の規定にかかわらず、その事務所等の所在地(その事務所等が二以上ある場合には、主たるものの所在地。次項において同じ。)とする。

3  前二項の規定により居所地又は事務所等の所在地を資産の譲渡等に係る消費税の納税地としている個人事業者が所得税法第十六条第五項 の規定により同項 の書類を提出したときは、その提出があつた日後における資産の譲渡等に係る消費税の納税地は、その住所地(前項の規定により事務所等の所在地を資産の譲渡等に係る消費税の納税地としている者で住所を有していない者については、居所地)とする。

4  個人事業者が死亡した場合には、その死亡した者の資産の譲渡等に係る消費税の納税地は、その相続人の資産の譲渡等に係る消費税の納税地によらず、その死亡当時におけるその死亡した者の資産の譲渡等に係る消費税の納税地とする。



(法人の納税地)
第二十二条
 法人の資産の譲渡等に係る消費税の納税地は、その法人が次の各号に掲げる場合のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める場所とする。
一  国内に本店又は主たる事務所を有する法人(次号において「内国法人」という。)である場合 その本店又は主たる事務所の所在地
二  内国法人以外の法人で国内に事務所等を有する法人である場合 その事務所等の所在地(その事務所等が二以上ある場合には、主たるものの所在地)
三  前二号に掲げる場合以外の場合 政令で定める場所



(納税地の指定)
第二十三条
 前三条の規定による納税地が個人事業者又は法人の行う資産の譲渡等の状況からみて当該資産の譲渡等に係る消費税の納税地として不適当であると認められる場合には、その納税地を所轄する国税局長(政令で定める場合には、国税庁長官。次項において同じ。)は、これらの規定にかかわらず、その資産の譲渡等に係る消費税の納税地を指定することができる。

2  国税局長は、前項の規定により資産の譲渡等に係る消費税の納税地を指定したときは、同項の個人事業者又は法人に対し、書面によりその旨を通知する。



(納税地指定の処分の取消しがあつた場合の申告等の効力)
第二十四条
 異議申立てについての決定若しくは審査請求についての裁決又は判決により、前条第一項の規定による資産の譲渡等に係る消費税の納税地の指定の処分の取消しがあつた場合においても、その処分の取消しは、その取消しの対象となつた処分のあつた時からその取消しの時までの間に、その取消しの対象となつた納税地をその処分に係る事業者の納税地としてその消費税に関してされた申告、申請、請求、届出その他書類の提出及び納付並びに国税庁長官、国税局長又は税務署長の処分(その取消しの対象となつた処分を除く。)の効力に影響を及ぼさないものとする。



(納税地の異動の届出)
第二十五条
 事業者は、その資産の譲渡等に係る消費税の納税地に異動があつた場合(第二十一条第一項から第三項までの規定に規定する書類の提出又は第二十三条第一項の指定により資産の譲渡等に係る消費税の納税地の異動があつた場合を除く。)には、遅滞なく、その異動前の納税地を所轄する税務署長及び異動後の納税地を所轄する税務署長に書面によりその旨を届け出なければならない。



(外国貨物に係る納税地)
第二十六条
 保税地域から引き取られる外国貨物に係る消費税の納税地は、当該保税地域の所在地とする。



(輸出物品販売場において購入した物品を譲渡した場合等の納税地)
第二十七条
 第八条第三項本文の規定に該当する物品の譲渡に係る消費税の納税地は、同項に規定する出港地又は住所若しくは居所の所在地とする。

2  第八条第五項本文の規定に該当する物品の譲渡に係る消費税の納税地は、同項に規定する譲渡又は譲受けがあつた時(同条第四項ただし書の承認があつた場合には、その承認があつた時)における当該譲渡若しくは譲受け又は承認に係る物品の所在場所とする。





   第二章 課税標準及び税率





(課税標準)
第二十八条
 課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は、課税資産の譲渡等の対価の額(対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額とし、課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額を含まないものとする。以下この項及び次項において同じ。)とする。ただし、法人が資産を第四条第四項第二号に規定する役員に譲渡した場合において、その対価の額が当該譲渡の時における当該資産の価額に比し著しく低いときは、その価額に相当する金額をその対価の額とみなす。

2  第四条第四項各号に掲げる行為に該当するものについては、次の各号に掲げる行為の区分に応じ当該各号に定める金額をその対価の額とみなす。
一  第四条第四項第一号に掲げる消費又は使用 当該消費又は使用の時における当該消費し、又は使用した資産の価額に相当する金額
二  第四条第四項第二号に掲げる贈与 当該贈与の時における当該贈与をした資産の価額に相当する金額

3  保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税の課税標準は、当該課税貨物につき関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)第四条 から第四条の八 まで(課税価格の計算方法)の規定に準じて算出した価格に当該課税貨物の保税地域からの引取りに係る消費税以外の消費税等(国税通則法第二条第三号(定義)に規定する消費税等をいう。)の額(附帯税の額に相当する額を除く。)及び関税の額(関税法第二条第一項第四号の二に規定する附帯税の額に相当する額を除く。)に相当する金額を加算した金額とする。

4  第二項に定めるもののほか、第一項又は前項に規定する課税標準の額の計算の細目に関し必要な事項は、政令で定める。



(税率)
第二十九条
 消費税の税率は、百分の四とする。





   第三章 税額控除等





(仕入れに係る消費税額の控除)
第三十条
 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、国内において行う課税仕入れ又は保税地域から引き取る課税貨物については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日の属する課税期間の第四十五条第一項第二号に掲げる課税標準額に対する消費税額(以下この章において「課税標準額に対する消費税額」という。)から、当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れに係る消費税額(当該課税仕入れに係る支払対価の額に百五分の四を乗じて算出した金額をいう。以下この章において同じ。)及び当該課税期間における保税地域からの引取りに係る課税貨物(他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この章において同じ。)につき課された又は課されるべき消費税額(附帯税の額に相当する額を除く。次項において同じ。)の合計額を控除する。
一  国内において課税仕入れを行つた場合 当該課税仕入れを行つた日
二  保税地域から引き取る課税貨物につき第四十七条第一項の規定による申告書(同条第三項の場合を除く。)又は同条第二項の規定による申告書を提出した場合 当該申告に係る課税貨物(第六項において「一般申告課税貨物」という。)を引き取つた日
三  保税地域から引き取る課税貨物につき特例申告書を提出した場合(当該特例申告書に記載すべき第四十七条第一項第一号又は第二号に掲げる金額につき決定(国税通則法第二十五条 (決定)の規定による決定をいう。以下この号において同じ。)があつた場合を含む。以下同じ。) 当該特例申告書を提出した日又は当該申告に係る決定(以下「特例申告に関する決定」という。)の通知を受けた日

2  前項の場合において、同項に規定する課税期間における課税売上割合が百分の九十五に満たないときは、同項の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額及び同項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき課された又は課されるべき消費税額(以下この章において「課税仕入れ等の税額」という。)の合計額は、同項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める方法により計算した金額とする。
一  当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れ及び当該課税期間における前項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等(以下この号において「その他の資産の譲渡等」という。)にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものにその区分が明らかにされている場合 イに掲げる金額にロに掲げる金額を加算する方法
イ 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額
ロ 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ及び課税貨物に係る課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額
二  前号に掲げる場合以外の場合 当該課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算する方法

3  前項第一号に掲げる場合において、同号ロに掲げる金額の計算の基礎となる同号ロに規定する課税売上割合に準ずる割合(当該割合が当該事業者の営む事業の種類の異なるごと又は当該事業に係る販売費、一般管理費その他の費用の種類の異なるごとに区分して算出したものである場合には、当該区分して算出したそれぞれの割合。以下この項において同じ。)で次に掲げる要件のすべてに該当するものがあるときは、当該事業者の第二号に規定する承認を受けた日の属する課税期間以後の課税期間については、前項第一号の規定にかかわらず、同号ロに掲げる金額は、当該課税売上割合に代えて、当該割合を用いて計算した金額とする。ただし、当該割合を用いて計算することをやめようとする旨を記載した届出書を提出した日の属する課税期間以後の課税期間については、この限りでない。
一  当該割合が当該事業者の営む事業の種類又は当該事業に係る販売費、一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるものであること。
二  当該割合を用いて前項第一号ロに掲げる金額を計算することにつき、その納税地を所轄する税務署長の承認を受けたものであること。

4  第二項第一号に掲げる場合に該当する事業者は、同項の規定にかかわらず、当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れ及び当該課税期間における第一項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物につき、同号に定める方法に代え、第二項第二号に定める方法により第一項の規定により控除される課税仕入れ等の税額の合計額を計算することができる。

5  第二項又は前項の場合において、第二項第二号に定める方法により計算することとした事業者は、当該方法により計算することとした課税期間の初日から同日以後二年を経過する日までの間に開始する各課税期間において当該方法を継続して適用した後の課税期間でなければ、同項第一号に定める方法により計算することは、できないものとする。

6  第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額とは、課税仕入れの対価の額(対価として支払い、又は支払うべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額とし、当該課税仕入れに係る資産を譲り渡し、若しくは貸し付け、又は当該課税仕入れに係る役務を提供する事業者に課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額(これらの税額に係る附帯税の額に相当する額を除く。第九項第一号において同じ。)に相当する額がある場合には、当該相当する額を含む。)をいい、第一項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物とは、保税地域から引き取つた一般申告課税貨物又は特例申告書の提出若しくは特例申告に関する決定に係る課税貨物をいい、第二項に規定する課税売上割合とは、当該事業者が当該課税期間中に国内において行つた資産の譲渡等の対価の額(第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。以下この項及び第九項第一号において同じ。)の合計額のうちに当該事業者が当該課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等の対価の額の合計額の占める割合として政令で定めるところにより計算した割合をいう。

7  第一項の規定は、事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等(同項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が少額である場合その他の政令で定める場合における当該課税仕入れ等の税額については、帳簿)を保存しない場合には、当該保存がない課税仕入れ又は課税貨物に係る課税仕入れ等の税額については、適用しない。ただし、災害その他やむを得ない事情により、当該保存をすることができなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。

8  前項に規定する帳簿とは、次に掲げる帳簿をいう。
一  課税仕入れ等の税額が課税仕入れに係るものである場合には、次に掲げる事項が記載されているもの
イ 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
ロ 課税仕入れを行つた年月日
ハ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容
ニ 第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額
二  課税仕入れ等の税額が第一項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物に係るものである場合には、次に掲げる事項が記載されているもの
イ 課税貨物を保税地域から引き取つた年月日(課税貨物につき特例申告書を提出した場合には、保税地域から引き取つた年月日及び特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日)
ロ 課税貨物の内容
ハ 課税貨物の引取りに係る消費税額及び地方消費税額(これらの税額に係る附帯税の額に相当する額を除く。次項第三号において同じ。)又はその合計額

9  第七項に規定する請求書等とは、次に掲げる書類をいう。
一  事業者に対し課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この号において同じ。)を行う他の事業者(当該課税資産の譲渡等が卸売市場においてせり売又は入札の方法により行われるものその他の媒介又は取次ぎに係る業務を行う者を介して行われるものである場合には、当該媒介又は取次ぎに係る業務を行う者)が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類で次に掲げる事項(当該課税資産の譲渡等が小売業その他の政令で定める事業に係るものである場合には、イからニまでに掲げる事項)が記載されているもの
イ 書類の作成者の氏名又は名称
ロ 課税資産の譲渡等を行つた年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行つた課税資産の譲渡等につきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
ハ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
ニ 課税資産の譲渡等の対価の額(当該課税資産の譲渡等に係る消費税額及び地方消費税額に相当する額がある場合には、当該相当する額を含む。)
ホ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
二  事業者がその行つた課税仕入れにつき作成する仕入明細書、仕入計算書その他これらに類する書類で次に掲げる事項が記載されているもの(当該書類に記載されている事項につき、当該課税仕入れの相手方の確認を受けたものに限る。)
イ 書類の作成者の氏名又は名称
ロ 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
ハ 課税仕入れを行つた年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行つた課税仕入れにつきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
ニ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容
ホ 第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額
三  課税貨物を保税地域から引き取る事業者が保税地域の所在地を所轄する税関長から交付を受ける当該課税貨物の輸入の許可(関税法第六十七条 (輸出又は輸入の許可)に規定する輸入の許可をいう。)があつたことを証する書類その他の政令で定める書類で次に掲げる事項が記載されているもの
イ 保税地域の所在地を所轄する税関長
ロ 課税貨物を保税地域から引き取ることができることとなつた年月日(課税貨物につき特例申告書を提出した場合には、保税地域から引き取ることができることとなつた年月日及び特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日)
ハ 課税貨物の内容
ニ 課税貨物に係る消費税の課税標準である金額並びに引取りに係る消費税額及び地方消費税額
ホ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

10  第七項に規定する帳簿の記載事項の特例、当該帳簿及び同項に規定する請求書等の保存に関する事項その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。



(非課税資産の輸出等を行つた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例)
第三十一条
 事業者が国内において第六条第一項の規定により消費税を課さないこととされる資産の譲渡等(以下この項において「非課税資産の譲渡等」という。)のうち第七条第一項各号に掲げる資産の譲渡等(以下この項及び次項において「輸出取引等」という。)に該当するものを行つた場合において、当該非課税資産の譲渡等が輸出取引等に該当するものであることにつき、財務省令で定めるところにより証明がされたときは、当該非課税資産の譲渡等のうち当該証明がされたものは、課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして、前条の規定を適用する。

2  事業者が、国内以外の地域における資産の譲渡等又は自己の使用のため、資産を輸出した場合において、当該資産が輸出されたことにつき財務省令で定めるところにより証明がされたときは、当該資産の輸出のうち当該証明がされたものは、課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして、前条の規定を適用する。

3  前二項の場合における前条第二項に規定する課税売上割合の計算の方法その他同条の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。



(仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例)
第三十二条
 事業者が、国内において行つた課税仕入れにつき、返品をし、又は値引き若しくは割戻しを受けたことにより、当該課税仕入れに係る支払対価の額(第三十条第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額をいう。以下この項において同じ。)の全部若しくは一部の返還又は当該課税仕入れに係る支払対価の額に係る買掛金その他の債務の額の全部又は一部の減額(以下この条において「仕入れに係る対価の返還等」という。)を受けた場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を当該仕入れに係る対価の返還等を受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額とみなして、第三十条第一項(同条第二項の規定の適用がある場合には、同項の規定を含む。)の規定を適用する。
一  当該事業者の当該課税期間における第三十条第一項の規定により控除される課税仕入れ等の税額の合計額(以下この章において「仕入れに係る消費税額」という。)の計算につき同条第二項の規定の適用がない場合 当該課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額から当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額(当該支払対価の額につき返還を受けた金額又は当該減額を受けた債務の額に百五分の四を乗じて算出した金額をいう。以下この項及び次項において同じ。)の合計額を控除した残額
二  当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第一号に定める方法により計算する場合 イに掲げる金額にロに掲げる金額を加算した金額
イ 第三十条第二項第一号イに掲げる金額から課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつき当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を控除した残額
ロ 第三十条第二項第一号ロに掲げる金額から課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等(同号に規定するその他の資産の譲渡等をいう。第四項第二号ロにおいて同じ。)に共通して要する課税仕入れにつき当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額に同条第二項第一号ロに規定する課税売上割合を乗じて計算した金額(同条第三項本文の規定の適用がある場合には、同項に規定する承認に係る割合を用いて計算した金額。第四項第二号ロにおいて同じ。)を控除した残額
三  当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第二号に定める方法により計算する場合 同号に規定する課税仕入れ等の税額の合計額に同号に規定する課税売上割合(以下この号及び第四項第三号において「課税売上割合」という。)を乗じて計算した金額から当該課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額

2  前項の規定により仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を当該仕入れに係る対価の返還等を受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額から控除して控除しきれない金額があるときは、当該控除しきれない金額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして政令で定めるところにより当該課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。

3  相続により被相続人の事業を承継した相続人が被相続人により行われた課税仕入れにつき仕入れに係る対価の返還等を受けた場合には、その相続人が行つた課税仕入れにつき仕入れに係る対価の返還等を受けたものとみなして、前二項の規定を適用する。

4  事業者が、保税地域からの引取りに係る課税貨物(第三十条第一項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物をいう。以下この条及び第三十六条において同じ。)に係る消費税額の全部又は一部につき、他の法律の規定により、還付を受ける場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を当該還付を受ける日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額とみなして、第三十条第一項(同条第二項の規定の適用がある場合には、同項の規定を含む。)の規定を適用する。
一  当該事業者の当該課税期間における仕入れに係る消費税額の計算につき第三十条第二項の規定の適用がない場合 当該課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額(当該課税期間において第一項第一号の規定の適用がある場合には、同号に定める残額)から保税地域からの引取りに係る課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額(附帯税の額に相当する額を除く。以下この条において同じ。)の合計額を控除した残額
二  当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第一号に定める方法により計算する場合 イに掲げる金額にロに掲げる金額を加算した金額
イ 第三十条第二項第一号イに掲げる金額(当該課税期間において第一項第二号イの規定の適用がある場合には、同号イに掲げる残額)から課税資産の譲渡等にのみ要する課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額の合計額を控除した残額
ロ 第三十条第二項第一号ロに掲げる金額(当該課税期間において第一項第二号ロの規定の適用がある場合には、同号ロに掲げる残額)から課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額の合計額に同条第二項第一号ロに規定する課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額
三  当該事業者が当該課税期間における仕入れに係る消費税額を第三十条第二項第二号に定める方法により計算する場合 同号に規定する課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額(当該課税期間において第一項第三号の規定の適用がある場合には、同号に定める残額)から課税貨物につき当該課税期間において還付を受ける消費税額の合計額に当該課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額

5  前項の規定により、還付を受ける消費税額の合計額を当該還付を受ける日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額から控除して控除しきれない金額があるときは、当該控除しきれない金額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして政令で定めるところにより当該課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。

6  相続により被相続人の事業を承継した相続人が被相続人による保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の全部又は一部につき、他の法律の規定により、還付を受ける場合には、その相続人による保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の全部又は一部につき還付を受けるものとみなして、前二項の規定を適用する。

7  第三項の規定は、合併により事業を承継した合併法人が被合併法人により行われた課税仕入れにつき仕入れに係る対価の返還等を受けた場合又は分割により事業を承継した分割承継法人が分割法人により行われた課税仕入れにつき仕入れに係る対価の返還等を受けた場合について、前項の規定は、合併により事業を承継した合併法人が被合併法人による保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の還付を受ける場合又は分割により事業を承継した分割承継法人が分割法人による保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の還付を受ける場合について、それぞれ準用する。



(課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に関する仕入れに係る消費税額の調整)
第三十三条
 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が国内において調整対象固定資産の課税仕入れを行い、又は調整対象固定資産に該当する課税貨物を保税地域から引き取り、かつ、当該課税仕入れ又は当該課税貨物に係る課税仕入れ等の税額につき比例配分法により仕入れに係る消費税額を計算した場合(第三十条第一項の規定により当該調整対象固定資産に係る課税仕入れ等の税額の全額が控除された場合を含む。)において、当該事業者(相続により当該事業者の当該調整対象固定資産に係る事業を承継した相続人、合併により当該事業を承継した合併法人及び分割により当該調整対象固定資産に係る事業を承継した分割承継法人を含むものとし、これらの者のうち第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される者を除く。以下この項において同じ。)が第三年度の課税期間の末日において当該調整対象固定資産を有しており、かつ、第三年度の課税期間における通算課税売上割合が仕入れ等の課税期間(当該調整対象固定資産の課税仕入れの日又は保税地域からの引取りの日(当該調整対象固定資産に該当する課税貨物につき特例申告書を提出した場合には、当該特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日。次条第一項及び第三十五条において同じ。)の属する課税期間をいう。以下この項及び次項において同じ。)における第三十条第二項に規定する課税売上割合(当該仕入れ等の課税期間において同条第三項本文の規定の適用を受けた場合には、同項に規定する承認に係る割合。以下この項及び次項において同じ。)に対して著しく増加した場合として政令で定める場合に該当するときは第二号に掲げる合計額から第一号に掲げる合計額を控除した金額に相当する消費税額をその者の当該第三年度の課税期間の仕入れに係る消費税額に加算し、当該通算課税売上割合が当該課税売上割合に対して著しく減少した場合として政令で定める場合に該当するときは第一号に掲げる合計額から第二号に掲げる合計額を控除した金額に相当する消費税額をその者の当該第三年度の課税期間の仕入れに係る消費税額から控除する。この場合において、当該加算をした後の金額又は当該控除をした後の金額を当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。
一  第三年度の課税期間の末日において有する当該調整対象固定資産(以下この号において「保有調整対象固定資産」という。)の課税仕入れに係る消費税額又は保有調整対象固定資産である課税貨物に係る消費税額(附帯税の額に相当する額を除く。)(以下この号及び次号において「調整対象基準税額」という。)に当該仕入れ等の課税期間における第三十条第二項に規定する課税売上割合を乗じて計算した消費税額の合計額(仕入れ等の課税期間において同条第一項の規定により当該保有調整対象固定資産に係る課税仕入れ等の税額の全額が控除された場合には、調整対象基準税額の合計額)
二  調整対象基準税額に通算課税売上割合を乗じて計算した消費税額の合計額

2  前項に規定する比例配分法とは、第三十条第二項第一号ロに規定する課税売上割合(以下この項において「課税売上割合」という。)を乗じて計算する方法又は同条第二項第二号に定める方法をいい、前項に規定する第三年度の課税期間とは、仕入れ等の課税期間の開始の日から三年を経過する日の属する課税期間をいい、同項に規定する通算課税売上割合とは、仕入れ等の課税期間から第三年度の課税期間までの各課税期間において適用されるべき課税売上割合を政令で定めるところにより通算した課税売上割合をいう。

3  第一項の規定により同項第一号に掲げる合計額から同項第二号に掲げる合計額を控除した金額に相当する消費税額を当該第三年度の課税期間の仕入れに係る消費税額から控除して控除しきれない金額があるときは、当該控除しきれない金額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして当該第三年度の課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。



(課税業務用調整対象固定資産を非課税業務用に転用した場合の仕入れに係る消費税額の調整)
第三十四条
 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、国内において調整対象固定資産の課税仕入れを行い、又は調整対象固定資産に該当する課税貨物を保税地域から引き取り、かつ、当該課税仕入れ又は当該課税貨物に係る課税仕入れ等の税額(以下この項において「調整対象税額」という。)につき第三十条第二項第一号に定める方法により同号に規定する課税資産の譲渡等にのみ要するものとして仕入れに係る消費税額を計算した場合において、当該事業者(相続により当該事業者の当該調整対象固定資産に係る事業を承継した相続人、合併により当該事業を承継した合併法人及び分割により当該調整対象固定資産に係る事業を承継した分割承継法人を含むものとし、これらの者のうち第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される者を除く。)が当該調整対象固定資産を当該課税仕入れの日又は当該保税地域からの引取りの日から三年以内に同号に規定するその他の資産の譲渡等に係る業務の用に供したときは、当該業務の用に供した日が次の各号に掲げる期間のいずれに属するかに応じ当該各号に定める消費税額を同日の属する課税期間における仕入れに係る消費税額から控除する。この場合において、当該控除をした後の金額を当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。
一  当該調整対象固定資産の課税仕入れの日又は当該調整対象固定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取りの日からこれらの日以後一年を経過する日までの期間 調整対象税額に相当する消費税額
二  前号に掲げる期間の末日の翌日から同日以後一年を経過する日までの期間 調整対象税額の三分の二に相当する消費税額
三  前号に掲げる期間の末日の翌日から同日以後一年を経過する日までの期間 調整対象税額の三分の一に相当する消費税額

2  前項の規定により同項各号に定める消費税額を同項に規定する業務の用に供した日の属する課税期間における仕入れに係る消費税額から控除して控除しきれない金額があるときは、当該控除しきれない金額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして当該業務の用に供した日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。



(非課税業務用調整対象固定資産を課税業務用に転用した場合の仕入れに係る消費税額の調整)
第三十五条
 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、国内において調整対象固定資産の課税仕入れを行い、又は調整対象固定資産に該当する課税貨物を保税地域から引き取り、かつ、当該課税仕入れ又は当該課税貨物に係る課税仕入れ等の税額(以下この条において「調整対象税額」という。)につき第三十条第二項第一号に定める方法により同号に規定するその他の資産の譲渡等にのみ要するものとして仕入れに係る消費税額がないこととした場合において、当該事業者(相続により当該事業者の当該調整対象固定資産に係る事業を承継した相続人、合併により当該事業を承継した合併法人及び分割により当該調整対象固定資産に係る事業を承継した分割承継法人を含むものとし、これらの者のうち第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される者を除く。)が当該調整対象固定資産を当該課税仕入れの日又は当該保税地域からの引取りの日から三年以内に同号に規定する課税資産の譲渡等に係る業務の用に供したときは、当該業務の用に供した日が次の各号に掲げる期間のいずれに属するかに応じ当該各号に定める消費税額を同日の属する課税期間における仕入れに係る消費税額に加算する。この場合において、当該加算をした後の金額を当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。
一  当該調整対象固定資産の課税仕入れの日又は当該調整対象固定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取りの日からこれらの日以後一年を経過する日までの期間 調整対象税額に相当する消費税額
二  前号に掲げる期間の末日の翌日から同日以後一年を経過する日までの期間 調整対象税額の三分の二に相当する消費税額
三  前号に掲げる期間の末日の翌日から同日以後一年を経過する日までの期間 調整対象税額の三分の一に相当する消費税額



(納税義務の免除を受けないこととなつた場合等の棚卸資産に係る消費税額の調整)
第三十六条
 第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者が、同項の規定の適用を受けないこととなつた場合において、その受けないこととなつた課税期間の初日(第十条第一項、第十一条第一項又は第十二条第五項の規定により第九条第一項本文の規定の適用を受けないこととなつた場合には、その受けないこととなつた日)の前日において消費税を納める義務が免除されていた期間中に国内において譲り受けた課税仕入れに係る棚卸資産又は当該期間における保税地域からの引取りに係る課税貨物で棚卸資産に該当するもの(これらの棚卸資産を原材料として製作され、又は建設された棚卸資産を含む。以下この条において同じ。)を有しているときは、当該課税仕入れに係る棚卸資産又は当該課税貨物に係る消費税額(当該棚卸資産又は当該課税貨物の取得に要した費用の額として政令で定める金額に百五分の四を乗じて算出した金額をいう。第三項及び第五項において同じ。)をその受けないこととなつた課税期間の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額とみなす。

2  前項の規定は、事業者が政令で定めるところにより同項に規定する棚卸資産又は課税貨物の明細を記録した書類を保存しない場合には、当該保存のない棚卸資産又は課税貨物については、適用しない。ただし、災害その他やむを得ない事情により当該保存をすることができなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。

3  個人事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が相続により被相続人(同項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者に限る。)の事業を承継した場合又は法人(同項本文の規定により消費税を納める義務が免除される法人を除く。)が合併により被合併法人(同項本文の規定により消費税を納める義務が免除される法人に限る。)の事業を承継した場合若しくは分割により分割法人(同項本文の規定により消費税を納める義務が免除される法人に限る。)の事業を承継した場合において、当該被相続人又は被合併法人若しくは分割法人が消費税を納める義務が免除されていた期間中に国内において譲り受けた課税仕入れに係る棚卸資産又は当該期間における保税地域からの引取りに係る課税貨物で棚卸資産に該当するものを引き継いだときは、当該課税仕入れに係る棚卸資産又は当該課税貨物に係る消費税額を当該引継ぎを受けた個人事業者又は法人の当該相続又は合併若しくは分割があつた日の属する課税期間の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額とみなす。

4  第二項の規定は、前項の規定の適用を受ける個人事業者又は法人について準用する。

5  事業者が、第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除されることとなつた場合において、同項の規定の適用を受けることとなつた課税期間の初日の前日において当該前日の属する課税期間中に国内において譲り受けた課税仕入れに係る棚卸資産又は当該課税期間における保税地域からの引取りに係る課税貨物で棚卸資産に該当するものを有しているときは、当該課税仕入れに係る棚卸資産又は当該課税貨物に係る消費税額は、第三十条第一項(同条第二項の規定の適用がある場合には、同項の規定を含む。)の規定の適用については、当該課税期間の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額に含まれないものとする。



(中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例)
第三十七条
 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、その納税地を所轄する税務署長にその基準期間における課税売上高(同項に規定する基準期間における課税売上高をいう。以下この項において同じ。)が二億円以下である課税期間(第十二条第一項に規定する分割等に係る同項の新設分割親法人又は新設分割子法人の政令で定める課税期間(以下この項において「分割等に係る課税期間」という。)を除く。)についてこの項の規定の適用を受ける旨を記載した届出書を提出した場合には、当該届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間(当該届出書を提出した日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間その他の政令で定める課税期間である場合には、当該課税期間)以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が二億円を超える課税期間及び分割等に係る課税期間を除く。)については、第三十条から前条までの規定により課税標準額に対する消費税額から控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額は、これらの規定にかかわらず、当該事業者の当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から当該課税期間における次条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額の百分の六十に相当する金額(卸売業その他の政令で定める事業を営む事業者にあつては、当該残額に、政令で定めるところにより当該事業の種類ごとに当該事業における課税資産の譲渡等に係る消費税額のうちに課税仕入れ等の税額の通常占める割合を勘案して政令で定める率を乗じて計算した金額)とする。この場合において、当該金額は、当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。

2  前項の規定による届出書を提出した事業者は、同項の規定の適用を受けることをやめようとするとき又は事業を廃止したときは、その旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。

3  前項の場合において、第一項の規定による届出書を提出した事業者は、事業を廃止した場合を除き、同項に規定する翌課税期間の初日から二年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、同項の規定の適用を受けることをやめようとする旨の届出書を提出することができない。

4  第二項の規定による届出書の提出があつたときは、その提出があつた日の属する課税期間の末日の翌日以後は、第一項の規定による届出は、その効力を失う。

5  やむを得ない事情があるため第一項又は第二項の規定による届出書を第一項の規定の適用を受けようとし、又は受けることをやめようとする課税期間の初日の前日までに提出できなかつた場合における同項又は前項の規定の適用の特例については、政令で定める。



(売上げに係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除)
第三十八条
 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、国内において行つた課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。)につき、返品を受け、又は値引き若しくは割戻しをしたことにより、当該課税資産の譲渡等の対価の額(第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。)と当該対価の額に百分の五を乗じて算出した金額との合計額(以下この項及び次条において「税込価額」という。)の全部若しくは一部の返還又は当該課税資産の譲渡等の税込価額に係る売掛金その他の債権の額の全部若しくは一部の減額(以下この項から第四項までにおいて「売上げに係る対価の返還等」という。)をした場合には、当該売上げに係る対価の返還等をした日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から当該課税期間において行つた売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額(当該返還をした税込価額又は当該減額をした債権の額に百五分の四を乗じて算出した金額をいう。次項において同じ。)の合計額を控除する。

2  前項の規定は、事業者が当該売上げに係る対価の返還等をした金額の明細を記録した帳簿を保存しない場合には、当該保存のない売上げに係る対価の返還等に係る消費税額については、適用しない。ただし、災害その他やむを得ない事情により当該保存をすることができなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。

3  相続により被相続人の事業を承継した相続人が被相続人により行われた課税資産の譲渡等につき売上げに係る対価の返還等をした場合には、その相続人が行つた課税資産の譲渡等につき売上げに係る対価の返還等をしたものとみなして、前二項の規定を適用する。

4  前項の規定は、合併により事業を承継した合併法人が被合併法人により行われた課税資産の譲渡等につき売上げに係る対価の返還等をした場合又は分割により事業を承継した分割承継法人が分割法人により行われた課税資産の譲渡等につき売上げに係る対価の返還等をした場合について準用する。

5  前二項に定めるもののほか、第二項に規定する帳簿の記録及び保存に関する事項その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。



(貸倒れに係る消費税額の控除等)
第三十九条
 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が国内において課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。)を行つた場合において、当該課税資産の譲渡等の相手方に対する売掛金その他の債権につき会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)の規定による更生計画認可の決定により債権の切捨てがあつたことその他これに準ずるものとして政令で定める事実が生じたため、当該課税資産の譲渡等の税込価額の全部又は一部の領収をすることができなくなつたときは、当該領収をすることができないこととなつた日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から、当該領収をすることができなくなつた課税資産の譲渡等の税込価額に係る消費税額(当該税込価額に百五分の四を乗じて算出した金額をいう。第三項において同じ。)の合計額を控除する。

2  前項の規定は、事業者が財務省令で定めるところにより同項に規定する債権につき同項に規定する事実が生じたことを証する書類を保存しない場合には、適用しない。ただし、災害その他やむを得ない事情により当該保存をすることができなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。

3  第一項の規定の適用を受けた同項の事業者が同項の規定の適用を受けた課税資産の譲渡等の税込価額の全部又は一部の領収をしたときは、当該領収をした税込価額に係る消費税額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなしてその事業者のその領収をした日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。

4  相続により当該相続に係る被相続人の事業を承継した相続人がある場合において、当該被相続人により行われた課税資産の譲渡等の相手方に対する売掛金その他の債権について当該相続があつた日以後に第一項の規定が適用される事実が生じたときは、その相続人が当該課税資産の譲渡等を行つたものとみなして、同項及び第二項の規定を適用する。

5  相続により当該相続に係る被相続人の事業を承継した相続人が当該被相続人について第一項の規定が適用された課税資産の譲渡等の税込価額の全部又は一部を領収した場合には、その相続人が同項の規定の適用を受けたものとみなして、第三項の規定を適用する。

6  前二項の規定は、合併により当該合併に係る被合併法人から事業を承継した合併法人又は分割により当該分割に係る分割法人から事業を承継した分割承継法人について準用する。



第四十条
 削除



(税額控除の計算の細目)
第四十一条
 この章に定めるもののほか、税額控除の計算の細目に関し必要な事項は、政令で定める。


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